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異界見聞録。九十六式歩行空挺戦車、ハイエルフ、フェンリルと異世界を旅する。  作者: トウフキヌゴシ


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23/25

第23話、砂嵐。

 オアシス都市、”ロウラン”の水源を止めていた巨大シオマネキを倒した一人と一台と一頭。

 オアシスに水が帰ってきた。

「水のタンクの残りが半分を切ってたから助かるよ」

 オアシスから水を補給する。

 食料が必要なのはシャル殿のみ。

 しかもマ力が高いから少食だ。

 ロボはマ法生物なので食料は無理に食べなくても大丈夫。

 どうやら、世界樹の枝から直接マ力を吸収しているようだ。

 食料はまだまだ余裕がある。

 水がわきだして三日。

 自分(歩行空挺戦車、全高七メートルくらい)の膝くらいまで水が出ていた。


 その水の中をシャル殿が優雅に泳ぐ。

 ちょうどよい大きさの胸部装甲。

 三十年ブートキャンプで鍛え上げられたわりには、しなやかで女性特有の丸みを帯びたプロポーション。

 黒くて飾り気のない水着が濡れた金髪に恐ろしく似合う。

 胸には、白い布に、”しゃる”と書かれていた。

「……でこの格好はなんだ……?」

「スクミズ……スクール水着です」

「むうっ、何か不穏な響きだな」

「いえいえ、学校の水泳の授業で女子児童が使う正式なものですよっ」 

「……そうか」

 その後ろを人型のロボが、()()()()()()で泳いでいった。 

 

「出発しようか」

「ああ」

「ガウ」

 自分とロボが砂漠を歩きだした。

 世界樹は世界の中心にある(はずだ)。

 世界樹から離れていけば、この、”生きては帰さない砂漠”を抜けられるはずである。

 三日ほど進んだ。

「ん、前方に異状あり」

 黒いもやが広い範囲に広がっている。

 上のほうで横に稲光が走った。

「なんだあれは」

 メインカメラを最大望遠。

 シャル殿の前にある情報モニターに映像が映る。

 荒れ狂う砂と風。

「砂嵐だな、大きいっ」

「すごい風だっ」

 シャル殿が大声で言った。

「ロボッ、人型で自分の中に」

「ガウッ」

 操縦席を複座にしてロボを後席に。

 それから、あっという間に砂嵐の中に入った。

「うわああ」

 海砂ほどではないが膝まで砂に埋まる。


 ゴオオオオオウ

 

「ま、まずい」

 自分は空挺戦車だ。

 可能な限り軽量に作られている。   

「ど、どうした」

「ガウッ」

「と、飛ばされるう」


 強烈な風にふわりと浮かされた後、ゴロンゴロンと転がされながらと飛ばされた。

 柔道の受け身を連続で行うような感じでまわる。

「うわああああ」

「ガウウウウウ」

 グルングルンと回る操縦席。

 立とうとしても足が砂にとられて立てない、


 ガゴオオン


 何か固いものにぶつかった。


 ミシイイ


 そして、太い棒のようなものにとっさにしがみついたのである。

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