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第6章「騎士科」

今日のケイ、フィオナ、タイガは少し緊張した様子だった。それもそのはず今日から騎士科の授業が始まるからだ。ケイがそんな中口を開く。


「5限か…いよいよだな!フィオナは準備万端か?」

「やれることはね!一週間なんてあっという間だったわ!タイガはどうなのよ?」

「俺か?俺はどんな奴等がいるか楽しみだぜ!あ~かわいい女子と仲良くなりたい!」


実技実習場へ3人は向かっていた。今年の騎士科は99名で名家出身が多くハイレベルだと噂されている。

歩いて10分ほどでいよいよ目的地につく。最初に感想を述べたのはケイだった。


「ここが実技実習場…なんか観客席もあるし、とにかく広いな!」

「うぉぉ~!ケイ!すげーじゃねーか!ここで授業だろ?!」

「そういえば5、6限のエネルギア実技実習の授業は誰がするのかしら?ケイ!何も聞いてないわよね?」

「ああ!何も聞いてないな!だが戦闘に特化した先生なのは間違いないと思うぞ!騎士は強さあってのものだからな!」

「ケイの言う通りだろうな。まぁ向こうの人が集まっている場所に行けばわかることじゃねーのか?行ってみようぜ!」


タイガの一言で3人は生徒が集まっている場所に歩いていく。もう大半の生徒が集まっていたが、先生はまだきていないようだ。フィオナは周りを見渡し呟く。


「先生はまだきてないわね。」

「それよりケイ、フィオナ!周りみてみろよ!有名人だらけだぜ!!成績トップのウル=グレイシヤにグレン=マックス、アラン=レオナルド!おお!あそこにはギル=ハルバルド!」

「おまえ詳しすぎだろ。でもウルはたしかに天才とよく噂で聞くよ。あいつらともいずれ戦うわけだ。お!先生がきた!」

「……やっぱり予想してたけどロイね!!」


チャイムが鳴る。やはり担当するのはフィオナの予想通りロイ=フェニックスだった。


「よしチャイムなったな!じゃはじめるぞ!みんなも知っていたかもしれないが一応自己紹介させてもらう。エネルギア実技実習を担当するロイ=フェニックスだ。よろしくたのむ。」


初めてケイのクラスで自己紹介した時と同じ反応で騒がしい雰囲気となったが、すぐにロイは落ち着かせた。


「静粛に!まずお前らに大事な連絡がある。よく聞け!約1カ月後の9月24日にエネルギアチャンピオンシップという大会を校内で開催する。騎士科の生徒のみ参加だが2年生も合同だ。ルールは3人で一つのチームとして、1人ずつ戦う。そして味方の2人が勝ったチームが勝利となる。トーナメント戦であるため、一発勝負だ。まぁ1年生は授業が始まったばかりだから2年生がメインとなるだろうがな。だがな可能性は低いとはいえ、卒業を待たず騎士になれるかもしれないぞ。なぜならこの大会で活躍した場合、スカウトがあるかもしれないからだ。審査員はこの俺も含め5人のサンセットホープズ全員だ。スカウトされたものは、学校を中退しそのまま騎士となれる。説明はこんなところだ。そして今日の授業はまず一緒に戦うメンバーを探してもらう。自分以外の2人を探し、決まったらチーム名とリーダーを考えろ。そのあと実技指導に入る。それではスタートだ。」


一気にまた騒がしくなる。基本的にはこういうのは早いもの勝ちである。有名人は特に人気である。彼らには人だかりがすぐにできた。そんな中ケイたちはチームがもうすでに決まっていた。ケイはフィオナとタイガに言う。


「3人一チームってことは、この3人で決まりだな!どんな敵も自慢の拳でぶちぬいてやる!絶対勝とうぜ!」

「そうね!絶対このチームなら勝てるわよ!あんたらバカだけど強さだけは信頼してるわ!タイガもよろしくね!」

「おう!相手が2年生だろうが、有名人だろうが負けねーぜ!これはすぐに騎士になれるチャンスだ。死ぬ気でがんばってやんよ!ケイ!チーム名とリーダーはどうするよ!」

「チーム名とリーダーか。まずはチーム名だが…」

「はい!!はい!!ビューティーズなんてどう??私の美しさにぴったりだわ!」


フィオナのチーム名の案にケイとタイガは同時に答える。


『絶対却下!!』

「おまえアホだろ!!ネーミングセンスなさすぎ!」

「ケイの言う通りだ!男でビューティーズはさすがにきついだろ!」

「な、何よ?二人揃って!じゃーあんたらはどうなのよ!」

「レジェンドグレイトタイガーズなんてどうだ?」

「タイガに聞いた私がバカだったわ…」

「な、なんだよ!ケイ!おまえは何かあるか?」


ケイはタイガの質問に少し考えて答える。


「…ネクサスなんてどうだ?意味は絆、つながりって意味なんだが。」

「いいじゃない!ケイ!私は賛成よ!」

「ネクサスか。いいじゃねーか!ケイにしてはまともだな!」

「サンキュー!じゃあチーム名はネクサスで決まりだな!あとはリーダーはどうする?」


リーダーは誰にするか、勢いよく手を挙げたのはフィオナだった。


「はい!私やりたい!!あんたらに任せたらチーム崩壊するわよ!」

「俺はフィオナでも別に構わないが、タイガ、おまえもいいか?」

「ああ!俺はとにかく目の前の相手に集中してー!フィオナでいいと思うぞ!」

(ケイ)「それじゃ、チーム名はネクサス、リーダーはフィオナで決まりだな!」


そんな会話をしている内に、他のチームもほとんど

まとまってきたようだ。ロイはそんな様子をみて口を開く。


「だいたいチームはできたようだな。この1カ月の間とにかくチームメイトと常に行動し、お互いのことをよく知っておくことだ。よし。ではさっそく実技指導に入る。いいか?去年の生徒が何を教わったか俺は知らんが、何より大切なのはエネルギアのコントロールだ。いかに無駄にエネルギアを消耗しないで、効率的に力を引き出す。戦場で生き残りたければ必ずマスターしなきゃいけない技術だな。まずは俺が悪い見本を見せてやる。」


ロイは腰から大剣を抜き、炎を剣にまとわせた。激しく剣が燃え上がり、莫大なエネルギア量を消費しているのがわかる。


「俺の能力は見てのとおり炎を操る力だ。一見この剣にまとわせた炎は完璧のように見えるが、エネルギア消費量に無駄が多い。短期決戦向きだな。だが長期戦になったらすぐにガス欠になっちまう。今度は良い見本を見せてやる。よく見てろよ。はああああ!!」


剣にまとった炎が濃縮し、静かに燃えているのがわかる。エネルギアの消費量を極限まで抑えつつ、力強さを感じる。


「いいか?エネルギアのコントロールはセルフイメージが重要だ。威力はだしつつ、エネルギアの消費を抑えるイメージを持て!小さく、静かに力強くだ。それではチームごとにかたまって練習だ!俺は一チームごとに見ていき、おまえらに足りないものを直接アドバイスしていく。では始めろ!」


ここから始まる、ほとんどがそんなことを思いながら、チームごとに動きだしたのだった。



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