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転生しても邪道落語をぶちかませ!  作者: みたらし団子
第三章 異世界旅行
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グーリンダイ遺跡

なんか一度書くと続くね!

と言う事で連日投稿


大きな窓から朝日が差し込む。

アマガン州は草原と森の大地。獣人族が多く住む土地。深い森の中には珍しい獣人族もいるそうだ。

高い建物や山が無いから朝日が直接2階の窓から降り注ぐ。

眩しい!


「あーよく寝た」

気温は寒くも暑くも無い。

薄い毛布を跳ね除け大きくノビをする。

思った以上に快適。ベッドに引いてあるマットレスが硬いのが俺好みだった。

共同のトイレに行って用を足して服に着替える。

スニーカーに短パンTシャツ。

小さなテーブルに置いた「ジャパック王国の歩き方」を手に取ると、しおりを挟んだページを開く。

「グーリンダイ遺跡 首都ヘーゲルからバスと馬車を乗り次いで5時間程の場所にある古代遺跡。観光客でも気軽に行けるため人気がある」


今日はここに行くつもりだ。

新作落語家の清丸師匠が教えてくれた。

「ジャパック王国にはダンジョンがある。古代の魔石道具やスキルを書いた古い石板がまだ残っている」と。

清丸師匠の先輩新作落語家、悪魔族のベジ家サンダー師匠は、そんなダンジョンに潜って落語に活かせる未知のスキルを探していると。


異世界転生と言ったら、やっぱりダンジョンでしょう

そして、ダンジョンと言ったら、古代遺跡。

グーリンダイ遺跡は人気観光スポットで何か新しい発見があるわけじゃないけど、とりあえず見ておきたい。

だって異世界の古代遺跡なんか見た事ないんだもん。


リュックを背負って1階に降りていくと

「小鬼兄ちゃん、おはよう」

早速、ピクルが尻尾振りながら、近づいてきた。

昨日の夜、部屋まで来て

「落語聞かせてよ」

と言われたのにはまいったよ

「疲れているから、また今度」

不機嫌に答えたんだけど、あまり応えてないみたい。

それともただ打たれ強いだけかな?


「今日はどこへ行くの?」

「グーリンダイ遺跡に行くつもりだよ」

「ええ、あんな遠くに?近くに景色の良い公園があるから行こうよ」

デートの誘いかよ

「いや、遺跡を見た事がないから、どうしても行きたいんだ」

すると、ピクルが残念そうな顔をして

「それじゃあ、この宿屋に戻ってこないの?」

「そうだなぁ、今日は遺跡の近くで泊まる事になるなぁ」

「それじゃあ、いつ落語聞かせてくれるんだよ」

「ピクル、大きくなったらトーキンに来な。ビルド亭って寄席に出てるからさ」

「寄席って、金払うのかよ。ケチだなぁ」

いやいや、どっちがケチなんだよ。


「また帰るときに寄らせてもらうよ」

お決まりの社交辞令。

「本当かなぁ?」

ピクルが疑い深そうな目で俺を見る。

「まあ、縁があったらな」

いつまでも、こんなところで、ぐずぐずしてるわけにはいかない。

もうすでに宿代は前払いしてあるから、俺はそのまま扉を開けた。

カウンターの中にいるホグルさんに、ぺこっと頭を下げる。

「お世話になりました」

「気をつけて、良い旅を」

さすが大人。さらっと別れの挨拶。

「小鬼兄ちゃん、また来てくれよ」

ピグルが、扉の外まで追いかけてくると、俺に向かって大きく手を振った。

「待ってるからなぁ」

あぁー子供ってしつこい。


俺は、バスターミナルまで行くとグーリンダイ遺跡行きのバスに乗った。そして、終点まで2時間。降りた広場には、何台も馬車が待っており、その1台に乗る。

全部でお客さんは10人。こんな馬車がその後4台続くから、今日は50人のツアーだ。

個人でももちろん行けるが、遺跡に行くには森を通るので初心者はツアーで行くのが安全第一。

オレハ冒険者じゃないからね。


馬車で1時間ほど山道を行くと、大きな森の前で止まる。

「さぁ、ここから歩きになりますよ」

足の速そうなガイドの豹人族のおじさんが、しなやかな動きで森の中に入っていく。

その後、ぞろぞろ続く俺たち。

1時間以上歩いた頃だろうか、いきなり森が開け、広々とした草原が目の前に広がる。

そして、短い草むらの中に、巨大な石の建造物がいくつも見える。

前世でイースター島を旅した時、ラノララクと言う石切場で巨大なモアイ像が、いくつも転がっている風景を思い出した。

もちろん、そのモアイ像よりも、もっと大きな石の建造物。

よほど古いものなのか、その石から草や大きな木が生えている。


これがグーリンダイ遺跡か!!

