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第52章「ケイvsアイリス(前半)」

アマネセル学園。それはケイ、フィオナ、タイガが約半年間通った超エリート高校である。騎士になった今、彼らはこの学園へ向かって歩いていた。その理由はケイがサンセットホープズになるかどうかの世紀の一戦が行われるからだった。


(ケイ)「まさか試合会場がアマネセル学園の実技実習場だと思わなかったな。」

(フィオナ)「そうね!!なんだか懐かしいわね!!」

(タイガ)「今の時期は冬休みでそれで借りれたんだとよ!」

(ケイ)「そういえばそうだな!ギャラリーとかあんまりいなさそうだし、緊張しないで済みそうだな。」

(フィオナ)「たしかにね!騎士同士の一試合だけ観にくるとはあまり考えられないもんね!」

(タイガ)「それより試合何時からだったか覚えてるか?!16時からだぜ?!あと1時間後についにはじまるんだな!アイリスとの試合!」

(フィオナ)「でも16時ってなんだか少し遅いわね!どうしてかしら?」

(ケイ)「サンセットホープズは『夕陽の希望』って意味だからじゃないか?舞台としてはふさわしいだろ?」

(タイガ)「たしかにな!!」


そんな会話をしながら歩いていき会場に到着する。そして3人は驚愕するのだった。観客の数に。


(タイガ)「はぁぁー?、な、なんだこりゃ!!人多すぎるだろ!!」

(フィオナ)「たった一試合のためにこれだけの人!!それだけ注目されてるのね!!すごいわ……」

(ケイ)「だ、だがこれじゃ実技実習場に入れないぞ!!」


3人が実技実習場に入れないで困っている時だった。


(ロイ)「おい!おまえら!!大丈夫か?!」

(フィオナ)「ロイ先生!!」

(タイガ)「どうして先生がここに?!」

(ロイ)「おまえらがまだ来てなかったからな!この大混雑で実技実習に入れないんじゃないかと思ってきてみれば案の定だ。こっちに来い!!裏口から控え室いくぞ!」


3人はロイについていき、裏口から控え室に到着する。どうやら話を聞くとアイリスは別の控え室にいるようだ。それからフィオナとタイガはロイにあるお願いをする。


(フィオナ)「先生!お願いです!私達ギャラリーじゃなくてベンチで応援したいのですが……」

(タイガ)「先生お願いします!間近でケイとアイリスの試合見させて下さい。」

(ロイ)「まぁ特に細かい規定はないからな!いいぞ!ただし!ベンチからのアドバイスはなしだからな!公平に試合を行う!!」

(ケイ)「わかりました!俺はフィオナとタイガがベンチにいれば十分です!ありがとうございます!先生!」

(ロイ)「ふっ……!ケイ!アイリスはサンセットホープズの中でも最強だ!誰もあいつには勝ったことがない!だから見せてやれ!おまえの力を!これは全国テレビ生中継らしいからな!もし勝てば誰もおまえがサンセットホープズになることに不満は持たないだろう。頑張れよ!」


ロイは笑顔で激励して控え室をあとにしたのだった。


(ケイ)「テレビか……な、なんだかすごい規模の試合になりそうだな……」

(フィオナ)「い、一瞬で負けないでよね……」

(タイガ)「だ、大丈夫だ!おまえなら勝てる!!」


そして緊張の中、とうとう16時になる。選手入場のアナウンスが会場に響き渡る。


(司会)「皆さんお待たせしました!!これからここアマネセル学園の実技実習場で行われるのは世紀の一戦です!情報によると今話題のあの人が新たなサンセットホープズの一員になるかどうかが決まる一戦だそうです!!それでは選手入場にいきましょう!まずはサンセットホープズ最強の女騎士アイリス=セレナータ選手です!!」


アイリスが登場し、ギャラリーは大盛りだった。それもそのはずアイリスはこれまでありとあらゆる試合で無敗を誇る伝説の騎士と言われているからだ。


(司会)「それではそんなアイリス選手と対決する話題のあの人にも入場してもらいましょう!!甘いルックス!そして先日のクリスマスイブに起きた悲劇から世界を救った英雄!ケイ=リュウセイ選手です!」


ケイもフィオナとタイガに背中を押され入場する。アイリスに劣らずギャラリーは大盛りのようだ。


そして両者実技実習場の闘技フィールドに立つ。今回のフィールドはシンプルな作りで特に特徴のないものだった。


(司会)「言い忘れていましたがこの実技実習場内は特殊なエネルギアの能力で作られた大気に包まれているため直接的なダメージは肉体ではなく精神にきます!衝撃で体が吹き飛ばされたり、気絶はするかもしれませんが、血が出たり怪我をすることはありませんので存分に戦って下さい!!それでは最後にこの方から一言いただきましょう!」


そうして大きなスクリーンにうつされたのはシルファだった。どうやら特別席にシルファ、アクア、ロイ、ジョーカーがいるようだ。


(ケイ)「シルファ?!」

(アイリス)「サプライズね!」

(シルファ)「皆さん本日はご来場いただきまして本当にありがとうございます!今日戦う二人はどちらも騎士としての誇りを忘れず、常に皆さんのために行動できる方達です!ですのでどちらかではなくどちらも応援していただけると嬉しいです!!よろしくお願いします!!」


