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執事的なの…やってみたかったんで書いてみました。Rな感じになるかは分かりません。
僕は黒川・A・架。
母はイタリアのハーフ。そして僕はひょんなことからイタリアの元・貴族の娘で今はイギリスの大企業の社長の娘であるエディアお嬢様に見初められ、この塔でお嬢様の小間使い兼・従者をしている。
「紅茶を淹れて頂戴。疲れが取れるものを。お茶菓子は、そうね…貴方が適当に選んできて頂戴な。」
研究に一旦休憩を入れようと僕に紅茶を頼むお嬢様。その輝く瞳はしかし、いつもと比べれば生気がない。このところは大詰めらしく、研究を朝から昼抜きで行なっていたのだから仕方ないだろう。
「かしこまりました、ただ今。」
お疲れのようなので、何か疲れを取れる物をお持ちしようか、しかし昼の代わりになるものも必要だな…とそんな事を考えながら僕は塔に付いている唯一の階段を下り、お屋敷の厨房で紅茶を用意する。
よく__しかしお疲れのお嬢様のために短時間で悩んだ末に決めたのは、ハイビスカスティー。この紅茶に含まれるクエン酸は疲労に効果があるし、酸味は頭をハッキリさせられる。けれどこの紅茶は酸味が強すぎるので、僅かに蜂蜜を入れる。トロトロと溶けた蜂蜜は、クルクルと回る銀のスプーンにかき回されて消えた。
お茶菓子はブルーベリーのスコーン。ちょうど焼きあがったものがあったので、焼きたてを召し上がっていただく事にする。
初夏に相応しい、ミントの葉の彫刻が為された銀、所々翡翠がはめ込まれたトレーに紅茶とスコーンを載せ、塔の中に運ぶ。このトレーも少し前まではいくらするのかと戦々恐々としていたものだ。
「お嬢様、お持ち致しました。」
コンコン、と正しい作法でノックをする。返事がないのでもう一度。
「お嬢様…お嬢様?」
ドアが僅かに開いていたので、そこからそっと部屋に入る。
「お嬢様…?寝ていらしているのですか…?」
しかし、そこには。
「これなんかどうかしら…?カケルは私には赤が似合うと言ってくれたけれど…でも男の人というのはやはり黒が好きなのかしら…そしたらカケルは…いやっ、私ったら…」
そこには、下着を胸に当てているお嬢様…?が…?
僕は瞬時に嫌な予感を察知。そっと部屋を出た。
「っ?」
お嬢様が振り返る。既にドアの外に避難していた僕は無事。良かった…。
「まさか、ね…でも、そろそろカケルが帰ってくるわね。この黒にしましょう…。」
…少し待とう。