表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/56

落語家ですが還暦で死んじゃいました!

はじめに

この作品は作者が気晴らしに書いた妄想ご都合主義小説です。特に落語が好きな人は頭に来るので読まないでください。

特に落語家さんは読まないでください。「どこのどいつか知らねぇが、何ほざいている」とムカつきます。

落語の素晴らしさを知りたければ、名人落語家の本や素晴らしい落語漫画が沢山出てますのでそちらをお読みください。

誰にも読まれないと思ってそっと書いてますので少しでも怒りを覚えたら読むのをやめてくださいね。

お互いのためです

俺は落語家だ。今年還暦60歳。

今年の東京は桜が咲くのが遅かった。やっと蕾が開きかけた午前2時。

俺はほろ酔い気分で自転車を漕いでいた。生暖かい風が妙に艶しい。

今日は嬉しかった。有楽町よみうりホール、東京の人気落語家4人による落語会。

1200人満席で俺がトリだった。トリって言うのは1番最後に上がる。まぁ、お相撲で言えば横綱だな。

そこで俺の新作落語「ラーメン満開桜」をぶちかました。新作落語と聞くと、くだらないと思う落語ファンもいるだろう。まぁそんな落語ファンてえのは年寄りの古典絶対主義の爺ばかりだけどね。

しかし、この「ラーメン満開桜」はラーメン屋の兄弟が親父の店を引き継ぐ事で確執が起こり喧嘩になる。それを1人の少年が、仲を取り持つと言う感動の人情噺なのだ。

俺が高座で頭を下げると、啜り泣く声と万来の拍手がでかいよみうりホールを揺らす。

(俺の新作落語もここまで来たか)

感動で胸が震えた。

ひょんな偶然で落語家になり、田舎者だから江戸弁もできなきゃ、古典落語も知らない。そんな俺が新作落語一筋、馬鹿にされ、あんなのは落語じゃないと蔑まれ寄席も出入り止めとなった日々を思い出す。

(それが今こんなでかいホールのトリで大きな拍手をもらってるなんて。還暦になって、やっと俺の時代がやってきた。今まで不運だった分取り返してやるぜ)

落語会が終わった後ファンの美魔女社長からお寿司をご馳走になった。もちろん回ってないお寿司だ。お酒も俺の地元、新潟の幻の酒「ちびた川」

美魔女社長がお酌しながら「師匠の芸の虜です」と熱を帯びたねっとりとした視線で、俺を見つめるじゃないか。モテ期爆裂!

でも、俺は還暦なのでガツガツしない。程良いところで「明日早いんで今日はご馳走様」そう言って、美魔女社長の手を握る。

「まぁ師匠たら、寂しいわ。近いうちにまたお誘いします」

その声に、背を向けて地下鉄に乗って最寄り駅で降りる。

しかし、家には帰らない。駐輪場に止めていた自転車に乗ると、なじみの居酒屋に向かって走り出す。

深夜2時までやっている居酒屋「呑平」の暖簾を鼻歌まじりでくぐると

「おや、師匠ご機嫌だね」

大将の声が響き渡る。

呑平の大将は坊主頭のタコ入道みたいな男で、確か歳は52歳。若い時は名の知られた料亭で板長までやっていたと言う話だ。ホントかどうかは知らないがね。

「熱燗もらおうかな。つまみは、すじこおろしで」

俺はすじこが大好きだ。筋子、鱒の魚卵を醤油漬けにしたものだ。新潟県で下のほうの生まれの俺はイクラなんて食べた事は無い。口の中がひん曲がるほどしょっぱい筋子が子供の頃からのご馳走さ。

それをちびちびつまみながら、熱燗を流し込む。

「大将、落語会でばか受けだよ。その後、美魔女とデート、俺の春がやっと来たぜ」

タコ入道がニヤリと笑う。

「いよいよ、師匠の時代が来ましたね」

うれしくなって、その後、熱燗二合徳利、3本も飲んじまった。

それで店も終わりになったので、自転車に乗って帰るところだ。

自転車でも酔っ払い運転は違反だからやっちゃいけません。でも、ほんのわずかな距離だから、多めに見てくださいよ。それに自転車漕げないほど酔っちゃいない。俺は若い時から酒は強いんだからね。

酔った頭で思い出す。誰かに聞いたかわからないけど。「人生、幸せの量と不幸の量はおんなじ。だから若い時にたくさん不幸があれば、その後同じ位の幸せがやってくる」

と、いう事は新潟での不幸な中学時代、高校時代。そして東京に出てきてからの不幸な大学時代、落語家になったら、それ以上の不幸と不運と貧乏が押し寄せてきた。

そんな悲惨な人生に耐えに耐え、やっと今幸せの芽が開いた。これから怒涛のような幸せがやってくる。

陸橋を超えた坂道を年甲斐もなく

「キャホー」と叫びながら、両足をペダルから外して、前に突き出す。

(おいおい、ジブリの映画かよ)

やっと俺に幸せがやってくる。

今まで邪道落語と馬鹿にされ仕事もなく寄席にも出られなかった俺が、このままの勢いで後世に残る創作落語家、そう、あの名人、三遊亭圓朝師匠のように落語界に名を残すのだ!

今まで俺のことを馬鹿にしていたやつ、ざまぁみろ。笑点のメンバーになれなくたって有名になれるんだ。

「いよいよ、俺の時代がやってくるぜ!」

その時、道に落ちていた空き缶を踏んづけた。

「グギィ」

ハンドルが取られて左に大きく曲がる。そのまま縁石に乗り上げると、スピードがついたまま、俺は空を飛んだ。

「おいおい、ジブリの映画かよ」

ガシャーーン!

自転車もろとも、道路に叩きつけられる。

朦朧とした頭と激しい痛みで顔を上げると、目が潰れるほどの激しい光が迫ってくる。耳をつんざく、巨大なクラクション。

「ブォオォーン」

こんな時にトラック?

死神が俺の寿命の蝋燭をふっと吹き消した。

激しい痛み、そして俺の目の前が暗転した。

(うそ?俺、還暦で死ぬんだ)

あまりに短かったので、文章を足して見ました。初めて投稿するので、ちょっと気取って書いてしまい、後からもっと赤裸々に書いてみようかな?と思って書き足してみました。

全然宣伝していないので、この状態でどれだけの人が読んでくれるのか楽しみです。1人でも読んでいただけたら頑張って続けてみようかな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