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俺の青春どうかしてる  作者: こんにゃくゼリー
1/1

〜うるさい女達に囲まれて〜

Ⅰ 俺の青春どうかしてる


……………………ピピッ、ピピッ、ピピッ、バンッ!!


うるさく部屋に鳴り響く目覚ましを止める。カーテンから溢れる太陽の光が、すごく眩しい。


……目が開かねぇ………。


「あーきーらーー!」


下から聞こえるバカでかい声。窓を覗くと、やけに明るい香織がいた。


「また寝坊したの?!ありえなーい!」


………生意気だ。あいつは相変わらずうるさい。こっちは寝起きで、頭が働かないのによぉ…。あんなに大声出されたら、近所迷惑だぜ。恥ずかしい奴だ。あいつと幼なじみなんて…可哀想すぎるだろ、俺。


「先に行ってればいーだろ…?」


朝から初めて声を出した。


朝の声って、変な声だよな…。


窓から覗きながら目を細めて、何とか下を見た。


「…ふーん。あっそ。」


少し冷たい声。


怒ったか?いやいやいや、何で怒るんだ?俺には分からない。心が読めるエスパーでもあるまいし。うむ。


心の中で独り言を呟きながら、学校に行く準備を進めていた。


「くっそー、中学校の制服って着にくいな…」


「独り言言っとらんでさっさと学校行けよ!!」


出た。うるさい女2人目。高校生の姉、彩芽。


「姉ちゃんこそ、そんなゆっくりしてていいのかよ。」


「ふふーん。今日は学校の創立記念日なんでーす。」


くっそー……。ゆっくりパンケーキなんか食いやがって……。明日はぜってー早く起きたる!!


「明!!ほんとに遅刻するわよ?!」


くっ、3人目が出てきたぞ、うるさい女…母ちゃん。こんな女達に囲まれて、俺って本当に可哀想だと思わないか?誰か意見くれよな☆


「うおおおおおおお、やべえええ!!」


こんな無駄な事、してる場合じゃねぇ!!

全力疾走。中学校まで歩いて15分。まぁ俺が全力で走れば3分で……ごめんなさい。7分です…。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

今回は6分で着いた。自己ベスト更新であります!


「っしゃ、ぎりセーフ!」


ドアの前で呼吸を整えてたら、香織が寄ってきた。


「やっときた!!遅すぎるわ!!」


相変わらず口が悪い奴…。


呼吸が荒すぎて喋れない俺を前に、香織は言いたい放題言ってきた。


「明はね、3日に1回は寝坊するんだから!ありえないよ?!学習してよね!」


そんなうるさくわめく香織を、俺は見つめていた。


…勘違いすんなよ?何となく、何となくだぞ!!


「なによ?」


「別に」


おっ、何かこの会話、カップルっぽくねぇか?…そうでもないか…?いや、こんな奴が恋人だったら俺はほんとに可哀想だぜ…。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

「今日の練習は何やるんだろうねぇ」


少しマイペースな口調。俺の隣にいる奴。


紹介しよう!!バスケ部次の次のキャプテン(多分…)その名も、光輝様だぜ!!こいつぁな、あのうるさい女3人共と違って、優しいし優しいし優しいし❤彼女にしたいぐらい…。こいつの爪アカを煎じてあいつらに飲ましてやりたい。光輝が居なかったら、俺の青春は本当に終わってる…。いや、半分終わってるかもしれない。あの女達のせいで……………。


夕日に向かって叫びたかったけど、どこにも夕日が見当たらない。仕方ないから、体育館に向かって、叫ぶ俺……。


「俺の青春どうかしてるーー!!!」


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