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第4章「帰り道」

6限と帰りのホームルームが無事終わり、今は放課後の時間である。明日進路希望調査票を回収するようだ。1限から4限までは一般教養の授業のため変わりはないが、5、6限は一般科と騎士科で異なるため移動教室となる。騎士科は基本的に実技実習場で授業をするそうだ。それはそうとケイ、フィオナ、タイガは帰りのホームルームが終わり次第、すぐに学校を後にした。


「いよいよね!私絶対立派な騎士になるわ!」

「ああ!俺の夢のモテモテ伝説が今始まる!」

「タイガは何を目指してるんだよ…」

「ケイ!騎士って活躍すればモテるらしいぜ!」

「うわぁ…そんなこと考えてたのね!全くこれだから男は!!」


そんなことを話しながら、彼らはフィオナが常連の武器屋に向かっていた。


「着いたわよ!」

「こんな所に武器屋なんてあったんだな。1人じゃ絶対気づかないだろうな。タイガは知ってたか?」

「いや初めてきたぞ!まぁとりあえず中入ろうぜ!」


店内は意外と小綺麗で、狭いながらも豊富な種類で、よく手入れのされた武器が並んでいた。


「いらっしゃい!お、フィオナじゃねーか!」

「こんにちは!ジェームズ!」


スキンヘッドでいかついこの男はジェームズ=バトラー。武器商人である。


「今日は何が目当てで来たんだい?」

「私達騎士志望でそれぞれ自分に合った武器を探しにきたわ。」

「なるほど…フィオナは弓矢がメインウエポンだったな。そこの野郎2人は何だ?」


ジェームズの質問にケイは少し考えてから口を開く。


「……俺はただの2人の付き添いだからとりあえずいい。」

「そうかい。気が変わったらいつでも声をかけてくれ。」

「ああ!ありがと!」


一方タイガはハンマーを要求する。パワーを生かすにはもってこいの武器だ。


「俺はでっかいハンマーがいいんだがな。おっちゃん、何かオススメあるかー?」

「ああ!質のいいハンマーが最近入荷したところだ!フィオナが弓矢、おまえさんはハンマーだな?……よし!2人ともちょっと待ってろよ。」


そういうとジェームズは店の奥に行き、赤い弓と、銀の大きなハンマーを持って戻ってきた。


「こいつをみてくれ。この赤い弓矢はエネルギアの消費を極限まで抑えながらも、威力は通常の2倍はでるだろう。こっちのハンマーは少し重いがオリハルコン性だ。頑丈さは保証する。フィオナが常連であることにめんじてまけてやるよ。2つとも30バリスずつでどうだ?」


「学生の俺らでも手が届きそうな値段だな。」

「買った!!」


ケイがそんな感想を言う中、フィオナもタイガは同時に購入宣言をする。そして無事購入できて満足そうな様子だった。その後店の外に出ると、フィオナはケイに、不思議そうに武器を買わなかったことを尋ねた。


「ケイ、何も買わなかったのね!」

「ああ!そもそも俺は武器とか使ったことないからな。拳で真っ向勝負するさ。」

「たしかにケイの能力は肉体強化だし、拳そのものが武器になるもんな!それはそうといよいよ明日までが進路希望調査票の提出日らしいな。その1週間後には実技実習場で騎士科の奴等と顔を合わせるわけだ。」

「なんだか緊張するわね…新しく買った武器に1週間で慣れなきゃね。ケイもそろそろ体を動かしたほうがいいかも!」

「そうだな!まぁでも俺らなら大丈夫だろ!俺、フィオナ、タイガの3人全員が騎士になれるよう頑張ろうぜ!」


それからケイは帰り道のいつもの交差点でフィオナとタイガと別れ、家に向かったのだった。




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