表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/40

学校イベント。秋の遠足

小学校の秋の大イベント、遠足の実行がなにやら怪しくなってきたそうだ。なんでも山の主様が大暴れしているらしい。

そりゃ、心配するわな。如何に小型のツキノワグマとはいえ、熊は熊だ。野生動物はジャブで牽制なんてしないのよ。やる時は全力です。話し合い?動物と話せるのは神様と仏様だけだよ。じっと目を見つめれば分かってくれる?それって宇宙人に攫われたって言い張る人の主張とどこが違うの?

こうゆう時は上位生物である人間側が折れて近寄らないようにすべきなんだろうけど、今回の遠足はネルがすげー楽しみにしているからね。主様に折れてもらおう。


俺は姉ちゃんを通して関係各位に提案する。

「なら、遠足の前におっぱらっちゃえばいいでしょう。」

うん、分かってる。これは力を持っている者の理論だよね。でも俺が優先すべきはネルの気持ちだから。大体そんなに主様が怖いなら山に入るなっつうの。共存共栄?それはあなた方の利益を確保した上での話でしょ?昔の人はもっと謙虚だったよ。触らぬ神に祟りなしってね。

結局、先生方と親御さんたちは俺の提案を受け入れた。いや、姉ちゃんがなんかしたみたいだ。でなきゃ普通、こんな安全が担保されていない話に乗らないよ。なんたって子供の命が掛かっているんだから。でも子供たちは喜んだ。やっぱり楽しみにしていたのね。でもお前たち、遠足で行く所と同じような場所で毎日遊んでいるのに何が違うの?にいちゃんには分かりません。


今日は地元の猟友会の方たちと山狩りです。

俺は広域探査で山の主様を探す。そしてあたりが出たら軽くあいさつしてご退場願った。でも、お一人だけ負けん気の強い方がいらっしゃいました。というか狂っている。頭の後ろに古傷があるから去年捕獲に失敗したという熊かもしれない。熊にしてみりゃ人間が悪いんだろうけど今回はネルのお楽しみがかかっているからね。死んでもらうよ。文句はあるだろうが愚痴は仏様に言ってくれ。


俺は主様を挑発して猟友会の射手が待機している方へ誘導する。主様もいつもなら警戒して猟友会の裏をかくんだろうけど、今日は俺にからかわれて頭に血が昇っているから他の事に気がいってない。ズドーンと1発で仕留められました。

でも撃ったじいちゃんもすげーよ。5メートルの距離まで引き付けてるよ。この距離なら外しようがないけどよく我慢できるもんだ。真剣勝負なんだね。遊びじゃないんだ、命がけ・・。これがマタギかぁ。


さて、遠足である。今日は俺と姉ちゃんも保護者として参加しました。おやつは驚愕の800円以内です。勿論バナナはおやつに入りません。

バスに揺られること1時間。山の高原に到着です。おおっ、なるほど、これは素晴らしい。海が見えるよ。米沢は内陸で盆地だから山に登っても海は見えないんだよね。これは初体験でした。

姉ちゃんが双眼鏡で海を見ながら俺に嘯く。

「金治、見てみろ。某国のミサイルの残骸が浮かんでいるぞ。」

姉ちゃん、それ洒落にならないから。30年後に本当になるから今はやめて。


子供たちはひたすら走り回っています。もうボールを投げて貰った子犬と同じです。お陰でお弁当の食い付きがすごいです。そりゃ、あんだけ走り回れば腹もすくわな。

そして食後は本日のメインイベント。草滑りです。全長200メートルの斜面を専用のソリで滑り落ちます。ネルは3回も滑りました。因みに登りは歩きです。みんな体力が有り余ってるね。でも一番はしゃいでいたのは姉ちゃんだったりする。


帰りの車中、ネルたちお子様方は遊び疲れてぐっすりです。でも姉ちゃんまでグースカ寝ているのは釈然としない。やっぱり一度絞めるか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