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第3章「約束」

ロイの授業は教師歴が全くなかったにも関わらず、はじめてと思えないくらいわかりやすく、興味深いものだったため、ケイは珍しく寝ないで聞いていた。そしてあっという間の50分が過ぎ、チャイムがなる。机に顔をつけながらケイは呟く。


「1限の授業終わったか…」

「ちょっとケイ!さっき指名されてたけどあんた何したの?!」

「いや俺もわかんねーよ。とりあえず職員室行ってくる。」


フィオナが心配そうにしていたが、ケイもまた身に覚えがなかった。そもそもロイとは初対面である。不思議に思いながらも歩いていき、そして職員室に到着。ケイは少しだけ緊張した様子でロイの机に向かった。



「ロイ先生、失礼します。ケイ=リュウセイです。先ほどの件で来ました。」


ん?とロイは振り向く。手に何か持っていた。


「お、来たな。おまえがケイか。これおまえのだろ。姫様から渡されたんだか。」


そういうとロイは学生証をケイに渡してきたのだった。ケイは昨日からずっと無くて探していたのを今思いだした。ケイはロイに尋ねる。


「これをどこで??」

「カーラ橋だそうだ。姫様がおまえが帰った後、拾ったらしい。話をきくとおまえには昨日助けられたそうだな。ありがとな。」

「姫様が!?」

「ああ!そういえば進路希望調査票の提出がそろそろらしいが、おまえは騎士志望なんだって?姫様が今まで見たことないくらい嬉しそうな顔で話してきたんだが。」

「はい!騎士科に進むつもりです。姫様と約束したんです。」

「ほぉ…いい顔つきだ。騎士になれるのはわずか15人。険しい道のりだが期待してる。そろそろ次の授業が始まるな。教室へ戻れ。」


それから2限から4限へと授業は進んでいき午前が終わる。屋上でケイはフィオナと昼食を食べていた。ケイはロイに呼び出された理由をフィオナに話すのだった。


「なっ!?昨日姫様とカーラ橋で会ったですって!?」

「ああ!その時学生証を落としてたみたいで。さっき職員室で受け取ってきたんだ。」

「あんた姫様に変なことしてないでしょうね?!」

「し、してねーよ!バカ!」


そんな会話をしていると、おーい!と呼ぶ声が聞こえた。ケイ、フィオナは振り返るとそこにはあるクラスメイトの姿があった。


「やっぱりここにいたか!一緒に飯食おうぜ!」

「タイガ!!」


ケイとフィオナはどうじにその名前を呼ぶ。彼の名前はタイガ=シルバー。友人である。短い銀髪に筋肉質の体、身長は平均くらい、顔はイケメンではないが、不細工でもない。いかにもスポーツが似合う男である。野性的な見た目に反して友人想いで優しい性格である。


二人が面白そうな話をしていることに気づきタイガは笑顔で尋ねる。


(タイガ)「なんだよ!二人でしか話せない話しか~?俺もまぜてくれよ!」

(ケイ)「大したことではないんだけど、さっきのロイのことだよ。」

(タイガ)「ああ!さっき名指しされてたもんな!あれ結局なんだったんだ?」


ケイはフィオナに話したことをタイガにも話した。その反応は尋常じゃないくらい興奮した様子だった。


「ひ、ひ、姫様にあったーー?!?!しかも話しただとぉーー?!?!ほ、本当か?!ケイ!!」

「ま、まぁな。」

「ま、ま、まじかよ!な、なんて羨ましい!!姫様は絶世の美少女らしいじゃねーか!!普通俺ら庶民には話す機会なんて一生ないだろうが!!」

「こ、興奮しすぎよ、気持ち悪いわね!もう!」


フィオナのその一言にタイガは落ち着きを取り戻す。それから今後のことについて二人に聞くのだった。


「おっとびっくりしてつい!すまん!そういえばおまえら進路希望どうすんだ?そろそろだろ?ちなみに俺は騎士科に進むつもりだ。」

「私も騎士科よ。うちは代々騎士の家系だから私も騎士になるつもり。ケイ、あんたは??」

「俺も迷ったが騎士科に進むつもりだ。まぁ俺の能力的にも合ってるしな。3人また一緒だな。」


ケイがそんなことをいう中、タイガはニヤニヤとした表情で冗談をかます。


「ケイ。さてはおまえ、能力といいつつ、姫様の美貌にやられたな??このムッツリめ。」

「な?!ち、ちげーよ!俺はだな……!」

「そ、そ、そうなの?!ケイ?!最低!ど、どうせ騎士になれたとしても相手されないわよ!」

「あーもう!」


タイガが面白がる一方、フィオナは顔を赤くしながら少し機嫌が悪そうだった。そんなことを話していると5限の授業が始まる5分前にあっという間になった。タイガは二人に声をかける。


「そろそろ授業だな!戻ろうぜ!!」

「そうね!ケイ!あとで詳しく聞かせなさいよね!」

「はいはい…」


それから3人は急いで教室に戻っていったのだった。

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