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第63章「決着」

リヴァイアサンとの戦いから10分経過したころ、騎士達は明らかに肉体、精神共に疲労していた。一撃でも炎の光球を喰らったら即死。神経をすり減らしながら戦っていた。そしてこれまでリヴァイアサンへのダメージは微々たるものだった。


(アイリス)「くっ!なんて頑丈な鱗なの?!効いてる気がしないわ!!」

(ロイ)「アイリス!!背中の鱗はいい!!心臓だけ狙え!!」

(ウル)「そのためにはまずあの心臓まで覆っている腹周りの陶器を破壊しなければ攻撃が届かない!!」

(アクア)「ジョーカー!!」

(ジョーカー)「はいよ!!」


ジョーカーは黒銃を右手で持ち、エネルギアを集中する。銃には爆発的に輝く電撃をまとわせている。


(クルミ)「こ、この距離からピンポイントであの陶器を狙うというのですか?!」

(ジュリー)「そんなバカげた芸当ができるからサンセットホープズなのよ!ジョーカーの攻撃は百発百中よ!!フィオナ見なさい!あれが遠距離攻撃の最高峰よ!」

(フィオナ)「!!」

(ジョーカー)「……必殺必中!ライトニングっ!レールガン!!行けぇぇーー!!」


悪い流れを変えたのはジョーカーだった。爆発的な破壊力の電撃の弾丸が空中に浮かぶリヴァイアサンの腹の陶器に命中し破壊する。その結果、心臓の部位の皮膚も露呈するのだった。リヴァイアサンはその攻撃に悲鳴と思われる鳴き声を発するのだった。


(グレン)「あ、当たった!!心臓のある皮膚も見える!」

(ルナ)「この距離で……あの威力!」

(タイガ)「す、すげー!!効いてるぜ!初ダメージじゃねーか?!」


それからリヴァイアサンは体勢を立て直し、反撃に転じる。今度は炎の小さな光球を空中に無数に生み出す。そして一斉射撃するのだった。


(サイ)「ア、アクア様!!」

(アクア)「サイ!!わかってるわ!今度は私の番ね!」


アクアは目をつぶり集中する。そして水でできた無数の鳥の形をしたエネルギアを使うのだった。


(アクア)「同時攻撃で私の右に出るものはないわ!!行きなさい!私のかわいい小鳥たちよ!ブルーバードぉぉーー!」


サファイアのごとく青く光輝く小鳥達は意志をもったかのように自由自在に飛び回る。そして全ての小さな炎の光球に直撃させ、打ち消すのだった。


(ボルグ)「な、なんて技だ!!あれを全て打ち消した?!」

(アイリス)「さすがねアクア!!……また来るわ!今度は左の方向へあの攻撃がくるわ!!」


アイリスは青白いオーラをまとう。満月の波動を使い未来予知で味方をサポートする。


(ロイ)「アイリス助かる!!格段にあの攻撃を避けやすい!!」

(アラン)「ああ!おかげで時間をかせげた!今何分だ?!」

(ウル)「14分だ!あと1分守りきる!!」

(ロイ)「いや守るんじゃない!攻めるんだ!あの陶器が壊れた以上、普通の攻撃も通るはずだ!少しでもダメージを与えてケイとシルファに繋ぐぞ!!」


そのロイの一言に遠距離攻撃が可能な騎士達は自身の持てる全ての力をリヴァイアサンの心臓に向けて放つ。そのいくつかはリヴァイアサンに命中するのだった。


(クルミ)「や、やった!!ダメージを与えました!!」

(アクア)「そしてジャスト15分ね!ケイ!シルファ!!」


リヴァイアサンがまた体勢を立て直そうとする中、アクアはケイとシルファに合図を送る。


(ケイ)「後は任せろ!シルファ!」

(シルファ)「はい!!」


ケイは目をつぶり集中する。ケイは全身が青白く輝き始めた。その光はムーンアイランドに咲くヒマワリのように青白い輝きを放つ。黒髪を風でなびかせながら、背中にはその青白い輝きをもつ4枚の大きなミカヅキの羽が生み出されたのだった。騎士達はその神秘的な姿に圧倒的なプレッシャーを感じたのだった。そんな中シルファは両手を胸の前で組み、祈るように目をつぶる。それからケイを想いエネルギアを発動するのだった。


(シルファ)「……あなたに力を。」


シルファの力により、ケイの青白いオーラは輝きをます。爆発的に輝くその光に、騎士たちはすべてをかけるのだった。


(フィオナ)「ケイ!!勝ちなさい!あんたなら勝てるわ!!」

(タイガ)「15分……約束は守ったぜ!あとはケイ!!おまえに全てを託す!!」

(ウル)「ケイ!サンセットホープズの力、見せてくれ!」

(アイリス)「ケイなら……いえ!あいつに勝てるのはケイしかいないの!だからお願い!!」

(ロイ)「おまえの全てを出しきってこい!!そうすれば絶対におまえは負けないさ!!」

(ジョーカー)「自慢の拳をあの心臓にぶちこんでこい!!」

(アクア)「あなたにはみんながついてるわ!だから自身を持って!!」


ケイの背後からはそんな多くの騎士からの声援が響き渡っていた。ケイは振り向き、みんなに伝える。


(ケイ)「……俺は負けない!」


その表情は自信と騎士としての誇りに満ちたものだった。そしてその美しい羽を羽ばたかせ、太陽が輝く大空へ飛翔する。一方リヴァイアサンは本能的に危険を感じたのか、その大きな口にこれまで以上に炎のエネルギアを集めていた。今までの10倍近くの大きさとなり、マグマのように燃え盛る炎の光球を放出する。その攻撃に対してケイは左手を前にかざすのだった。


(ケイ)「……たしかに凄い威力だ。だが俺にはその力は関係ないんだよ!!」


ケイがそのリヴァイアサンの攻撃に左手で触れたとたん、その巨大な炎の光球は打ち消されたのだった。そしてケイはリヴァイアサンのふところに瞬間移動し宣言する。


(ケイ)「……お前は強かったよ。だがゲームエンドだ!行くぞ!!オルゴンフィストぉぉーー!!!」


ケイはそう叫び、リヴァイアサンの心臓に下から爆発的に青白く輝く右拳でアッパーを繰り出す。その威力はこれまで騎士達が繰り出してきた技の比ではなかった。騎士たちの想いとシルファの力が加わったこの力はまさに無敵の一撃だった。リヴァイアサンは悲鳴をあげる。そしてケイは今持っていた全てのエネルギアをその拳に解放するのだった。


(騎士達)「行けぇぇーーーーーー!!!!」


地上にいる騎士の声とともに、ケイは拳を振り切った。その瞬間、まばゆい光とともに目の前が真っ白となり大爆発が起こるのだった。


爆発の煙がおさまる。リヴァイアサンの姿は跡形もなかった。その光景を騎士達は目にし、声を震わせて叫ぶ。


(騎士達)「うおぉぉぉーーーーー!!」


一方全ての力を使い果たしたケイは空中で気絶する。ミカヅキの羽が解除され、重力に従って砂浜に落下するのだった。


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