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第20章「デートの約束」

打ち上げが終わり、フィオナ、タイガと解散した後ケイは1人で夜道の海沿いを歩いていた。誰もいない空気の中、楽しかった思い出にひたりながら自宅へ向かうそんな時だった。


「お、電話鳴ってる。シルファからか!もしもし!」

「ケイですね!今お時間大丈夫ですか?」

「ああ!大丈夫だよ!さっき打ち上げ終わって、今1人で家に向かってるところだ。」

「よかったです。あ、あの大会お疲れ様でした!ケイかっこよかったです!それで話なんですが!」

「もしかしてだが騎士の件か?ちょうどさっき酒場でサンセットホープズとたまたま会ったんだぜ!」

「聞いてたんですね!そうなんです!!チームネクサスはアイリスの部隊に正式任命されることになったんです!おめでとう!ケイ!騎士になるという夢がかなって私本当に嬉しいです!!」

「ああ!ありがとう!これからはシルファを命懸けで守るよ!」

「っ!!そ、そんな格好いいことさらっと言うのはずるいです……」

「あはは!でも約束は守れたな。あんたの騎士になるって夢!あ、そういえば最後の試合の時、シルファの声聞こえたんだぜ!あの応援のおかげで勝てたよ。サンキューな!」

「き、聞こえてたんですね!恥ずかしいです……」


それから少しの沈黙のあとシルファは勇気を出してケイに伝える。


「……ケ、ケイ!今週の土曜日あいてますか?」

「ん?特に予定はないけど?」

「あ、あの!!……私との約束守ってくれたお礼によかったらランチでもどうですか?!」

「えっ?大丈夫だけどいいのか?庶民の俺とランチって?」

「そ、それくらい大丈夫ですよ!じゃ12時にヘリオス広場の時計の近くで集まりませんか?!」

「ああ!それで大丈夫だ!楽しみにしてるよ!シルファ!」

「はい!!じゃまた直前連絡しますね!また!」


そう言って電話での通話が終わったあと、シルファは顔を真っ赤にして枕を抱きしめながらベッドを転げまわった。


「……ど、ど、どうしましょーー?!これってデートですよね!!しかも私から誘ってしまうなんてーー!!ア、アイリスに一旦相談しましょうか?詳しそうですし!!」


一方ケイも尋常ではないくらい、冷や汗をかいていた。勢いでオッケーしたがトラモント王国の姫君とランチとかパワーワードすぎた。


「……よくよく考えたらとんでもない約束をしたんじゃないか?俺!っていうかこれデートだよな……?」


そう1人で呟き、ケイはあることを決心した。絶対フィオナとタイガにはバレないようにしようと。


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