別れと再会
あなたを好きになったのはいつからだろう。
恋になってしまったのはいつからだろう。
あなたに会うのが辛くなったのはいつからだろう。
これは遠い昔の私の恋の話。
離れた場所に住む彼は私の従兄弟。
8つ離れたお兄ちゃんみたいな人。
小さい頃から年に1回しか会うことができなくて、会える日が凄く嬉しかったのを今でも覚えてる。
帰る時には私が大泣きして、従兄弟がおんぶしてくれる。それが私たちの恒例行事。
そんな日が当たり前じゃなくなることをこの時の私は知らなかった。
私が中学生になった頃。いつものように会いに行った。
帰る時、中学生の私はもう泣かなかった。
そんな私を見て従兄弟が「おんぶしてほしい?」と聞いてきた。
私は「もうそんな歳じゃない。」と答えた。私を可愛がる従兄弟は半ば無理やり私をおんぶした。
それから月日がたち、一通の手紙が届いた。母から知らされた従兄弟の結婚。
私は何故か「取られた」と思った。
私を1番に可愛がってくれる従兄弟が他の人のものになった。
何年も会っていなかった間に環境が変わった。
結婚と同時に子供の話も聞いた。話が進みすぎて頭が追いつかない。
最後に会った時子供だった私は連絡先さえ知らない。何も聞けない。「会いたい」とも言えない。もう会うこともないかもしれない。
そして私が高校を卒業する頃、従兄弟が離婚し精神的に荒れていると聞いた。
心のどこかで離婚を喜んでしまった。
ただ今は会える状況じゃないと。どこにいるのかも、どんな仕事をしているのかも、元気にしているのかも、何も知らない。
従兄弟なのに何も知らない。
私が従兄弟と再会するまで8年もかかった。最後に会った時の従兄弟と同じ歳になった。
もう大学生だよ。私大人になっちゃったよ。もう可愛げなんてないよ。
再会して思ったことは「やっぱり従兄弟に恋してたんだ」ということ。
私の初恋が8年越しに動き始めた。