シルファの挨拶でさらに盛り上がったところで、いよいよ試合が始まる。


(ケイ)「アイリス!!俺はおまえを超える!!」

(アイリス)「今日だけは絶対負けられない……!負けるわけにはいかないの!!」

(司会)「それでは両者ともに準備ができたようですのではじめていきたいと思います!3!2!1!試合スタートです!!」


両者合図ともに高速移動術で接近する。ケイは右拳を構えるのに対し、アイリスは鞘から剣を抜く。お互いエネルギアを腕にまとい肉体強化する。


(ケイ)「輝けぇぇー!!自慢の拳!!ルミナスフィストぉぉーー!!」

(アイリス)「チェストぉぉー!!」


拳と剣がぶつかり合う。パワーを制したのはケイだった。アイリスは少しよろめく。その隙をケイは見逃さなかった。アイリスの腹部に攻撃を入れようとする。しかし神がかり的な反射神経で持っていた長剣で守るのだった。


(アイリス)「くっ!!なんてバガぢから!!」


それをみたフィオナとタイガは声をあげた。


(タイガ)「パ、パワーならケイのほうが上だ!!」

(フィオナ)「だ、だけどアイリスの満月の波動はケイみたいに肉体強化だけじゃない!!油断できないわ!!」


そんなアイリスは一度剣を鞘におさめた後ケイをまっすぐ見つめて口を開く。


(アイリス)「たしかにあなたは強さだけならサンセットホープズに達しているかもしれない!!」

(ケイ)「……アイリス」

(アイリス)「だけどまだ早い!2ヵ月しか経っていないのよ!!まだ実践的な任務や戦いが不足してるわ!!それじゃいずれ命を落とす!!だから私は反対なの!!」


アイリスはその言葉を口にしながらケイの懐へ入る。アイリスはとんでもないスピードで鞘から剣を抜き去る。それは神速の域の居合い抜きだった。


(アイリス)「……もらった……!!満月切り!!」


この一撃がケイに直撃する瞬間、ケイは右腕から両足にエネルギアを移し、肉体強化と高速移動術を組み合わせた瞬間移動術で紙一重のギリギリで回避するのだった。


(アイリス)「!!」

(ケイ)「あ、あぶねー!」


特別席でも今の攻防には盛り上がりをみせていた。


(ロイ)「あ、あれをよけただと?!」

(ジョーカー)「は、はじめてみた!よけたやつ!!」

(シルファ)「い、今何が起こったのか全くわかりませんでした!」

(アクア)「そ、それが普通よ!アイリスはガチで勝ちにきてるわね!!」


ケイは今の攻撃にはかなり冷や汗をかいていた。


(ケイ)「……その居合い抜きすげーな。」

(アイリス)「ほめても手を抜かないわよ!どう諦める気になった?」

(ケイ)「やだね。死んでもアイリスに勝つさ!!」

(アイリス)「ど、どうして私のいうことがきけないの?!わ、私の部隊じゃ不満なの?!」

(ケイ)「いや!最高だったさ!!学びが多かったし、先輩達もみんないい人だった!そして何よりアイリスが明るく優しく接してくれたおかげで、毎日が楽しかったよ。」

(アイリス)「だ、だったらサンセットホープズにならなくても……!」

(ケイ)「俺はもっと上に行きたい!!そしてチームネクサスの2人が応援してくれた!俺がサンセットホープズで輝くところがみたい、絶対勝てって!だから俺はおまえに勝つ!!」


実技実習場は特別なエネルギアが壁に施されているおかげで選手達の声が響く構造となっている。そして特別席でも聞こえていたのだった。


(シルファ)「ケイ……。」

(アクア)「……シルファ。この試合何があっても最後までみなさい。」

(シルファ)「アクア?」

(アクア)「なんとなくだけどね……何か起きそうな気がするの。勘だけどね。」


一方ベンチではフィオナとタイガが応援していた。


(フィオナ)「勝ちなさい!ケイ!あなたなら勝てるわ!たとえどんな強敵だろうが今までなんとかなったじゃない!!自信をもちなさい!」

(タイガ)「ケイ!!おまえは俺にとって自慢の友達だ!!絶対に何がなんでもあきらめない力!すげーよ!おまえは!だからよ!俺に夢を見させてくれぇぇ!」


それを聞いたケイはベンチを見て、またアイリスをみる。その目は真剣なものとなる。


(ケイ)「俺にはあんなに一生懸命応援してくれる仲間がいる……。だからこそあいつらの期待を裏切りたくねーんだよぉぉぉーー!!」


ケイは全身にルーチェをまとった。その姿は神秘的だった。全身が黄金のオーラで包まれる中、黒髪がまるで夕焼けの太陽の炎ように輝く赤色に変わりゆらめいている。その輝きは入隊したてとは比べ物にならなかった。


(アイリス)「あ、あれは……!」

(ケイ)「……いくぞ!アイリス!」


こうしていよいよ全力のケイとアイリスがぶつかり合うのだった。

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