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第67章「嫉妬の嵐?!ドキドキ王様ゲーム」

今まで会話のところを誰が話しているかわかるよう、台本形式で表現してましたがその形式を変えます。後日内容は一切変えませんが今までの話も形式を変更致します。よろしくお願いします。

ここはケイの部屋。男子の部屋にしては綺麗に片付いている。余計なものはほとんどなく、ベッドとテーブル、そして趣味で使っているもの、主なものはそれくらいである。そんなケイの部屋にリヴァイアサンの討伐を祝った祝勝会の2次会で女子5人のシルファ、フィオナ、アイリス、アクア、アスカが各自入浴を済ませた後、21時半頃から遊びに来ていた。


「へぇ……意外と綺麗に片付いてるじゃない!」

「ここがケイの部屋……な、なんかオシャレです!」


アイリスとシルファはケイの部屋を眺めて感想を言う。一方アクアは何かを探していた。ケイは少しため息をつき尋ねる。


「はぁ……なぁアクア、何してる?」

「エロ本を探してるに決まってるじゃない!!」


ベッドの下を探していたアクアはケイの方を振り向き、ニヤニヤしていた。フィオナは顔を真っ赤にしケイにキレる。


「も、持ってるの?ケイぃぃ!最低!!スケベ!」

「フィ、フィオナ!証拠も何もないのに疑うのやめてくれないか?!というかアクア!!ないからもう部屋を荒らさないでくれ!!」

「そ、そうですよ!ケイさんが可愛そうです!やめましょうよ!アクアさん!」

「……まっ!それもそうね!お楽しみはこれからだしね!」 


アスカのフォローのおかげで、アクアは落ち着くのだった。座布団に座り、テーブルに大量の酒やつまみを並べる。他の5人もテーブル周りの座布団に座り、みんなで乾杯した後、シルファはアクアに尋ねるのだった。


「……このメンバーということは何かするんですか?アクア!」


その質問にアクアは待ってましたと言わんばかり悪い顔で答える。


「ピンポーン!!さぁやるわよ!!王様ゲームよ!!」

「お、王様ゲームですって?!」


他のメンバーがポカンとしている中、一番に反応したのはアイリスだった。どうやらアイリスはそれがどんなゲームか知っているようだ。そんなアイリスにフィオナ達は尋ねる。


「ア、アイリス!何よ!その王様ゲームって!!」

「わ、私も聞いたことないです!ケイ!知ってますか?」

「すまん、シルファ!俺もなんのことかわからない!」

「ア、アクアさん!アイリスさん!説明をお願いします!」

「簡単にいうとね!!王様が王様以外の人になんでも好きなことを命令できるゲームよ!!」


アスカの質問にアイリスは答える。そして皆理解してしまった。このゲームがいかに危険かということを。


「そう!アイリスの言うとおりよ!そして……じゃーん!!みなさい!!この6枚のカードを!!王様は1から5の番号を選んでその人に好きなことを命令できるわ!」


アクアはそう言い、6枚のカードを見せる。5枚の表面には1から5までの数字がランダムで書かれている。残り1枚は王様と書かれていた。そして、その6枚をシャッフルし、テーブルに裏向きで並べる。それを見てシルファは緊張した様子で呟く。


「こ、この中から1枚選ぶわけですね!」

「そうよ!!まぁ細かい説明より実際やってみた方が早いわ!じゃあ時計回りにひいていきましょ!」


シルファの質問にアクアは答え、1人ずつ引いていく。いよいよ王様ゲームが始まったのだ。


「お、王様のカードはだれ?!」


アイリスはみんなに質問する。手を上げたのはアクアだった。皆顔を青ざめる。一方アクアはこの上なく嬉しそうだった。


「きたわ!!私王様ーー!!」

「ア、アクアなの?!」

「そうよ!フィオナ!!」

「アクアさんですか……嫌な予感しかしないです!」


フィオナとアスカがそんなことを言う中アクアは命令する。


「それじゃ命令よ!!1番の人は4番の人に耳元で愛の言葉をささやきなさい!!」


その命令に空気が凍る。みな目を見開き動揺を見せる。先に口を開いたのはアイリスだった。


「ちょ、ちょっとアクア!!それはまずいって!!アスカもそう思うでしょ?!」

「そうですよ!な、なんかいかがわしいです!」


そんなことはアイリスとアスカのクレームを一切無視しアクアは尋ねる。1番と4番が誰かと。


「これはゲームだから文句はなしよ!さぁ誰かしら?手を上げなさい!」


手を上げたのはフィオナとケイだった。相手がケイとわかりフィオナは顔が真っ赤だった。


「わ、私が1でケイが4?!」

「ま、まじか……」


アクアのテンションは爆上がりだった。最高に楽しそうである。


「きゃああ!きたぁぁー!!」


一方シルファとアイリスは阻止しようと必死だった。フィオナがケイにそんなことをするのは絶対嫌だった。


「ア、アクア?!嫌です!そ、そんな命令は絶対ダメです!取り消して下さいっ!!」

「フィオナとケイが……っ絶対嫌!!ほ、他の命令にしなさいよ!!お願いだから!!」


二人は涙目でアクアを説得するが、アクアは一言。


「これはゲームだから!」


それを言われてもう何も言い返せなかった。フィオナはシルファと入れ替わりケイの隣に座る。一瞬ケイを照れた表情でちらっとみた後、目を反らす。そして小さな声で呟く。


「ゲ、ゲームなんだからね……!勘違いしないでよね!」

「……あ、ああ!」


フィオナはケイの右耳の近くまで、顔を近づける。お互いの顔が接触するまでわずか5センチ。フィオナは顔が真っ赤だった。そんな中フィオナは小さな声でケイの耳元で愛の言葉をささやく。


