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スキル感知取得!

1日おいて投稿します。

しかし、毎日暑いね。

これから夏本番。

一体小説どこで書いていいやら?


おこん姉さんの客席のオーラに、赤い閃光が一瞬見えた後、

俺の頭の中に「ピロロン」と音がして目の前にモニターのようなものが現れた。

「新しいスキルを取得しました。スキル感知レベル1」


おいおい、まさしく異世界ファンタジー。「俺だけレベルアップな件」みたいじゃん。

普通だったら「こんなのおかしい!!」と思うところだが、もう異世界に生まれ変わった時点で、All Right!

神様のサービスだと思えば全てオッケー。


でもスキル感知ってなんだろう?

「スキル感知とは相手のスキルを知る事が出来ます。しかしレベルが低いと、高レベルのスキルは知る事が出来ません」


頭で考えた事が、すぐにモニターで答えてくれる。

「転生したらスライムだった」のラファエル先生みたい。


「小鬼、お先に勉強させてもらったよ」

得意顔のおこん姉さんが目の前に立っていた。

「姉さん、めちゃくちゃ受けてましたね。さすがです」

そう言いながら「スキル感知」と頭の中で唱えた。

すると、俺にしか見えないであろうモニターに


「アニマル亭おこん 

ブロンズクラス、女流落語家

スキル 

言霊レベル8

高座度胸レベル8

落語技術レベル13

落語演出レベル7

男性魅了レベル5 」


初めて見るスキル「男性魅了」

ーーーー姉さん、真のオヤジ転がしに、覚醒しましたね。


「私なりの『ドーミヤ川」 いろいろ考えてんだよ」

さすが落語演出レベル7、ネギミ姉さんより先輩なだけあるね。


「おこん、俺の前であんな落語をやるとは度胸あるじゃねーか」

ヤングがニヤニヤ笑いながら近づいてきた。でも、その目の奥は笑ってないけどね。

「兄さん、お先に勉強させていただきました」

しおらしく真顔で頭を下げる。

「全く女流ってやつは、ちゃんとした芸で落語出来ないのかね?」

はい、早速嫌味いただきました。

「すいません、まだ勉強不足で…」

「勉強不足って、何勉強してるんだよ。男に媚び売った芸しやがって」

「………すいません」

楽屋に流れる気まずい空気。

デビ助は危険を察知したのか、お囃子部屋へすでに避難。


「ちょっと何してるの?もう中入り終わるわよ」

パラミさんが角を震わせ怒っている。

「すいません、ちょっと後輩に指導を…」

指導を受けるのはお前だろう、ヤング!余計な小言減点3。


「さあ、後半始めるわよ、デビ助、太鼓」

パラミさんがお囃子部屋に向かって言うと

「テンドドテンドド、ドドドド、ドン!」

開演を告げる太鼓が鳴り響き、

ヤングの出囃子「魔曲地獄大漁節」が流れる。


「本当の古典落語を見せてやるよ」

銀と黒の縞の着物に、赤銅色の羽織を着たヤングが颯爽と高座に上がる。背中の大きな蝙蝠の羽根がぱっと開いた。


「待ってました!」

おばちゃんから声がかかる。

「たっぷりーー」

落語通のじいさんからも声が飛ぶ。

高座で頭を下げると、今日1番の大きな拍手。

ふーん、こいつ本当に人気があるんだ。

どんな落語をするか見てやろう。


デビ助はすでに楽屋の隅に座って、鞄から取り出した酒の小瓶をちびちび飲んでいる。

その隣で、おこん姉さんが

「ヤング、最低!あんたも嫌いでしょ、あいつ?」

デビ助に愚痴をぶつけていた。


その隙に、俺はお囃子部屋に行き格子戸を覗く。

高座に座ったヤングは、1番芸歴も上なので、慣れているのか堂々としている。


「ヤングと言ったって、もう若くありませんよ。気がついたら、30過ぎ。芸歴だけがヤングじゃなくてロングになってしまいました」

ワハハハ

客が笑う。お約束のつかみのギャグかな?


「昔、トーキンの東のはずれにルリドラと言う大きな遊郭がございまして…」

ルリドラとは古典落語の吉原の事だ。

アイアンクラスだった頃、花魁話の舞台がルリドラと言う地名に変化したのを知って

「さすが異世界だなぁ」

と、感心したものだ。でも、あとは前世と一緒。花魁も見返り柳も大門も出て来る。


「餅屋の奉公人、セイゾーは、毎日餅をついてわずかなお金をもらっております。

店の用事の帰りに、本屋がありまして、覗いたところ、綺麗な錦絵。今ときめく花魁、イクイク大夫の姿絵が飾ってある」

え、幾代太夫がイクイク太夫?ぷ、笑っちゃう。


「きれいな人だなぁ。死ぬまでに1度でいいから、こんな美人と会ってみたいなあ」

それからと言うもの、寝ても覚めてもイクイク大夫の事で頭一杯。

「ああ、イクイク大夫に会いたい、イクイク大夫に会いたい」


夢に浮かれる哀れ男をヤングが、身をよじって面白おかしく演じる。

客席から笑い声が起こる。

黒いオーラが立ち上がる。


「俺、イクイク大夫に会えるなら餅の中に頭を突っ込んで死んでもいい」

笑いにかぶせるようギャグを放り込む。

小さな火がついた焚き火に、細い枝を追加。炎が大きくなる。


へえー、こいつこんな事出来るんだ?

