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九十六式歩行空挺戦車、ハイエルフと旅をする。  作者: トウフキヌゴシ


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18/19

第18話、探索。

 今自分たちは,”海砂”の巨大な渦の真ん中にいる。

 渦の真ん中にある異世界から落ちてきた宇宙戦艦、文福茶釜ぶんぶくちゃがまの甲板の上にいるのだ。

 だが自分のデータにある戦艦とはかなり違う。

 自分がいた世界よりも未来のものかもしれない。

 

「というわけで、この船を調べてくれないか? もしかしたらデータが残ってるかもしれないんだ」

 シャル殿に頼んだ。

「異世界のか?」

「そう」

 よく見ると、後部が内側からはじけたような感じで壊れている。

「壊れた原因もわかるかもしれない」

「ふむん、よかろう、何か落ちアイテムがあるかも知れないしな」

「探索は、昼から夜にかわる二時間、この間なら活動できるはずだ」

 暑すぎず寒すぎずといったところ。

「レースクイーンの格好で……」

 というのはさすがに怒られるので、シャル殿が着替える。


 ◆


 全身都市迷彩。

 アーミーブーツにバトルパンツ。

 アーモジャケットに暗視ゴーグル付きのヘルメット。 

 ”P90サブマシンガン”

 ”SIG SAUER P220”ハンドガンを脇のホルスターに。

 コンバットナイフを柄を下に肩の前につるす。 


 ◆


 現代戦のフル装備だ。


 同じように人型のロボも迷彩服に着替える。

 爪で鋼鉄を割くことができるロボは、巨大なハンドガン、デザートイーグルを装備した。


「とりあえず、艦橋を目指してくれ。シャル殿がつけている、ブレスレットコマンダーで通信が可能だ」


 コオオオン


 甲板に手をついて非破壊検査用のソナーピンを撃つ。

 戦艦の壁に振動が走る。

 音の反響によってある程度の内部の構造が分かった。

「空間表示するよ」

 シャル殿の腕につけたブレスレットコマンダーから光の板が出た。

 艦の見下ろし図が映っていた。

「とりあえず三階まではわかった」

 それ以上は振動が拡散する。

「了解だ」

「わかった」

 甲板の先、斜めに傾いた鋼鉄の扉。

 ロボが先に体をねじりこむように入った。 

 続いてシャル殿がするりと入る。

「ブレスレットコマンダーである程度見えるから、気をつけて行ってくれ」

 二人の姿が見えなくなった。

「さてと……そのあいだに」

 背中からパラシュートに包んでいた黒曜石をとりだした。

 恐ろしい切れ味のこれで、剣やナイフを作るつもりである。


 イイイイイ


 高周波ノイズとともに、人差し指にメーサーカッターを発生させた。



「暗いな」

「はい、ご主人」

 ちらりと振り向いたロボの瞳が金色に輝く。

 狼は夜行性だ。

 かちゃりとヘルメットの上から暗視ゴーグルを下した。

 三十年ブートキャンプをしていただけあり、腰を落とし周囲の警戒を怠らない。

 明るいマップは周りが見えなくなるので一旦消した。

「動体レーダーを作動させるね」

 ブレスレットコマンダーから自分の声がした。

 ヴ、ヴ、ヴと小さな振動で知らせるものだ。

 近くに動くものがいるとヴヴヴと早く振動する。

「あっちだ」

 シャル殿は厳しい訓練で、一瞬で周りのマップを覚えている。

 「了解」

 フロントは、や目と鼻のきくロボである。

 片手に大きななハンドガンであるデザートイーグル。

 野生の獣を思わせる警戒した姿勢だ。

 シャル殿は、腰を低く時おりP90を油断なく後ろにも向けながら進む。


 艦橋は上層階だ。

 一階から三階まで特に何もなく、四階につながる階段の前についた。

 部屋に白骨化した遺体があったりしたが。

「ここからはマップが無い、さらに警戒していくぞ」

「ご主人、了解だ」

「うむ」

 四階に上がる階段に足をかけた。

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