表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/128

第21章「青春の1ページ」

大会が終わった翌日、ケイは極度の疲労ながらも学校へ向かっていた。残りわずかな学生生活を大切にしよう、そう思いながら今日もいつも通り登校するのだった。そしていつも通りギリギリ1ーC組の教室につく。


「ふぅ間に合ったー!走ったなー。」


ガラガラガラと教室のドアを開けたその瞬間だった。


「おぉ!ケイがきたぞ!みんな!」

「きゃゃぁあー!!きたー!」

「ベスト4まじすげーぞ!」

「ケイくーん!握手してーー!!」

「連絡先教えてーー!ケイくーん!」


教室にクラスメイトの悲鳴が響き渡りパニックとなった。よく見るとフィオナ、タイガの周りも人が集まっていた。2年最強のチームと1年生最強のチームを倒しベスト4に入賞したヒーローたちに人が集まるのは必然だった。そんな中ロイが教室に入る。


「おまえらー!自分の席につけー!今日は担任が休みだから俺が代わりにホームルームはじめるぞー!」


そして無事人集りから解放され、ケイ、フィオナ、タイガはほっとするのだった。


「た、助かったわ!ケイも大変だったわね!とりあえず話は後で!」

「あ、ああ!」


フィオナの号令とともに、ホームルームが始まった。


「まずみんなの協力もあり無事エネルギアチャンピオンシップが終わったことに感謝する。そして一応おまえらに伝えなきゃいけないことがある!ケイ、フィオナ、タイガは10月末で学校をやめることになった!あと同じ頃俺もいなくなる。」

『えぇぇーー?!』


いきなり3人と自身が学校をやめるという発言にクラスメイトは驚きの声をあげる。そしてその理由をロイは説明する。


「理由だが、俺はクロイツ先生が復帰のため。そして彼らは騎士としてスカウトされアイリス=セレナータの部隊に入ることになったからだ。」


アイリス部隊に入隊という言葉にクラスメイトは異様な反応を示す。皆興味津々だった。


「え?!騎士?ま、まじー?!やべー!!」

「しかもアイリス部隊っていえば特に戦闘に秀でた人材が多いって話だ!」

「私、後でサイン貰おうかしら!」

「い、1年生で騎士とか凄すぎ!!」


そんな盛り上がっている中、ロイは静かにするように指示をする。


「静かに!10月はたしか文化祭があったな。彼らがいなくなる前に最高に盛り上げて卒業させたいと思う。みんな頼めるか?!」


このお願いに教室に少しの沈黙が流れたが、一変する。クラスメイトは再び盛り上がりを見せるのだった。


「任せて下さい!先生!」

「絶対成功させます!」

「先生も最後楽しんで下さい!」


そうして朝からバタバタしたホームルームが終わり、授業が進んでいった。そしてあっという間に昼休みになり、3人は青空の下、屋上で昼御飯を食べていた。タイガはフィオナとケイを見ながら今日のことを尋ねる。


「フィオナ!ケイ!今日ヤバくなかったか?!トイレすら行けなかったぞ俺!」

「ええ!朝から疲れたわ……だいぶ落ち着いたみたいだけどね。」

「そうだな。やっとゆっくりできそうだ。そういえば聞いたか?他のスカウトされたやつ。」


ケイの最後の一言にタイガはそういえばと言った顔で答える。


「チームプレシャス3人とチームグローリーの3人はスカウトされたらしいぜ!」

「あとは今回の2年生の優勝チームのチームオーシャンの3人もらしいわよ!計12名ね!まだどこの部隊に入るかはわからないけどね!」


ケイは12人がどこの部隊に入るか気になりながらも話をまとめる。


「まぁいずれわかるさ!それと11月までまだ時間あるし、ロイ先生が言ってたように残りの学生生活楽しもうぜ!」

「賛成ー!俺は今のうち彼女作りてぇぇー!!」

「文化祭も楽しみましょ!あと忘れてた!今週の土曜日、みんなで買い物でもいかない?騎士になる前に色々装備とか準備必要でしょ?」

「おお!いいな!俺の武器もこの前の戦いでガタがきちまってて交換しなきゃいけなかったところだ。」

「ケイもいくわよね?!」


ケイはドキッとした。今週はシルファとランチに行ってきますとはとても言える空気ではなかった。そのため明らかに動揺をしながら答えた。


「あー……うん!シ、ちょっと先約入ってて今回は行けそうにないや。お、俺の分まで楽しんでくれ。」

「何で目をそらすのよ!!怪しいわ!」

「なんか隠し事してるだろ!ケイ!話せ!」


フィオナとタイガはケイを疑う。何か隠していると。そしてケイは嘘が本当に下手だった。二人から目を反らし答える。


「い、いやいやいやいやなんもないっすよ?!最近いそがしいんすわ。あ、あははは!」

「お、おまえしゃべり方が明らかにおかしいぞ!」

「100パーセントなんか隠してるわね!」

「そ、そんなことより5限そろそろはじまるな!も、戻ろうぜ!」


ケイはこれだけは絶対バレるわけにはいかない、そう思いながらごまかしたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