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始まりの始まり
「やっぱり、道に迷ったみたいだな」
何とかして今いる場所を確認しようと思っても、周りは、うっそうとした森。手元にあるのは、今にも壊れてしまいそうなボロボロの地図。
「野宿・・・・・・するか」
野宿をするための場所を探し始めたチオの耳に狼の遠吠えが聞こえてきた。
もうすぐ日暮れ。狼たちが動き始める時間まであと少し。
狼がいる近くで野宿をすることは、危険極まりないものである。
旅人である彼にとって、この状況は今すぐにでも抜け出したいものだった。
「近くに村とかはないのか?」
そうつぶやく彼の声に答えるかのように、少し壊れかけた標識が見えた。
『この先人狼村→』
「人狼村? まあいいか。野宿して狼に襲われるよりましだ」
そう言うと、チオは深緑色のコートを翻すと村への道を急ぎ始めた。
初めまして!秋桜です。初投稿です!
不定期連載になると思いますがよろしくお願いします。
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