２.やっぱりチートはなかった！
この世界で俺の名前は『タークス.フォン.ブレッド』と言うらしい。
前世の記憶があるのに、赤ん坊だと体は本能に忠実に動くようで腹が減ったり
生理現象などが起こると泣いてしまう。お腹いっぱいになると眠ってしまうし、
結構面倒だ。
記憶力と頭が良くなってるおかげか、言葉を覚えるのはそんなに苦労しなさそう
だ。
母の名前は『ノーブル.フォン.ブレッド』１８歳、父の名前は『オークス.フォン
.ブレッド』２４歳、それに祖父の名前が『コークス.フォン.ブレッド』５０歳で、
あまり体が健康な方では無いみたいで、家督を譲ったばかりみたいだ、祖母は４０
台で病死したみたい。
その他に、執事のザーザリウス、メイド長のアセナ、メイドのメアリー、ハイナ
、スーシィ、料理長のホーゼス、料理補佐のエムリス、雑用係のトーマスが屋敷に
いて。
さらに離れに兵士長のトム、兵士のウイリアム、ホーゼス、シリウスがいるが
家から通っているみたいで、常備兵で訓練したり見回りしたりしている。
訓練場には農民兵がたまに来て訓練していたりする。
ここが魔法の世界なら、赤ん坊の内に魔力を鍛えるのだが、やっぱりここは地球
と変わらない世界っぽい残念だ、となるとなにもすることが無い。
とりあえず、魔法が駄目なら物理だと、体を鍛えようとしたが、赤ん坊の体だと
、それもままならない、それでも暇なので少しづつ体を動かした。
じきにハイハイが出来るようになると動き回った、メイドのハイナとスーシィの
目をかいくぐり、あちこち這いずり回った。
さらに記憶力と頭が良いので本を読んでもらって、少しづつ字を覚え、字を覚え
ながら本を読み漁った。
イースリート国は、王国で国王がいて公爵家が８家、侯爵家が８家、辺境伯家が
６家で伯爵家が３２家、子爵家が６０家、男爵家が１２０家、準貴族として法衣貴
族の準男爵と他は騎士爵と言うのは無くて、男爵家以上に任命騎士と言う準貴族が
いるらしく、人口は２８０万で軍隊は４万。
イースリート国は大陸の東端の方にあり５大国の1つで、他にウエスサート国、
ノースリース国、ソースノート国、センタリス国が５大国と呼ばれている。
その他には小国の連合国、ウニオンアライアンス国が５大国と並び、その他は
小国が数多くあり、大陸人口は４０００万人と言われている。ただ大陸の４割が
未開地と言われる深い山や森林地帯になっている。
オーディナリー世界には他にも大陸があるらしいけど、航海技術がそんなに発
達してなくて、ソースノート国が他大陸と細々と交易があるくらいらしい。
モンスターと言うようなものはいなくて、危険な生物は猪や狼、熊等で、その
危険度はたぶん地球と変わらないっぽい、やはり本当に危険なのは人間らしく、
盗賊は殺しても罪に問われないみたいだ。
冒険者ギルドは無いけど、商人の護衛や雑用等で、傭兵ギルドがあるらしい、勿
論魔法もスキルも無い中世世界なので、ギルドカードで色々なことが出来るなんて
無いし、銀行みたいなこともしてくれない、等級制で１等～５等で最初は５等から
で、依頼をこなしていくと等級があがるらしい、ただ実力がある程度ないと３等以
上になれないらしい。
商人ギルドはあるみたいだけど、普通の異世界転生物みたいにギルドに権力があ
ったりしなくて、国の一機関でしかなくて、王都や伯爵家以上の領地にしか無い。
色々調べた所、娯楽と言う物は闘技場での賭け事とか中世世界っぽいものだけみ
たいだけど、そもそも一般人は娯楽なんて余裕が無いのだろう、子供も農作業する
のが当たり前、学校なんてなくて日々の生活が厳しいようだ。
知識チートをやろうにも、まずは日々の生活の向上からかなー、余裕も無いのに
、娯楽だけ作ってもなー。
ただ問題は農作業の向上させる知識なんて持って無いってことだな。
とりあえず出来ないことを愚痴ってもしょうがないので、まずは体を鍛えるか。
あっと言う間に５歳になった、その間食事の向上を目指して色々とやっては見た
が中途半端な知識だけだと如何せん料理長に注文しようにもどうすれば良いのかわ
からん、５歳の体だと自分で作ろうにも料理長に許可をもらうことも出来ない。
この領地はブレッド村と言い、全人口は２０００人くらい、任命騎士が２名でモ
ンスター世界の様に壁に囲まれていたりはしない、主な作物は小麦、大麦、ライ麦
で連作障害の対策とかはしてないっぽいので、その対策もしなければならないな。
領地全てをブレッド村と言うが、範囲は結構広くて、木や小山で遮られて飛び飛
びになってたりしている、任命騎士は準貴族として２００名くらいの集落を治める
ような感じみたいで、村長って感じだ、どうやら親戚らしく分家みたいだ、それ以
外の１６００名の管理をするのが男爵みたいで結構忙しいみたいだ。
何故か病気になった、俺は健康な体を貰ったはずなのになんでだー。
流行り病らしく、村人の何人かが同じ症状らしい、そしてどんどんと症状が悪化
していく、意識が朦朧としてきてこのままだと死ぬんじゃないかと思っていたら。
