エピローグ
復讐のすべてをアップすると、ネットではかなりの論争へと発展した。
曰く、結局あの最初の依頼者は誰だったのか? と言うものだ。
今回の事件を機に、ホワイトパラディンズにより深い捜査が入り、隠蔽工作をした警察上層部の一新から、衆議院総選挙にての革進党の大打撃による保守党への政権交代などなどが重なり、ネット掲示板では、警察の正義漢説と保守党の大物議員黒幕説の二つが囁かれている。
だが、どちらも確かめようのないことだろう。
だから、僕らは誰かの掌の上で踊らされようとも、明日へと進むしかないのだ。
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「旭人、そっちに行ったぜ」
「おっけー、任せろ!」
今回の事件により、僕らはギルドから正式に依頼を受けられた。
依頼内容は実にシンプル――『逃げ出した電脳ペットを無傷で捕縛せよ』だ。
僕の足の間をするりと擦り抜けたそいつは電脳猫――本来なら設定した敷地内以内から出ることがないが、猫のバージョンアップや他のアプリケーションとが競合し誤作動を起こして、その設定が広大な茅渟市全域となってしまったようだった。
ゆえに、三日目にしてやっと見つけた。
だが――すばしっこすぎて全然摑まらない。
「まぬけ、私に任せろ」
そう言った蓮歌も頭を飛び越えられた。
「燐、そっちに行ったぞ!」
「お任せあれ!」
こうしたやり取りをすでに二時間は続けていた。
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秋口に入った九月中旬。
僕は確実に前に進めていると思う。
あの赤色の空の下から――今のこの青空へと。
[終]




