第44章「タイムトラベラーズ(激戦)」
ケイがアイザムとマリアに勝利する一方、タイガはジャックに苦戦していた。タイガは連続で硬化したハンマーで攻撃するがダメージは少ないようだった。
(タイガ)「くっそぉぉーー!硬すぎだろーー!!」
(ジャック)「俺の能力は岩を操る力!こうして肉体を岩に変えて自身を硬化もできるのさぁ!!どうだぁ!?どんなに攻撃しても効かない絶望感はよぉ?!反撃だぁ!ロッククラッシャぁぁー!!」
(タイガ)「ぐはっ!!」
ジャックの重い拳の一撃がタイガの腹部に直撃する。タイガは膝をつき、しばらく立つことができなかった。そんな中タイガはジャックに尋ねる。
(タイガ)「……おまえも過去を変えてたいのかよ!?そこまでしてなんでなんだよ!?」
(ジャック)「嫌いだからに決まってんだろぉ?!このゴミみたいな世界がなぁ!!俺達タイムトラベラーズはなぁ!!皆社会に必要とされていなかった存在として扱われてきた!!だからこんな世界消しさりたいのさぁ!!俺達が過去に行き、隕石の衝突を止めれば俺達以外エネルギアは使えねぇ……つまり誰も逆らえないってことなんだよぉぉーー!」
(タイガ)「そんな勝手な都合で何の罪もない人間の命を奪うなんて許されるわけないだろ!絶対おまえにだけは死んでも負けるわけにはいかねーな!!」
タイガはなんとか立ちあがり、ジャックをにらみつける。その目はまだあきらめていなかった。
(ジャック)「おまえもずいぶんタフだなぁ!殺しがいがあるぜぇ!!」
(タイガ)「……おまえのディフェンスはたしかに硬い!だが負ける気はしねーんだよ!!うおぉぉーー!!」
タイガのハンマーがダイヤモンドの輝きに変わる。その輝きは騎士になる前よりもはるかに強いものだった。
(タイガ)「……俺はケイみたいな天才的なセンスやスピードはねぇし、フィオナみたいな器用さもねぇ!そんな俺にはやっぱりこれしかねーんだよ!!」
(ジャック)「すさまじいパワーを感じるなぁ!おい!!だが俺の究極のディフェンスの前では無力だがなぁ!これでトドメだぁぁー!!ギガロックスマッシュー!!!」
(タイガ)「パワーだけは誰にも負けねぇぇー!!これだけが俺の誇りだぁぁぁー!!クリアダイアモンドバスタぁぁーー!」
お互い最強の技が激突する。ハンマーと拳のパワーとパワーのぶつかり合い、そのすさまじい衝撃音にも関わらず二人は目の前の敵しか見えてなかった。
(タイガ)「うおぉぉーー!!打ち砕けぇぇーー!!」
(ジャック)「な、なんだとぉぉー!?ぐあぁぁーー!!」
最後に打ち勝ったのはタイガである。ジャックは地面にめり込み倒れていた。もう意識はなく完全に勝利だった。
(タイガ)「はぁはぁ!硬さが武器なのは、おまえだけじゃねー……俺には、いや俺達には固い絆があるんだ……そうだろ?ケイ、フィオナ!」
一方フィオナとオリアナの戦いも激戦を繰り広げていた。かれこれ15分近くお互いの攻撃がぶつかりあっていたが、決定的なダメージはなかった。
(オリアナ)「沈みなさい!!グラビティボール!!」
(フィオナ)「その攻撃はもう何度もみたわ!!」
オリアナが攻撃した後の一瞬の隙をフィオナは見逃さなかった。
(フィオナ)「今よ!!エクレールアロー!!」
(オリアナ)「ぎゃあぁぁー!なぜそれがあたるのよーー?!」
(フィオナ)「あなたが次どこへ移動するか予測したからよ。戦っているうちにあなたの行動パターンを観察してたからね。でもこれで確信したわ。次私は百発百中であなたに攻撃をあてるわよ。」
(オリアナ)「調子にのるなーー!!グラビティレイ!!」
オリアナは重力光線でフィオナを攻撃しながら、自身は無重力にして上空へと移動する。
(フィオナ)「そうするとおもったわ!これで決める!ターミガンアロぉぉー!」
フィオナの攻撃はオリアナの移動先にぴったりむかう。その結果オリアナに雷をまとった矢が襲う。
(オリアナ)「そ、そんな!嫌ぁぁー!!」
そしてみごと上空でオリアナに命中し、爆発が起きる。オリアナは地面に落ち、意識を失うのだった。
(フィオナ)「『先読みの矢』をジュリーさんに習っていてよかったわ……」
こうしてタイガに続き、フィオナも勝利するのだった。残りはキサラだけである。しかしこのときにはキサラは悪魔召喚の準備が完全に終わっており、恐れていた事態が始まろうとしていたのだ。




