第10話、ブートキャンプ.
ザッザッザッザッザッ
「われらは無敵のハイエルフッ」
「「「われらは無敵のハイエルフッ」」」
ザッザッザッザッザッ
「弓をかかげて走りこむっ」
「「「弓をかかげて走りこむっ」」」
隣にハートウーマン軍曹。
弓を上にかかげて並んで横を走るハイエルフの集団。
シャル殿も交じっている。
「宙軍中野学校式、近接格闘術《CQC》は最強だっ」
ハートウーマン軍曹が大きな声で言った。
「特に体格の小さな日本人向けに作られているため、相手の力を利用するものが多い」
「華奢なハイエルフにもぴったりだ」
「さらに、打撃・組み手・投げ技となんでもありのバーリトゥ―ド」
「マスターしてもらうぞっ」
「「「イエスッマアムッ」」」
シャル殿も含めて所々で組み手を始めるハイエルフたち。
少し離れたところに弓の射撃場ができている。
見極めの広場はすっかり訓練場なっていた。
……三十年後。
ザッザッザッザッザッ
「われらは無敵のハイエルフッ」
「「「われらは無敵のハイエルフッ」」」
ザッザッザッザッザッ
「ライフルかかげて走りこむっ」
「「「ライフルかかげて走りこむっ」」」
「…………三十年…………!!」
シャル殿も含めてハイエルフの戦士たちが全員細マッチョになっていた。
タタタアアン
スタンディングの状態でM16アサルトライフル異世界スペシャル(←重要部品にミスリル銀を使用)を撃つハイエルフたち。
装備の近代化も進んだ。
かく言う自分も重要部品をミスリル銀に交換して、元の速さの三倍になっている。
「はははは、はあ⤵、全身真っ赤に染めようかと何度迷ったことか……」
さても、三十年。
けっして、ハイエルフの成長が遅いというわけではない。
「ただ、時間の感覚が違うんだよなあ」
シャル殿はもう多分、格闘術も自分の操縦も達人クラスだと思う。
「さてと、シャル」
「イエスッマアムッ」
「そろそろキャンプの卒業試験を受けてもらおう」
「下界に行きたいのだろう」
「…………下界?」
きょとんとするシャル殿。
「あ、え、そういえば」
三十年前の古い記憶を掘り返す。
「下界に降りたいからキャンプを始めたような」
「ああ、忘れていたよ、キャンプで鍛えるのが楽しくてつい」
「いくらなんでも、もうそろそろいいだろう」
ハートウーマン軍曹だ。
本来のキャンプは半年から一年である。
「では、卒業試験として、ガーディアンゴーレム二体と模擬戦をしてもらう」
最初にいたレイピアのガーディアンゴーレムだ。
この里の最高戦力の一角である。
「わかった」
シャル殿が答えた。
ほかの戦力に、八八高射砲(タイガー戦車の主砲)や九十六式二十五粍三連装機銃(戦艦大和に装備された対空機銃)もある。
将来、飛行艦で攻めてきた人族を迎撃することになるのだ。




