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教えて、シナモン先生!

再び書き始めてみました。

今50人位の人が読んでくれてます。最初はたったの2人。

目標は大きく出て、100人の読者獲得。

でも、のんびりこじんまりやってきます。

それから毎日倉庫での書類整理の仕事が始まった。

朝9時から夕方5時までの8時間。1日働いて、8000ギルもらえる。

俺は、シナモンさんの言う通り

「この書類をAの3、bの348の場所に置いて」

指示された場所に薄い板でできた書類箱を置くだけだ。

でも、膨大な書類があるため、うず高く積まれた紙の山は一向に減らない。

さすがにシナモンさんも分類作業に飽きると俺の質問に答えてくれる。

「さぁ、ポテトン、何か聞きたい事はあるかい?」

そこで俺は思いつくまま色々質問をしてみた。

「なるほど、本当に君は何も知らないんだなぁ」

シナモンさんは不思議そうな顔をしながら教えてくれる。

そしてわかったのは、俺が生きていた現世とあまり変わらないと言う事だ。

時間感覚は大体一緒。

そして、お金は単位はギル。価値は昭和の終わり頃から平成の初め頃の感覚。

かけ蕎麦一杯200ギル、立ち食い蕎麦の値段です。


この世界には、色々な種族がいるが、まとめて「人間」と呼ぶのだそうだ。

俺の感覚で言えば、日本人、アメリカ人、中国人、色々な人種がいるが、みんな人間である、と言うような感じかな。

文化レベルも異世界小説であるような中世ヨーロッパではなく、やっぱり昭和の終わりから平成の始めレベル。

電話はあるが、スマホは無い感覚。まぁそれはこの異世界で暮らしているうちにおいおいわかるだろう。


さぁ、ここから俺がいた現世との1番の違い。

それは魔力だ。

「そうか、ポテトンは魔力を知らないんだな」

シナモン先生はなぜか納得したようにうんうん、うなずく。

「まぁ、本当に理解している人間もわずかだと思うけどね」

「あのーシナモンさん。魔力って魔法とか使えるって事ですか?」

「それは違うなぁ。魔法って瞬間移動したり手から火が吹き出したりするやつだろう」

テレポート、ファイヤーボール。やってみたいです、俺。

「そんな理不尽な力じゃなくて、人間だけじゃなく、この星にあるすべてのものに宿っている力さ」

「この星?そういえばこの星なんて言うんですか?」

「母なる星、マザーさ」

そのままですね。


「このマザーの持っている莫大な力が地表ににじみ出し、生きている者だけではなく、大地や川や、そして、小さな石ころにも、魔力として蓄えられるんだ」

ちょっと待ってくださいよ、小さな石ころにも蓄えられるって、放射能汚染されてるってわけじゃないですよね。

「あのー魔力が宿った石ころって、何か害があるんですか?」

「心配いらないよ。害があるどころか役に立つんだ」

「役に立つって、一体どんな?」

「よし、それじゃあ見せてあげよう」

そういうと、シナモンさんはポケットから黒くてツヤツヤしたお煎餅みたいな石を取り出した。


「良いかい、これが魔力石だ。この石をこうやってポットの下の窪みにハメて、スイッチオン」

1分でお湯が沸いた。

「これはまだ安い魔力石だからこんな事しか出来ないが、高密度で高い魔力石ならば車を動かす事だって出来るんだよ」

ちょっと待って先生、今さらっと車って言ったよね。

「車があるんですか?」

「ポテトン、凄いな。君は車を知っているのか?こんな田舎じゃ見た事がない人がほとんどだよ」

「たまたま見た事があるだけです。車ってどこにあるんですか?」

「そうだなぁ。ジャパック王国の首都トーキンならたくさん走っているよ」

首都トーキン、俺の目指すべき場所が明確にわかったぜ。


「まぁ、モノに宿っている魔力は何かを動かす動力源みたいなものさ」

令和の時代で言えば、電気?電気があれば、車も動くね。昭和の時代は想像もできなかったよ。

「しかし、厄介なのは生き物、特に人間に宿った魔力さ」

「どう厄介なんですか?」

「普通に暮らしている人間にはあまり魔力は必要ない。でも、特別な職業には魔力が大きく関わっている」

「特別な職業?」

「例えば神に使える聖職者。正しい魔力を持ってなきゃだめだ。この場合魔力と言わずオーラと言うんだよ」

オーラ?ファンタジーぽくなってきました。でも、俺の世代でオーラと言えば「ハンター✖️ハンター」ゴンちゃんから立ち上るオーラ。早く再開して欲しい。

「このオーラを身に付けるには、持って生まれた才能と言うのもあるけど、1番大きいのはそのオーラを育てるためには、修行する事だね」

「修行ってどんな修行するんですか?」

「そりゃ人それぞれさ。ちなみに僕だってオーラを持っているんだよ」

ええ、シナモン先生もハンターなんですか?

「厄介と言ったのは、自分がどんな魔力を持っているかわからないという事さ。

例えば、お医者さんになりたいと思っても、人を癒すオーラを持っていなければ、どんな修行をしても無駄に終わってしまう。でも、無駄だとはわかっていても、自分を信じて修行する。そして、自分がなりたい職業にふさわしい魔力があるとわかった時、こんな嬉しい事は無いのさ」

シナモン先生は、辛い修行時代を思い出したのか、うんうんとうなずいて、目をつぶる。

「先生、オーラ見せてくださいよ」

「ポテトン君に見えるかな?」

そう言うと、先生は立ち上がり、両手の拳をぎゅっと握った。

「むむむむ」

シナモン先生の顔が真っ赤に染まる

「はあーGooー!ゴガーー!ホー!」

先生、全く見えません。


「ハァハァーー」

テーブルに両手をついて、がっくりうなだれるシナモン先生

「ごめんなさい、見えませんでした」

「はぁはぁ、そりゃ仕方ないよ。普通の人にはオーラ見えないからね」

「見える人にはどう見えるんですか?」

「僕もはっきりと見えるわけじゃないんだけど、聞いたところによると、いろんな色が立ちのぼって揺らめいてるらしいよ」

なるほど、オーロラみたいな感じかなぁ?

「ちなみに、シナモン先生のオーラって何の役に立つんですか?」

「僕のオーラは並列思考。1度に色々な事を考え判断する事が出来るんだ。だから、書類の分類はお手の物さ」

先生、ごめんなさい。そのオーラいらないや。

「そうだ、ポテトン、こうやって役に立つオーラの事をスキルって言うんだ」

異世界落語家物語にしようと思ったのに、冒険者ダンジョン物語になりそうです。

スキル教えて。大賢者さん。

「ちなみに、僕のスキルを見せてあげよう」

そう言うと、胸のポケットから、銀色に光るギルドカード取り出して、俺に差し出した。

そこには

名前 シナモン パウダー

年齢 32歳

職業 役場職員

MP 11 (ちなみに普通の人間1〜5)

スキル 思考並列 レベル8

    整理整頓 レベル12 ファイル管理士

国籍 ジャパック王国


思考並列スキルはかっこいいけど、整理整頓て?お母さんの小言みたいなスキル。

あんまり欲しくないな。それにこれ、スキルじゃなくて心がけでしょ。

それに、ファイル管理士?何かとりあえず取った資格って事かな。

シナモン先生、案外苦労人?

初めて1人だけ後輩に「小説家なろうで書いてるんだよ」ばらしたら読んでくれました。

そして「もっと異世界ファンタジーに寄せましょうよ。落語に興味ある人なんていないんだから」

と言われてちょっと寄せてみました。

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