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第19章「大会後の打ち上げ」

「ん……ここはどこだ?」


ケイは目を覚ますと見知らぬベッドで寝ていたことに気づく。どうやら医務室のようだ。時計をみるともう17時を過ぎていた。ケイの声にフィオナとタイガが反応する。


「あ!気がついたみたい!」

「ケイ!起きたか!!」

「フィオナ、タイガ!あのあとどうなった?!試合は?!」

「ベスト4よ。さっき閉会式終わったわ。」

「……それは二人に悪いことしたな。すまん。」

「何言ってんだ!俺は最高だったぜ!持てる力すべて出してのベスト4じゃねーか!」

「そうよ!!あんたが謝ることないわよ!2年生最強チームと1年生最強チームどっちも倒したんだから実質優勝じゃない!」

「……そうだな!フィオナ、タイガ!ありがとな!あ、そうだ!今日のこの後二人とも予定あるか?」

「ん?特にねーよ?」

「私も特にないけどどうしたのよ?」

「いやせっかくだし、このあと酒場で打ちあ……」

『行くぅーー!!!』


こうしてベスト4を祝う打ち上げに3人はいくことになったのだった。


アマネセル学園から20分ほど歩いて飲み屋街につく。夜暗い中、沢山の提灯が通りを照らし、まるでお祭りのような雰囲気をただよわせていた。それしても今日は異常なくらいに人が賑やかだった。その原因はすぐわかった。エネルギアチャンピオンシップに出場した学生が溢れかえっていたからだ。


「みんな考えることは同じみたいね!それにしても混んでるわ……」

「ケイ!もう着くか?腹減ってしかたねーぜ!」

「この辺りに今1番人気の酒場があるらしい……夕陽処って名前なんだが……お!あれだな!!」

「おお!いいじゃねーか!くぅ!早く飯食いてー!肉!」

「ちょっとタイガ!がっつくとか行儀わるいわよ!あ、ケイは今日おごってね?!」

「は?おまえは逆にがめついな?!」


そうして酒場の中に入る。中はもうすでに賑わっていた。


「いらっしゃいませー!あー!お兄さんたち試合みたよ!本当痺れたわー!」


褐色の美人のウエイターが話しかけてきた。フレンドリーで笑顔がまぶしかった。


「私ミマ=キャロル!よろしく!とりあえず席案内するねー!」


そんな挨拶にフィオナとケイも気持ちよく感じ、笑顔で言う。


「はーい!!お願い!」

「サンキュー!」


そうしてついた席に座る。スペースが比較的広く、いわゆる当たり席だった。


「お兄さんたち今日頑張ったから一杯サービスよ!これメニュー!今注文しちゃう?」


ケイはフィオナとタイガを見て、判断する。


「ああ!人混んでるし、今注文させてもらおうか。」

「そうしましょ!」


注文後ミマはキッチンへ戻っていく。いなくなったあとタイガはケイに話しかける。


「……ミマちゃんかー。かわいいじゃねーか!さっすがケイ!おまえミマちゃん目当てでここつれてきたんだろー?このこのー!」

「そ、そうなの?!さ、最低!ケイ鼻の下確かに伸ばしてたし!」

「な、何を?そ、そんなわけねーだろ?!」


そんな漫才をしていると横から、ケイは聞き覚えのある声が聞こえた。


「ウエイターさん!トラモントエール頼む!」


声がする方を向くとサンセットホープズの5人が揃っていた。 


「ロ、ロイ先生?!それに他のサンセットホープズのメンバーまで!」


フィオナとタイガもケイが見ている方向に顔を向けた。


「お!チームネクサスじゃねーか!おまえらも打ち上げか?」

「はい!まさか先生たちもいるとはびっくりです!」


ケイがロイに返事をする一方、フィオナとタイガは他のメンバーをみて緊張した様子で呟く。


「サンセットホープズがこんな近くに……壮観だわ。」

「た、たしかにオーラがすげーぜ……」


そんな少し緊張感があった空気の中、ロイはそういえばと三人を見て言う。


「ああー!そうだ!ちょうどおまえらの話をしてたとこだ。アイリス!おまえの口から言ってやってくれ!」

「そうね!!今回の活躍でチームネクサス。私の部隊にスカウトするわ!」

『えぇぇーー!?』


嬉しさのあまりケイ、フィオナ、タイガは同時に悲鳴をあげる。まさか自分たちが本当に騎士になれるとは、そんな感情だった。ケイはなぜかアイリスではなく、ジョーカーとアクア、ゼファーの方をみて尋ねる。


「夢じゃないですよね?!」

「夢じゃないさ。おまえらポテンシャルは高い!もっとアイリスのもとで強くなってこい!」

「本当は私の部隊に入れるつもりだったんだけどね、アイリスに先こされちゃったわ!ゼファーも残念ね!あなたも珍しく興味あったんでしょ?」

「しょうがないさ。それにしても本来アマネセル学園からは卒業とともに15人しかなれなかったようだが今年は特例だな。いずれにしろ夢が叶ったわけだ。おめでとう。」


ゼファーの言葉にタイガはケイとフィオナの方を見て、喜びをあらわにする。


「うぉぉ!やったな!ケイ、フィオナ!!」

「ああ!」

「本当に私たちが騎士……!先生!いつから騎士になれるんですか?!」


フィオナは楽しみと言った顔でロイに尋ねる。


「スカウトされた生徒は11月から騎士になれる。学校から国への書類申請などで少し時間がかかりそうなんだ。だからちょうど約1カ月後だな。10月は文化祭がある。せっかくだから楽しんでいけ!」

『はい!!』


三人が元気に同時に返事をして、少しした後、ミマがやってきて、豪華な料理とお酒がテーブルに並んだ。そしてフィオナは今日一番の笑顔と明るい声で乾杯の挨拶をする。


「今日はみんなお疲れ様!エネルギアチャンピオンシップベスト4そして騎士内定本当におめでとう!かんぱーーい!!!」

『かんぱーーい!!』


ケイとタイガはフィオナの乾杯宣言に笑顔で答える。こうして最高に賑やかな打ち上げが始まったのだった。

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