第28章「アイリスとシルファの電話」
恋愛エピソードを書いてるときが一番楽しいです。
打ち上げの翌日の昼過ぎ、アイリスはシルファから唐突に電話がきていた。
(シルファ)「やってしまいましたぁー!アイリスー!」
(アイリス)「め、珍しいわね!昼から大声で!なんかあったの?!」
(シルファ)「き、昨日ケイとフィオナと3人で初めて酒場いったんです!そしたら酔っ払ってしまって、はしたない真似を……絶対ケイに引かれましたー!最後なんてケイにおんぶされて城に送られたんですよ?!」
(アイリス)「ああ。それは御愁傷様!冷めたわね!きっと!」
(シルファ)「そ、そんなこと言わないで下さいよ!」
(アイリス)「まぁ!意外と気にしてないかもよ!あ、そういえば聞き忘れてたけど初めてのデートどうだったのよ?手くらいつないだ?なんてね!シルファに限ってそれはないか!」
(シルファ)「……内緒です。」
(アイリス)「……えっ?何?その間!ランチいっただけじゃないの?!」
アイリスはシルファの反応に激しく動揺した。シルファには恋愛マスターと呼ばれ頼りにされているが、実は自身は何も恋愛経験がなかった。だからこそシルファに何があったか気になってしょうがなかった。
(シルファ)「あ、あのちょっと恥ずかしいので言えないです!ごめんなさい!」
(アイリス)「ちょ!ちょっとそれはずるいって!気になるじゃない!」
(シルファ)「……本当に誰にも言いません?」
(アイリス)「い、言わないわよ!て、手とかつないだの??」
少しの沈黙のあとシルファは決心した。アイリスなら信じることができる。そう思い初めて誰かに言ってしまったのだ。
(シルファ)「…………キスしました。」
(アイリス)「……えっ?」
何を言っているのかアイリスは理解できなかった。え、キス?聞き間違え?
(アイリス)「……マウストゥーマウスの?」
(シルファ)「……はい。」
(アイリス)「いやいや待って!理解が追いつかない!どういう状況でそうなったわけ?まだ付き合ってない、しかも初デートでしょ?!おかしいじゃない!」
(シルファ)「お、おかしいのですか?!さすがアイリスは恋愛経験豊富ですね……」
アイリスは先をこされて冷や汗をかいていた。歳はシルファの一つ上だが恋愛の先輩はシルファとわかりとにかくアイリスは焦ったのだった。
(アイリス)「……で!?どういうシチュエーションだったのよ!」
(シルファ)「……ランチの後、夕陽が綺麗に見える誰もいない秘密の公園に行って………」
(アイリス)「そ、そ、それで?!」
(シルファ)「そ、その公園には池があるのですが、ボードに乗ったんです。その時自分の気持ちが抑えられなくなってケイに好きと伝えました……。あとはそのまま体が勝手に動いて自分からキ、キスをしちゃいました……。」
(アイリス)「きゃあああー!あのシ、シルファからキスしたのー?!きゃあああー!」
もはやアイリスは顔を真っ赤にしながら悲鳴をあげていた。まさかシルファからキスしたとは思わなかったのだ。
(シルファ)「ぜ、絶対誰にも言っちゃダメですからね!特にアクアには絶対ですよ!!アイリス聞いてます?!」
(アイリス)「私の想像をはるかに超えててびっくりしたわよ!大丈夫!誰にも言わないわ!約束する!」
(シルファ)「あ、あとそれとは別の悩みがあるのですが……!」
(アイリス)「えっ?何!まだ何かあるのかしら?!」
(シルファ)「アイリス部隊に新しくフィオナが入隊しますよね……」
(アイリス)「入隊するわよ!それがどうかしたのかしら?」
(シルファ)「多分なんですけどフィオナはケイのこと好きです。なんとなくですがわかるんです……ケイもアイリス部隊ですよね?心配で……」
(アイリス)「な、何その面白そうな展開!!気になるわ!」
(シルファ)「か、からかわないでください。ど、どうしたらいいですか?!フィオナの気持ち、ケイはまだ気づいてないみたいですけど……」
(アイリス)「さ、三角関係ってやつね!まさか現実にあるとは……!いい!こういうのは先にケイを意識させた方が有利だわ!そういった点ではシルファが一歩進んでるかもね!あとはフィオナに見せつけるのよ!」
(シルファ)「み、見せつける?!」
(アイリス)「そう!フィオナの前で先手をとるの!私ケイのこと好きだから狙わないでね、みたいな!手を繋いだり、ハ、バグでもいいんじゃないかしら?」
(シルファ)「わ、わかりました!それでフィオナが諦めてくれるのでしたら頑張ってみます!ありがとうございました!アイリス!元気でました!」
(アイリス)「そ、そう!よかったわ!頑張ってね!」
こうして恋愛相談の電話は終わったのだった。しかしこの時まだアイリスは知らなかった。シルファが後にとんでもない行動にでることを。
アイリスとシルファの電話いかがでしたか?次回シルファはとんでもない行動にでるかも。よろしくお願いします!