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金のないやつは俺んとこに・・来るな!

今日はお姉さんの案内で3人揃って東京観光です。お代は俺持ちです。お姉さん、年下にたからないでください。

「金治、これネルにすげー似合うと思わない?」

思います。思いますが、ネルの服の下にお姉さんのサイズの服があるのは何故ですか?

「これ?これは私の。こっちの服を着たネルちゃんの脇にこの服を着た私がいると絵になるじゃん。」

どうゆう理論なんでしょう。俺には全く理解できません。

「金治はどうせ汚しちゃうんだから中古でいいんだよ。もったいないだろう?」

まあ、そうなんですけど面と向かって言われると癪に障ります。

「ネルちゃん、こっちも試そう。ほら、こっちはひらひら付きだぞぉ。」

ネルとお姉さんは試着室の中でファッションショーです。俺はのけ者です。財布係です。荷物持ちです。でもネルが喜んでいるから良しとします。


「ネルちゃん、これ、これもすげー美味いよ。食べてみそ。」

ネルがかわいいお口で姉ちゃんが差し出したクリームをほおばる。そして目を丸くして何度も頷く。声にならないほどの美味しさですか。ネル、中々やるな。将来はフードコメンテーターか?

「ほら金治、金治も食べろ。」

姉さんは俺の皿に自分の皿からいくつか取り分ける。

うん、ピーマンとパセリですか。はい、俺、どちらも食べれます。というか俺、食べ物に関して好き嫌いないですから。でもネルが喜んでいるから良しとします。


「きぁーっ、つめたーい!」

季節はもう9月ですが残暑が続いている為、プールはまだ営業しています。

はい、当然、俺は荷物番です。いいんです。実は俺、あんまり泳ぐのは得意じゃないんです。能力を使えばいくらでも泳げるけど、あれって泳ぐというより後ろから押されて水面を跳ねてるみたいなので、ここでは披露できません。

「きんじー!」

ネルが浮き輪に可愛いお尻をはめ込んで手を振っています。俺も当然手を振り返します。姉ちゃんはビキニですが何故か全然そそりません。俺の中の何かが邪魔をしているんでしょうか?ネルのしっぽをどうやって誤魔化してるのか気になります。

俺は荷物番です。でもネルが喜んでいるから良しとします。


ネルが遊び疲れたので、大きな銭湯で休憩です。当然男女は別なので俺は一人で男湯に浸かります。なんか釈然としないのですがネルが喜んでいるから良しとします。でも、ネル以上に姉ちゃんが楽しそうなのが何故か癪に障ります。ネルのしっぽをどうやって誤魔化したのか気になります。

湯上りでネルは備え付けの浴衣を着させてもらってご満悦です。姉ちゃんは着方がだらしないです。ネルの教育に影響するのでちゃんとしてほしいです。暑い暑いと言って胸元を扇いでいますが全然そそりません。俺の中の何かが邪魔をしているんでしょうか?


2時間ほど昼寝をしたらネルと姉ちゃんは全快です。

今度は日本一高い塔に登りました。結構混んでいたんですが何故か姉ちゃんはフリーパスで待ち時間なしでした。何モンなんだ?こいつは。でもネルが喜んでいるから気にしないことにしました。

ネルは床が透明になっている場所がお気に入りです。そーっと、足を乗せて空中浮遊の真似事です。姉ちゃんがすごいすごいと囃します。むーっ、それは俺の役のはずなんだが・・。こいつ殺すか?いや、しませんよ?思っただけです。一応、ネルの恩人ですから。でもリミットまで後5ポイントくらいかもしれません。


夕飯はイタリヤ料理店に行きました。

くっ、スパゲッティでネルの機嫌をとるとはこいつ只者じゃないな。やっぱり殺すか?でもネルが喜んでいるから気にしないことにしました。

ネルは6種類のパスタを食べ比べて大満足です。姉ちゃんがこれもこれもと注文しては、食べきれない皿を俺の前に並べます。まあ、全部美味かったから良しとします。でもこうゆう店でも給食のナポリタンが出てきたのは不思議です。ネルの大好物ですが、これって日本独自じゃなかったっけ?無理やり作らせたのか?何モンなんだ?こいつは。


今日の払いは全部俺持ちです。姉ちゃんの分が納得できないんですけど、ネルが喜んでくれたから気にしないことにしました。

お休みなさい。

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