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序章

 あの光は何だ。


 怪しげに揺れる燭台の炎、目眩を誘う周囲の祈祷、冷たい足枷、眼前で揺蕩う布。

 

 あの光は何だ。

 

 神主は片手に聖書、もう片手にナイフを掲げた、何か重大な知らせを宣告しているようだ。

 

 あの光は何だ。

 

 呆然とするうちに、首筋から熱と冷さがと交互に走る。次第に意識は朦朧とし、視界が神主の腕から足へと流れる。

 

 あの光は何だ。

 

 思考は止まらない――それにさえ気づかない。ただ、頭上に感じるあの存在に、心だけが震えている。


 神主が私の頭を持ち上げる。ようやく、周囲を見渡せた。


 疲れ果てた群衆。その顔とは裏腹に、歓喜の声だけが満ちている。だが――

 

 あの光は何だ。

 

 嗚呼、何故、可哀想と呟くのだろうか。


 ー生前の記憶ー

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