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第32章「訓練」

(サイ)「違う!!その動きでは直線的だ!そこはフェイントを入れろぉ!!」


3人が訓練をはじめてから3日。訓練場で厳しい指導が入っていた。その中でケイはサイとエネルギアの使用なしの模擬戦を繰り返していた。


(サイ)「あまい!無駄が多い動きだ!!それでは俺に勝てん!!」

(ケイ)「はぁ……!はぁ……!強い!これが騎士トップクラスの力!!」


サイは初めてケイと戦った際、明らかに不足しているものを見抜いていた。それはエネルギアではなく体術である。ケンカでしか今までほとんど戦ったことがなかったため効率のいい身体の使い方や戦闘での駆け引き、そしてそれを支える筋力などさまざまな欠点が露呈していた。


(サイ)「よし!次は筋力トレーニングだ!腕立て伏せ200回、終わったら腹筋200回だ!グズグズするな!!おまえの課題はエネルギアではないのはわかるはずだ!」

(ケイ)「はい!!」


そんなハードな訓練が朝7時から18時まで続いたのだった。そして夕食の時間となり、3人は食事処へ向かっていた。食事処は部隊ごとに別れているようだ。


(アイリス)「ケイ、フィオナ、タイガ!お疲れ様!ここが私の部隊の食事処よ!からだ作りのためにもいっぱい食べるのよ!!じゃまた明日ね!」


そう言ってアイリスが去った後、3人の間に沈黙が続いた。あまりの厳しさと疲労でついていけてなかったのだ。3人は食事をテーブルに運んだあと、フィオナは疲れた顔で口を開いた。


(フィオナ)「……二人はどうなの?」

(タイガ)「……スパルタだぜ、こっちは。一週間もつ気がしねー。」

(ケイ)「……タイガ、俺も同じだ。」

(フィオナ)「……みんな同じようね。食欲湧かないのわたしだけ?」

(ケイ)「……今食べたら吐きそうだ。」


そんな疲れた雰囲気を出していた3人がいるテーブルにサイとジュリー、アロンがやってくる。その表情は余裕そうだった。


(ジュリー)「みんな!お疲れ様!食欲ないのー?」

(アロン)「最初はきついかもしれないが時期に慣れてくる。食べれる時食べないともたないぞ。」

(フィオナ)「す、すみません!まだきつくて!みんなすごいですね……」

(タイガ)「あ、ああ!その余裕信じられないぜ……」

(サイ)「辛いかもしれないが騎士は常に死と隣り合わせだ。自分の身を守るためにもできる限りのことはしたほうがいい。食事もその一環だ。」

(ケイ)「……そうですね。フィオナ、タイガ!食べようぜ。明日も訓練あるしな。」

(フィオナ)「そうね!乗りきってみせるわ!」

(タイガ)「ああ!そのとおりだな!」


そうして食事を終え、トラモント城から徒歩5分の所にあるアイリス部隊騎士寮へ歩いていく。自宅から通う騎士もいるが、ケイ、フィオナ、タイガは寮に住むことになっていた。部屋はどうやら一人部屋らしい。到着して疲労のためかすぐに3人とも自室へ向かう。早くベッドに横になりたい、その気持ちが一番だった。


(フィオナ)「ケイ!タイガ!また明日!」

(ケイ)「ああ!おやすみ!」

(タイガ)「明日も頑張ろうぜ!」


その一方、シルファとアイリス、サイはトラモント城で今日の訓練について話していた。


(アイリス)「サイ!ケイはどうだった?」

(サイ)「……彼は天才肌ですね。指導したことをすぐに自分のものにします。今週までにはトラモント式格闘術を完璧に身に付けるのではないでしょうか。」

(シルファ)「ケイ……よかったです。心配だったんです。まだ騎士になったばかりなのにつらそうで……」

(アイリス)「姫様が期待してるだけあるようですね。他の2人もジュリーとアロンから聞いた話だと概ね良好のようです。」 

(シルファ)「そうですか……3人とも頑張ってるんですね!ところでアイリス達の次の任務ってなんですか?」

(アイリス)「ムーンアイランドの調査ですよ。」

(サイ)「あ、あの秘島、ムーンアイランドですか?たしかアイリス様の故郷ですよね?」

(アイリス)「ええ。今ムーンアイランドに、ある闇組織の足取りの手がかりがあるらしくその調査を陛下に頼まれたの。3人だけだと不安だから私も行くわ。」 

(シルファ)「ありがとうございます!アイリス!」


こうして来週ケイ、フィオナ、タイガ、そしてアイリスは秘島ムーンアイランドへ行くことになるのだった。だがそのムーンアイランドへたどり着く道は長く厳しいことになるのは3人はまだ知らなかった。

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