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1話「大好きだった」

 人々が寝静まる中、とある街にあるとある家の一室には明かりが灯っていた。男は制服に身を包んだ意識のない女性を抱きかかえるとブルーシートの上に置かれたコンテナのベッドへと寝かせる。


「完成品を壊さなければならない、この作業だけは嫌いなんだよな」


 男は小さく呟くと女性に顔を近づける。男の鼻息が女性にかかるも彼女は目を覚ます気配すらない。


「さようなら、大好きだったよ」

 

 男は最後にそう言うと彼女目掛けて(なた)を振り下ろした。



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