白夜になった日
俺は天馬に言われるがまま、ホストなんてやった事ないが、二つ返事で
「面白そうじゃねぇか、やってやるよ。」
天馬は見た目はチャラチャラしてバカそうに見えるが、意外と計算高く、先を読む力はあるようだ。
早速、俺のホストとしての生活がスタートした。
まずはどこからどう見ても田舎者丸出しの身なりを整えた。
天馬が予約した美容室で髪を整え、用意されていたスーツを身をまとった。
天馬「お、いいじゃねーか。服で人って変わるものだな。」
そういって天馬が笑いながら缶コーヒーを放り投げてきた。
天馬「衣装も決まった事だし、次は源氏名だな。」
「源氏名って具体的にどうやって決めるんだよ。」
そもそも源氏名ってなんなんだ、どうやって決めるんだ。
天馬「亮はこの世界については何色にも染まってない真っ白なキャンパスみたいなものだから。
【白夜】はくやなんてどうだ?」
「白夜かぁ、夜でも光続けるなんて面白いな、まぁ名前なんて何でもいいからな。」
これからホスト、白夜としての生活が始まる。
初めて店の門をくぐった光景は今でも忘れない。
俺とさほど歳の変わらない位の男達が奇麗な身なりに身を包み様々な女性をエスコートしていた。俺にこんな立ち振る舞いが果たしてできるのか。
俺は天馬の紹介ということもあり天馬の客の接客を任された
客「初めましてぇ。天馬君から色々聞いてるよぉ、緊張しないで好きなもの飲んでねぇ。」
ホストクラブとはこういうものなのか。
俺は内心柄にもなくビクビクしていた。
客「白夜君ってもしかしてあがり症?緊張してんのぉ?かわいぃ。」
天馬「どうよ白夜?まだ分かんないとは思うけど雰囲気はつかめたか?」
「いやぁ、やっぱ俺には場違いな気がするわぁ」
お前なに天馬さんにため口きいてんだよ
近くの外野が騒がしい
それを聞いていた近くのキャストが騒ぎ出した
天馬「あぁ、こいつは昔からの付き合いだから気にしないでやってくれ。ただ、ここで働く以上俺がこの店の責任者だから、これからは敬語を使ってくれ。」
「わかりました、以後気を付けます。」
これから俺のホストとしての生活が始まった