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第51章「嘘」

(フィオナ)「えぇーー?!ケイがサンセットホープズの候補って本当なの?!」

(タイガ)「ああ!!マジみたいだぜ!!たしかにゼファーが抜けて4人になったからな!だがまさか入隊2ヵ月で候補に挙がるとはな!」

(フィオナ)「だからあの時アクア……」


朝の食事処でそんな会話をフィオナとタイガはしている最中、その噂の本人がやってくる。ケイはあくびをしながら眠たそうだった。


(ケイ)「ふぁああ……おはよう……ふたりとも。」

(フィオナ)「あ、あんた相変わらず朝弱いのね。あ、あと寝癖すごいわね……。」

(ケイ)「……低血圧だからな。苦手なんだよ朝。」

(タイガ)「そ、それよりケイ!本当なのか?サンセットホープズの候補になったって噂!」

(ケイ)「ん……。なんかそうみたいだな。そんなメールきてたよ。しかし今日の朝食美味そうだな。」

(フィオナ)「ちょ、ちょっとは興味持ちなさいよ!!サンセットホープズよ?!」

(ケイ)「……なっちまったらおまえらと離ればなれだろ?俺は地位と友情なら友情をとるね。」

(タイガ)「……ケイ。」

(フィオナ)「じゃあ断るの?!」

(ケイ)「ああ!そのつもりだが。」


……えっ?自分達のせいでケイはサンセットホープズの地位を捨てる?フィオナとタイガはそんな罪悪感にかられ、切なさを感じていた。そしてフィオナはケイに言う。


(フィオナ)「……ダメよ。そんなの!!」

(ケイ)「えっ?!」

(フィオナ)「私達のために……どうしてあなたはいつも周りのことばかり考えて、自分を優先しないのよ!!」


フィオナは目に涙を浮かべながら、ケイに自分の想いを伝える。


(フィオナ)「私!あんたがサンセットホープズになって輝くところみたい!!」

(ケイ)「……」


その想いにタイガも、目をつぶり少し考えた後答える。


(タイガ)「そうだな!ケイ、なれよ!サンセットホープズに!こんなチャンスもうないかもしれねーぜ?」

(フィオナ)「明日アイリスと試合なんでしょ?!絶対応援行くわ!!」

(タイガ)「俺も応援行く!勝てよ!ケイ!今日は対アイリスを想定した訓練に付き合ってやるよ!」

(ケイ)「……フィオナ、タイガ!ありがとう。必ず勝つよ!明日の試合!」



一方アイリスはトラモント訓練場に1人でいた。絶対に負けられない、そんな闘志を全面に出し素振りを繰り返す。そんな中アイリスの元にアクアがやってくる。


(アクア)「……アイリス。」

(アイリス)「……何?……今集中してるんだけど。」


アクアが話しかけたにも関わらず、アイリスは素振りを続けるのだった。その目は真剣だった。そんな様子のアイリスにアクアは構わず話かける。


(アクア)「……あててあげようか。……ケイを推薦しない理由。」

(アイリス)「だ、だから!サイの方が任務経験が豊富だからっていってるじゃない!!」


アイリスは素振りをしながらも少しアクアに苛立っていたようだった。それでもアクアは止まらない。


(アクア)「……違う。そうじゃない。」

(アイリス)「な、何が違うのよ!私は本当に……」


アイリスがそのあと何か言いたげだったが、アクアは遮る。それは大きくアイリスを動揺させた。


(アクア)「……好きなんでしょ……?ケイが……。」

(アイリス)「……えっ?」


あまりの驚きに剣を止める。アイリスは胸が高鳴った。心臓が爆発するのではないか思うくらいに。そして顔を真っ赤にして動揺するアイリスにアクアはさらにはっきり言う。その表情は辛そうだった。


(アクア)「……好きだから同じ部隊にずっといてほしい。……違う?」

(アイリス)「ち、違うわ!!!私は……私は本当にサイがふさわしいと思って!!!そ、それにシルファの応援するって前から言ってたじゃない!?なんでそんなひどいこと考えるの?!」

(アクア)「……嘘がヘタね。まぁアイリスがそれでいいならもう止めないわ。」

(アイリス)「……ちがう。ちがうんだから。」


アクアはそんなアイリスの言葉を聞いた後、元の道を歩いていく。そして切ない表情で静かに呟くのだった。


(アクア)「アイリスがシルファの好きな人を好きになるなんてね……」


今日の訓練が無事に終わる。ケイとアイリスは様々な想いを胸に明日激突するのだった。



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