俺は思わず目を瞠る。

想像していたよりも遥かに巨大。これは古代の神殿?寺院?偉い人のお墓?ピラミット?

そんな石の崩れかけた建物が草原に5つ建っている。


「さあ、まずは一番大きなガガン神殿に行きましょう」

豹おじさんが馴れた仕草で俺達を誘導する。

草原の左端の巨大な遺跡に到着。

両側に椅子に座ったライオンみたいなたてがみをまとった神像が彫られている。

しかし右足の膝から下と身体半身が崩れ落ちている。

風化したのか壊されたのかわからない。


その間がドーム状になっていて一番奥に巨大な石の扉がある。

「えー長年の調査で、この石の扉は岩に直接彫られたもので、その先には何もありません」

何だよ、秘密の呪文で開くのかと思ったのに。

ただ壁に彫られた扉って落語の「だくだく」かよ。


他の遺跡も見て回ったが皆似たような物だった。

表には色々な動物を模した石像があるが、中はローマ神殿見たいな石造り。

そして一番奥には開かない扉が彫られていた。


「大昔、この地は自然崇拝の中心地でこのような大きな建造物が建てられたと言われてます。大きな扉は死んだらこの世界とは違う世界に行ける来世信仰から来ていると思われます」


死んだら違う世界ってまさしく俺じゃん。

もしかして俺以外にも過去、地球からこの世界に来た人がいるのかな?

そして地球にもこの異世界から死んで転生した人がいるのかもしれない。

そう考えるだけで面白い。

旅に出て良かったよ。


「さあ、ここから自由時間になります。いく

つかまだ見てない小さな遺跡がありますので、どうぞ興味があれば

ご覧ください。

安全は確認されてますが古いので崩れる心配があります。絶対に遺跡に触らないでくださいね。それでは1時間後ここに集合です」

豹おじさんそう言うと地面に持参した絨毯を引いてゴロンと横になった。

うーん、草原でお昼寝も捨てがたい。


でも折角だから見て回ろう。

いくつかの小さな遺跡を覗く。まあ、どこも同じ。

大きさが町内の神社位。

神像がないだけで、石壁の奥に扉が彫られているだけ。


「まあ、観光スポットだからこんなもんか」

もしかしたら、まだ見ぬお宝とかあるかも?なんて僅かばかりでも期待した俺がバカでした。

戻ろうと振り向くと、遠くで、人の背丈ほどに伸びた草の上がピカリと光った。

ん?なんだろう?


グリーンダイ遺跡群からちょっと離れた場所の草むらに近づいた。

大きなカマクラ位の石の建物が草に埋もれている。横から見れば草に隠れて殆ど見えない。

ちょっとだけ草の上に出た石の屋根が太陽の光加減で光ったのだ。


草をかき分け側に寄る。

まさしく石のカマクラ。半円状。

雨や風で風化して表面が削れデコポコしてるが一部がツルっとしている。

グルリと回ると人一人通れる入口発見。

でも中は真っ暗。

リュックから小型ライトを取り出し中を照らす。


もしかして未知の遺跡、お宝発見!


期待して照らされた中を注意深く見る。

石で作られた壁がドーム状に積み上げられている。

直径5メートル高さ2メートル位の部屋。

正面奥に畳一畳程の扉の彫り物。


なんだ、他の遺跡と一緒か?ハアあぁ


がっかりして出ようとライトをクルリと回す。

その時、左の壁に何かが立て掛けてある。


なんだ?


ライトを戻してその場所を照らす

石版が置かれている。

厚さが5cm程で大きさが縦50cm.横30cm

大きめの百科事典。


あれ、なんだろう?

少しづつ話が育って来たよ!

でも無理しないでのんびりね!

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