「……大好き。」


その一言にケイもトマトのように赤面する。カップルであるかのような雰囲気にパニックが起こる。先に悲鳴をあげたのはアクアだった。


「きゃああ!可愛いぃぃーー!!フィオナおめでとうーー!!」

「ア、アクア!違うんだから!!こ、これはゲームなんだからね!しょ、しょうがなくだからね!ケイ!!」

「フ、フィオナ!お、俺だってわかってる!ぜ、全然動揺してないからな!」

「ふ、2人とも顔真っ赤……な、なんかいいですね!」


アクアとアスカが興奮した様子で盛り上がる一方、この光景をみたシルファとアイリスは嫉妬が爆発するのだった。


「や、やめてよぉーー!もう離れなさいよ!!ケイが困ってるでしょ!フィオナ!自分の席に戻りなさいよ!!」

「べ、別に困ってないじゃない!!わ、わざわざ席戻るの大変だしここでいいわよ!しょうがないから!」

「やだ!やだ!嫌ぁー!ケイにベタベタ触らないで下さいーー!あとそこは私の席です!戻って下さい!!」


シルファとアイリスは強引にフィオナをケイから引き離す。その様子をみてアクアはこう思う。


(シ、シルファとアイリスのヤキモチかわいい……もっともっと修羅場にしたいわ!!ぐふふふふ!)


アクアが考えていることをアスカは察し呟く。


「ア、アクアさん本当に悪い顔してます……!」

「えっ?なんのことかしら!!さぁ!二回戦やるわよ!!王様だーれだ!?」


6人は再びカードを引く。先ほどよりみな慎重だった。それから判明する。今回の王様が誰なのかを。


「俺だな!!」


今回の王様はケイのようだ。それに対して様々な反応が起こる。先陣をきったのはフィオナだった。


「あ、あんた!へ、変なことはやめてよねー!!」

「変な要求なんてしねーよ!!」

「ケイさんが王様なら変なことは要求しないと思いますが……」


ケイが要求したのは意外なことだった。それは誰もが想定してなかったことである。


「2番の人が3番の人に好きな命令をすること!これなら変じゃないだろ?2番と3番の人、手を上げてくれ!」


これなら大丈夫だろう。そう思ったのもつかぬまだった。この判断は完全なミスだったのだ。2番がアクア、3番はシルファだったからだ。そしてアクアは大喜びだった。


「や、やったわーー!!ケイ!あなた最高ね!!」

「なっ!?まさか2がアクアとは……まずい!」


ケイがやってしまったといった表情で反応する一方、アイリスはケイに言う。必死に涙をこらえていた。


「ケ、ケイーー!!な、何やってるのよ?!絶対アクアはシルファに変なことさせるじゃない!!」

「だ、大丈夫ですよ……!ア、アクアだってモラルはあるはずですから!」


シルファがそんなフォローを入れる中、アクアは命令する。その命令には全く容赦がなかった。


「じゃあ!3番の人は、ここにいる男子に後ろから抱きしめられ告白されること!あ、男子はケイしかいなかったわね!!てへっ!!」


この命令にシルファを除く、ケイ、女性陣からアクアへ避難が殺到した。


「はっ?き、きたねーぞ!!俺しかいないのわかってただろ?!」

「そ、そうよ!あと、てへっ!……じゃないわよ!!何もモラルないじゃない!!」

「ア、アイリスさん!堪えて下さいっ!!」

「ア、アイリスの言う通りよ!!これだけはダメなんだから!!」

「フィオナも必死ねー!!ふふふ!!楽しいわー!!あらっ?シルファは逆に嬉しそうね!?」

「……へっ?!そ、そうでしょうか?!……えへへ!ゲームですから!!しょうがないですね!」


ケイはアクアの一言を聞き、シルファの表情をみる。一瞬目があう。照れているが嫌ではなさそうだ。


「シルファの言う通りよ!さぁ!ケイ!!」

「やだっ!やだっ!シルファだけは絶対嫌ぁーー!!」

「ちょ、ちょっとーー!えっ?本当にするの?!やめなさいよ!やめなさいってばーー!!」


そんなアイリスとフィオナの抵抗にアクアは笑顔で再び言う。


「ダメよ!ゲームだからっ!」


何も言い返せないこの言葉にケイは覚悟を決める。そしてシルファに確認する。


「わかった!!ほ、本当にいいのか?シルファ?」

「だ、大丈夫です……!い、いいですよ!」


シルファの了承を得て、ケイは少し緊張した様子のシルファの背後に座る。そして両腕で優しくシルファの肩周りを包むように優しく抱きしめるのだった。シルファの心臓の鼓動がドキドキと高鳴る。もうシルファの顔は真っ赤だった。それからシルファは耳元で、自分の名前が静かに呼ばれ……。


「……シルファ。」

「は、はい……」

「ずっとずっとシルファが大好きだぞ……」

「ふぇ……」


この光景を見て、アクアとアスカの悲鳴が部屋に響き渡る。


「きゃああーー!!!大胆ですぅぅー!!映画のワンシーンみたいです!!ケイさん!姫様!お似合いすぎますーー!!」

「これよ!!これを私は見たかったのよぉぉーー!!さすが大女優の息子だけあって演技だとしても上手だわーー!!」

「えへへー……わ、私……もう死んでもいいくらい幸せです……!」

「お、おい、シルファ、頼むから死なないでくれ……」


シルファが幸せの表情をする一方、アイリスとフィオナは嫉妬の炎を爆発寸前までたぎらせていた。そしてまだまだこの王様ゲームが続くのだった。

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