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三上奏太くんかぁ………。
見た目はごくフツーの男の子、性格や好みまでフツーな人なのに、惹かれるものがあったのはどこだったのだろう?
視線があったとき、あの瞳に感じたものって何?
…………………………もう、何でもいいじゃん!
だいたい自分だけのことだし!
わかんなくたって他人に迷惑はかけないし!
独りで悩む必要なんてない…はず。
私のことは最優先の正反対。
よーするに考えなくてよし。
みんなが楽しく、幸せに過ごしてくれるような態度をとればいい。
思い返せば、小学校低学年からその方針は変わっていなかった。
でも、今回は違う。
奏太くんのことが、頭の真ん中に居座って席を離れない。
奏太くんが何を考えているかが、今一番知りたい。
なんでこんなにも愛しいんだろう………?
*☆*☆*☆*☆*☆*☆
「奏太ぁー」
また来たか、うわずきんだ。
「ねぇ、珊瑚ちゃんって誰のことが好きだと思う?」
知らねーよ。おまえはホントにネタが好きだな。
「知んない。どうせ広大とかじゃない?」
「それはないって。お前冷たいなぁ〜、広大泣いちゃうぞー、しくしく」
キッズショーの兄さんぶった司会者みたい。
「俺、そんなこと興味ないから。俺はみうちゃん派だからな、断じて!」
「そうかな?そのうちみんな珊瑚ちゃん派に…っていうのは冗談だけど、もう半分くらいが珊瑚ちゃん派らしいから、奏太はこれから楽になるだろうなぁ…」
「…おい、奏太はって何だよ!広大もでしょ?」
「…」
広大は少し苦笑い気味に微笑んで、黙ったままでいた。
「………??」
どうなってるんだ!?