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ネルの身支度を整える

俺は金が手に入り取り敢えず飯の心配がなくなったのでネルのことに注意を向けられるようになった。

ネルは姿がちょっと人間と違う所があるので、人前であまり肌を見せたくない。今だってポンチョのようなもので隠しているんだ。

何をって?それはしっぽである。残念ながら猫耳はない。エルフの長耳もないよ。まあ、尻尾と言っても狐みたいなでかいものじゃなくて猫のしっぽみたいな感じのやつね。猿にはしっぽの長い種がいるけどあんな感じ。もっともネルは猿じゃないよ。間違えるなよ。イジメたやつは覚悟しておけよ。俺、この時代の人間じゃないからやるときゃやるよ?


まずは服だ。俺はネルを連れて大きなビルに入る。いわゆるショッピングセンターってやつだな。ここはなんでもあるよ。お金がある人にはパラダイスだね。俺も今は金持ってるからすげーわくわくだよ。服を売っている場所についたよ。

俺はここで驚愕の事実を知ることになる。

子供服って高けーよ!なんだよ、この値段って!弁当が20個買えるよ!ネルが日本語読めなくてよかったよ!絶対、遠慮して着ようとしないよ!でもかわいかったから2着買ったよ。店員のおばさんがお世辞を言ってきたよ。いや本当のことだから世辞にはならないか?

後は、下着と靴下と靴を買って俺たちは店を後にした。

俺は手持ちの金が半分近くに減ったことをネルに悟られないように振舞う。

もしばれたらネルは飯を食ってくれなくなるからな。気を使うぜ。

でも、これは払った額に見合う買い物だっただろう。

ネルはそのままでも十分にかわいいけど、それに見合った服を着たことでそのかわいさにさらに磨きがかかったね。

おかげで町を歩いていると如何にもなあんちゃんたちが声を掛けてきたんだ。

おいおい、車の中から幼女に声を掛けるってお前ら本物か?しかも、ナンバープレートを見ると首都圏ナンバーだし。まったく俺がちょっと目を離すとこれだもんな。まあ、ネルはかわいいからしかたないか。

俺はアホなあんちゃんたちにご退場願おうと近づく。でも、あんちゃんたちは本当にアホだった。嫌がるネルをいきなり車に連れ込んで走り出しやがった!

さすが首都圏ナンバー。米沢に来て舞い上がっちゃったのか?今はこんなだけど60年後には日本第3の大都会になるんだぜ!


ネルを連れ去った車は、街中を抜けてあまり交通量のない国道を東に向かって走り去った。

なんでわかるのかだって?いや、俺、勇者よ?当然じゃん!

俺は3回ほど跳躍して車のボンネットに降り立った。あんちゃんたちはびっくりしたみたいね。急ブレーキを踏みやがったよ。おかげで転げ落ちそうになったじゃないか!急ハンドル、急ブレーキはだめって学校で習わなかったのか!俺は習ってないぜ!

俺は衝撃系の魔法であんちゃんたちを失神させると念動系でハンドルとアクセルを操作して車をわき道に入れ後ろのドアを開ける。

ネルは後部座席でご立腹だ。

「金治、おそい。ネル、おまたを触られた。」

なにー!こいつら本物だったのか!

「いや、すまん。一応、これでも俺の時代から見るとご先祖さまのはずだからちょっと躊躇しちまった。すまん、ほんとごめんね。」

俺は平謝りだ。でも本当に悪いのはこいつらじゃね?


俺はやつらを車ごと消滅させる。これって結構、体力を消耗するんだけどこの時は頭にきていたからね。見境なしとは俺の異世界での二つ名だからな。

もちろん消す前に財布は抜いておく。ても大して入ってなかった。日本の悪いやつは金持ってないのかね。あっ、みんなクレジット決済なのか?


俺がやつらを操ってキャッシュカードで有り金引き出させる方法があったことを思いついたのは町への帰り道、やつらの財布を消滅させた後だった。うん、次はそうしよう。全国の悪いやつたち!俺のところへ来い!極楽浄土へ送ってやる!仏様の説教は長いぜ!


次は風呂だがこれが一番ハードルが高いな。なんせ裸になんなきゃならんし、そしたらかわいいしっぽが丸見えだからな。

温泉や銭湯は結構あるのよ、米沢って。でも個室風呂はさすがにないなぁ。

うーん、個室の風呂ってやっぱりホテルしかないんだろうか?俺の変身術はネルには掛けられないから誤魔化せないしな。


結局、俺は3日に一回一番安いと思われるホテルに泊まることにした。

ほんとは毎日にしたいんだけどすまんそ。駄目なにいちゃんでごめんね、ネル。

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