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第15章「チームネクサス」

タイガ、フィオナは2回戦に進出したことに喜びながら、控え室に戻っていくが、そんな中ケイは深刻そうな顔で歩いていた。タイガはケイにどうかしたのかと尋ねる。


「どうしたんだ?ケイ?もっと喜べよー。」

「……二人とも。話がある。」

「何かしら?!」

「俺は今の試合でほぼ全てのエネルギアを持っていかれちまった。エネルギア回復薬で午後には戦えそうなくらい回復するだろうが、今は全く自分の体が使いものにならないんだ…」


ケイの言いたいことがわかり、フィオナとタイガは思い出したかのように動揺するのだった。


「そのこと忘れてたー!!エネルギアコントロールが抜群に上手いケイでも最後のあれは相当消費したはずだろうな!」

「た、たしかにペース配分考えてる余裕はなかったもの!しょうがないわ!」 

「だからお願いがある!午前は3回戦までだな。二人で勝てそうか?」


フィオナとタイガは向かいあって、うなずいた。考えは同じのようだ。タイガは笑顔でケイに約束する。


「俺たちチームネクサス!絆のチームだろ?!おまえの分までカバーしてやるよ!」

「誰かが困っていたら助ける、それがチームよ!あんたの頑張り無駄にしないから!」

「ありがとう…タイガ、フィオナ!」


控え室に3人が戻ると周りから注目されていることに気づいた。優勝候補を破ったダークホースに注目が集まるのは必然だった。そんな中チームグローリーと遭遇するのだった。ウルはケイ達を見て話かける。


「みてたよ。ケイ!勝ったんだね!」

「……ウル!なんとかな。そっちは?」


それに答えたのはウルの隣でぶっきらぼうな顔をしていたアランだった。


「俺たちは圧勝だ。相手が雑魚だったからな。」

「何ー?!嫌み言いにきたのかしら!」


いやなやつ、そんなふうにフィオナは思いながら言い返す。そしてグレンがアランの言いたいことをフォローする。


「逆だよ。2年の優勝候補相手に1年が勝つなんて普通じゃないからね。アランなりに誉めてるのさ。」


なるほどと思いタイガは嬉しそうな顔で話題を変える。


「そういえばウル!みたか?組み合わせ!俺たち4回戦であたるみたいじゃねーか!」

「そうだね!しかしケイの様子を見ると午前はもうダメそうだね。二人で勝ち抜くのは至難の道だよ。」

「心配すんな!俺はもう二度と負けねー!」

「こっちもよ!負ける気はないわ!」

「俺はフィオナとタイガを信じてる!ウル!4回戦で決着つけようぜ!」

「ああ!全力で相手しよう!」


そういってチームグローリーは2回戦の準備をしに、去って行ったのだった。その後フィオナは二人に提案する。


「2回戦まで時間あるし、ひとまず観客席にいかない?他の選手の試合もみたいわ。」

「賛成!ケイもいいよな!」

「ああ!」


3人は控え室を出て観客席に向かう中、前から見覚えのある美少女がやってきた。今日はドレスをきて、トレードマークの麦わら帽子をしていなかった。その美少女はケイを見つけるやすぐに手を振りながらケイの名前を遠くから呼ぶ。


「ケイー!!」

「ひ、姫様がきたぞ!!ケイ!!おまえ何したんだぁ!?」

「あ、あんたねー!相手はこの国の…」

「な、何もしてねーよ!」


タイガとフィオナからケイが問い詰められる中、シルファと合流する。


「チームネクサスの皆さん!こんにちは!試合みてました!私感動しました!」

「ぉぉぉ俺感激ですぅー!」

「あ、あんたは負けたでしょうが!」

「姫様!ありがとうございます!それはそうとどうしてここへ?」


ケイがここにわざわざ来た理由を尋ねるとシルファはポーチからあるものを取り出す。


「そうでした!3人に渡すものがあってきました!これを!」


そういってシルファは一人一人に、最高級の回復薬を渡した。


「今の試合、皆さんかなりエネルギアを消耗したはずです。これはささいなものですが…」


ケイは目を見開き、感謝の言葉を言う。


「こ、これは!いい回復薬ですね!飲めば俺も午後は100パーセントの力だせそうです。たすかりました!」

「姫様!わざわざ私たちなんかのために……ありがとうございます!おかげで全力をだせそうですわ!」

「姫様がぁ!俺にプレゼントだとぉぉ?!」

「タイガ、キモいからそれやめたほうがいいわよ!」


別の意味で感謝していたタイガにフィオナはキモいと毒をはく。そんなやりとりを見てシルファは微笑みエールを送る。


「ふふ!それでは皆さん頑張って下さい!」


そういってシルファは戻っていこうとしたとき、あっ!と何か思い出したかのようにケイに一言とんでもないことを口にする。


「ケイ!今夜電話しますね!お話があります!」


嬉しそうな表情でシルファは再び審査員席のほうへ向かっていったのだった。ケイはまずいと思いフィオナとタイガから離れる。


「…さてと。」

「さ、さ、さ、さてとじゃないわよ!で、電話って何よ!!あ、あんたまさか姫様の携帯番号しってるの?!」

「い、いや体験授業よりも前にカーラ橋で会った時に番号交換してたんだが…」

「はぁあああー?!?おまっ?!はぁあ?!うらやましすぎんだろー!!」

「タイガ黙りなさいー!!あ、あんた今まで毎晩夜姫様と電話してたの?!」

「毎晩はし、してねーよ!たまにだよ!!」

『ふざけんなぁぁー!!!』


シルファと電話していることを知り、フィオナとタイガは同時に叫びながら拳を握る。ケイは察する。これは危険だと。


「な、なんでだよー!!!何でグーパン準備してるんだよ?!絆のチームだろー?!おまえらやめろぉぉー!!」


そんな声など今タイガとフィオナに届くはずがなかった。結局ケイはその後二人に友情のハッピーパンチをくらったのだった。

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