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第62章「15分」

喜びもつかの間、リヴァイアサンの姿を見た生徒達は顔を青ざめていた。すぐさま恐怖で学園の屋上に悲鳴の声が広まる。


(男子先生1)「な、なんだあれは?!あ、あれがリヴァイアサン?!」

(女子生徒1)「ミ、ミカヅキ先生、1人であの化物に戦うっていうの?!う、嘘でしょ?!」

(コウ)「あ、あんなのに勝てるわけねーだろ!!」

(ラナ)「せ、先生ぇー!逃げてぇぇー!!」

(ガイ)「先生ぇぇー!早く逃げろぉぉーー!」


力を使いきり、ルーチェを解除したケイにそんな声が届く一方、リヴァイアサンは空中にとどまり、その大きな口を開く。そしてその口の中にはマグマのように燃え盛る膨大な炎のエネルギアの塊が集まる。季節は冬の時期だが、その炎で真夏ではないかと思えるほど気温が上昇する。


(ケイ)「くっ!……あんなものが地上に直撃したらこの辺りは消し飛ぶ……。だが先ほど一撃で……」


ケイは先ほどの津波を防ぐための一撃で体が動かない。それに対して無情にもリヴァイアサンは耳の鼓膜が破れるのではないかと思うくらいの鳴き声を発しながら、その巨大な炎の光球を上空から地上に向かって発射させる。万事休す、そうケイが思った時だった。


「無限の水鳥よ!!華麗に羽ばたきなさい!ブルーバードぉぉーー!!」

「我が銃に貫けぬものなし!!ライトニングっ!!レールガンーー!!」

「出でよ!!蒼き炎の斬撃!!ファントムフェニックスーー!!」

「満月の輝きよ……切り裂きなさい!!満月砲!!」


すさまじい遠距離攻撃がリヴァイアサンの炎の光球とぶつかり合う。威力は互角だった。そして次の瞬間、視界が真っ白となり大爆発をするのだった。屋上では悲鳴が響き渡っていた。


(ラナ)「きゃあああーー!!」

(コウ)「くっ!!」


それから爆発による煙がおさまる。ケイの背後に姿を現したのはトラモント王国の騎士達だった。その数はおよそ500人。今の連携攻撃はサンセットホープズのものだった。


(ケイ)「みんな!!……姫様まで!」

(シルファ)「ケイ……よかった!……本当に!」

(ロイ)「ケイ!生徒達やこの地域に住む住民の避難は任せろ!今1500人もの騎士が誘導に向かっている!」


ケイはシルファとロイの一言にホッとする。そして騎士達もケイの無事がわかり、安心した表情をみせる。


(ロイ)「まぁとりあえずおまえが無事でなによりだ!よく生徒達や住民達をここまで守ったな!」

(ジョーカー)「ああ!本当だぜ!」

(アイリス)「全くもう……!心配させないでよね!!」

(アクア)「津波も止めたようね!大丈夫なの?!」

(ケイ)「ああ!だがその津波を止めるのに大半のエネルギアを使ってしまった!!今は片手にルーチェを使うのにやっとだな……」


その一言に騎士達は動揺する。あの化物に勝つにはミカヅキの羽しかないことを誰もが本能的に感じたからだった。


(フィオナ)「なっ!あのミカヅキの羽はつかえないの?!」

(ケイ)「今は無理だ!!エネルギアが足りない!」

(サイ)「おそらくあの力がなければ我々は勝てないだろう!」

(タイガ)「どれくらいで回復しそうなんだよ?!」

(ケイ)「……15分だな。」

(ジュリー)「15分……!しのぐにはギリギリね!」

(グレン)「ああ!あの攻撃を耐えるには15分が限度だ。」

(アラン)「だがやるしかないだろ!勝つには!」

(ルナ)「ああ!そうだな!普通の攻撃では倒せそうにないしな。」

(ケイ)「そしておそらくあいつを倒すには姫様の力がいる!!」

(シルファ)「!!」

(ウル)「たしか姫様の力は他者のエネルギアを引き上げる力!」

(ボルグ)「なるほど……その力で一発、弱点の心臓にぶちこめば勝てるかもしれない!」

(アイリス)「シルファ!!ケイが回復したらお願いできる!!」

(シルファ)「もちろんです!私はそのためにここに来たのですから!!」

(ケイ)「シルファ……」

(アクア)「たくましくなっちゃって……」

(フィオナ)「今回はおいしいところ譲ってあげる!」


シルファはリヴァイアサンに対して怯むことなく、凛としていた。その眼差しは何者にも屈しない力強さを感じた。


そしてサンセットホープズのリーダーであるロイは背後の500人の騎士まで声が届くよう大声で叫ぶ。


(ロイ)「お前らぁぁー!!15分だぁぁー!!ケイのため15分しのぎきれぇぇー!!そうすれば俺たちの勝ちだぁぁー!!!トラモント王国騎士団、今こそ団結の時!!行くぞぉぉー!!」

(騎士団)「おぉぉぉーー!!!」


そんな雄叫びとともに騎士は一致団結し、一斉に走り出す。そして大きな羽を羽ばたかせ、空中に漂うリヴァイアサンに遠距離攻撃を次々としていくのだった。

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