よし、どんなスキルを持ってるか見てやろう

スキル感知!

「フラワー亭ヤング

ブロンズクラス 落語家

スキル

言霊レベル13

高座共有レベル2

落語技術レベル18

落語演出レベル14

自信覇気レベル5 」


おお、凄いじゃないの。高座度胸がレベル10から進化して高座共有になっている。

その他のスキルを俺が見た中では最高レベルだ。

自分の伝えたいイメージを客にも伝える。そして伝わったとわかるから、すぐにギャグを投入して、笑いの火を大きく出来るってわけだ。

客から立ち昇るオーラが太くなって大きく揺れる。


自信覇気?初めて見るスキルだ。

「自信覇気 自分の芸に自信があり「俺は面白いぞ」と客を高座に引き込む力」

へえーこんなスキルもあるのか?


え、漠然すぎてよくわからない?

それじゃあ、教えましょう。


あなたが初めて寄席に行く。

沢山の落語家がで出来ます。

その中で、1人や2人、高座に出て来ただけで

(おや、なんか輝いているな)

(他の落語家とちょっと違うぞ)

(高座がパッと明るくなった)

と言う人がいます。

そんな人は間違いなく面白い。

テレビで見た事もない。落語家なのになんでだろう?と思うでしょう。


その落語家さんは毎日寄席に出て、お客さんと戦っています。

以前も言ったけど、落語家の99%はテレビに出てません。

ではどうやって売れるのでしょうか?

これも以前、言ったと思うけど、寄席で売れるしかないんです。

でも、寄席で売れるにはどうしたらいいのか?

他の芸人より沢山笑いを取るしかありません。


昭和の時代なら、芸が粋だ、江戸前だ、と評価されたかもしれないが、令和の時代、そんな事がわかる客は絶滅寸前。老い先短い年寄りばかり。

第一、時代劇も少なくなった今の時代で「江戸の風を感じる」なんて奴がいるのかい?

還暦になった俺でさえギリギリわかる程度だ。


40代の落語家なんて、古典落語の世界でしか江戸を知らない。

長家に住んで隙間風で震えた事もない。

大根をかまぼこだと言って食った、貧乏暮らしもした事がない。

砂浜でお金を拾って、猫ババしようと考えた事もない。


でも、俺は古典落語をやっているんだ。伝統芸能をやっているんだ。

受けなくたって、客がわからないだけだ。

習った通りの古典落語をやるだけ。

笑が欲しければ、現代のギャグをちょっとおり混ぜれば、客は笑う。

みんな同じ事をしているから、俺もやるんだ。

だから、そんな古典落語オンリー若手真打はどんどん寄席の世界から消えていく。


でも古典落語家でも、うわっつらのギャグで、客を笑わせるのではなく、キャラクターを変えたり、落語の演出を変えたりして一生懸命頑張っている奴らもいる。


たった10人しか、お客さんがいなくても、日曜日の落語を知らないお客さんでも

笑ってもらおうと、日々努力しているのです。

そして、どんなときでも、お客さんが大きな声で笑ってくれる経験を積めばそれは自信となります。


俺が若い頃、ビートたけしさんも尊敬していた漫才師、明日順子ひろし先生。

順子先生が寄席で受けるようになった俺に教えてくれた。

「鬼助(俺の2つ目の頃の芸名)君、寄席で受ければ日本全国どこに行ったって受けるわよ」


その言葉が当時やっと寄席で受け出した俺にはすごい自信となった。

その自信が

「俺は面白いんだよ」

「皆さんを笑わせてあげるよ」

「今までつまらない古典落語でごめんね」

「さぁ、寝ている。おじいちゃん起きなさい。」

と言う思いになって、高座から客席に伝わるのだ。

これが自信覇気。

何か説明したら長くなっちゃったね。


高座では、まだまだ、ヤングの「イクイク太夫」が続いているよ。

しっかりと見なければ!

いよいよ落語バトル。

某少年雑誌の落語漫画と異なるような落語バトルを書こうと思ってスキルを出したんだけど

これが設定がめんどくさくて大変です。

この先どうなるのかな?

俺もわからないよ

そして、なんと祝、1000人の人が読んでくれてます。

書き始めた時、たった2人だったのにーー涙。

でもだから、止められなくなってしまいました。

結構負担なんだよね。

でも、いよいよこれから書きたい場面の1つなので、負担にならぬようのんびり書きます

なかなか投稿なくても、必ず続けますので、お楽しみに

辞める時はちゃんと「もう書きません」とここに書きますよ。

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