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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

すぷらった☆がーる ~こんなチーレム望んじゃいない~

「目の前にいるのは自称神さまの女」

「……」

「見事なボンキュッボンだ」

「……」

「個人的にはもう少し露出度が高い方が好みである。ザ・痴女! みたいな――」

「……そういうゲスな地の文は、せめて心の中でやってもらえるかしら?」


 僕は天国だか地獄だかよくわからない不思議空間で、呆れ顔の神さまにそうツッコまれた。


「すまない。思ったことが口にでるタイプなんだ」


 心の籠ってない謝罪をし、ことのいきさつを思い出そうと首を捻ってみた。

 さて、どうして僕はこんなところにいるんだろうか?

 ……だめだ、何も思い出せない。


「どうやらお困りのようね」

「なあ神さま、もしかしなくても、僕は死んだのか?」

「ファイナルアンサー?」

「だるいからはよ」

「つれないわね……。そうよ、あなたは死んだの」


 予想は当たった。

 まあ、そりゃそうだよね。

 だって目の前にいるの神さまだもん。


「どうして僕は死んだんだ?」

「知りたいの?」

「え……まあ」


 一応死因くらいは知っておきたいしな。

 頷くと、面倒臭そうに後ろ頭を掻き、神さまは語りだした。


「あなたは襲われている女の子を助けようとして……死んだのよ」

「ほう」


 それはちょっと意外な内容だった。

 やるじゃん、僕。でも……。


「助けようとして――ってことは、その暴漢に返り討ちにあったってことか」


 どうせならしっかり助けてハッピーエンドになれよ!

 過去の自分に説教を垂れる。

 しかし――


「いいえ。あなたはその男を倒したわ」

「……? なら、なぜ僕は死んでいるんだ?」

「あなたを殺したのは……助けた女の子の方なのよ」

「はあ!?」


 神さまの口から衝撃の真実が告げられる。

 更に――


「その子ね、あなたのストーカーだったの」

「ええ!?」

「助けてもらって感極まっちゃったみたいでね。テンションのあがった彼女に後頭部をドカリ☆」

「いや、ドカリ☆――じゃないから! 何その子、超恐いんですけど!?」

「私、一部始終見てたんだけどあまりに不憫過ぎてね。だから、運命線の余っている異世界に転生させてあげることにしたのよ」


 超展開過ぎて正直ついていけないんだけど……まあ、生き返れるならなんでもいいけどね。

 何も覚えてないけど、たぶんもとの世界に未練とかないし。


「でもねえ。その転生先なんだけど、ちょっとだけ問題があるのよ」

「なんだよ、問題って?」

「うーん。天敵がいて、人間が絶滅しそうな世界なのよね……」


 そんな所に送り出す気かこいつは……。


「それじゃあ、行ったところですぐ死ぬじゃねえか」


 言ってから察した。

 この展開……まさか!


「もしかして、そうならないために能力付与とかしてくれるの?」

「察しがいいわね。そういうことよ」

「おお、テンプレ展開助かんな」

「……だから、そういうのは心の中で言いいなさいよ」

「じゃあ、チーレムな能力くれ! チートでハーレム作れるようなの!」

「うるさいわね。言われなくてもあげるから、右手を差し出しなさい」


 僕は言われるがままに右手を差し出した。

 

「いやあ、僕もこれで人生勝ち組ってやつだな。あははは――って、痛ってえ!?」


 手の甲に焼印でも押されたかのような熱と痛みが走る。


「何すんだ、神! この野郎!」

「チカラをあげたのに文句を言わないでもらえる?」

「は? チカラ?」


 神さまは僕の手の甲を指さした。


「それが……あなたのチカラ」


 眉間に皺を寄せながら、自分のそれに視線を落とす。

 手の甲に『Beast Lover』という文字が浮かび上がった。


 おおっ! こ、これは!?


「……なんて読むんだ?」


 実は英語は毎年赤点だった。

 神さまはため息を吐き、


「ビースト ラバーよ」


 と言った。


「すまん。言葉が足りなかったようだ。意味まで教えてくれ」


 何度も言うが、英語は毎年赤点だ。


「簡単に言うと、ケモノに愛される能力ね」

「はい? なんで獣……?」

「ほら。あなた、ケモナーでしょ?」

「違うわ!」


 その時、不思議空間が揺らいだ。


「な、なんだ?」

「時間ね。いってらっしゃい」

「おい、唐突だな!?」

「展開考えるの疲れちゃったのよ」

「ぶっちゃけすぎだよ!」


 勢いよくツッコみを入れると、途端に意識が薄れていった。

 

「ぐ……」

「今度こそ……仲良くやるのよ」


 視界がブラックアウトする寸前、神さまがそんなことを言った気がした――



 *



 目を覚ますと、そこは草原だった。

 若干霧が立ち込めていて視界が悪い。

 ぼんやりして見えるせいか、はたまた寝起きのためか。ふわふわと現実味がなかった。さっきまでの神さまとのやりとりですら、夢だったんじゃないか怪しく思えてくる。


「って、思ったけど……そうでもないらしいな」

 

 僕は手元に視線を落としてそう呟いた。

 手の甲に刻まれた『Beast Lover』の文字が、全ての出来事が現実であると教えてくれた。


「さて、まずはチカラの確認でもしようかね」


 チカラも使えないうちに神さまの話していた天敵とかいうに出くわしたら一巻の終りだもん──な?

 急に景色が暗くなった。

 見上げると、僕の三倍はありそうな巨大な何かが目の前に立っていた。


「へ……?」


 毛むくじゃらで筋肉質な身体は、ゴリラを連想させる。

 ただ僕の知るゴリラと圧倒的に違うのは、その大きさだ。

 体長はゆうに五メートルはあり、腕や足が丸太のように──否、丸太よりも遥かに太かった。

 直感で分かった。 

 間違いない。これが神さまの言ってた……天敵だ!


「ガアアアアアアッ!」


 戦うべきか否か思案するよりも前に、化け物が地鳴りのような雄たけびをあげた。

 ただそれだけで、足が竦んで動かなくなった。


 あかん。こら死んだわ。

 謎の関西弁で死を覚悟したその瞬間、ふいに神さまの言葉が蘇った。


『簡単に言うと、ケモノに愛される能力ね』


 僕は自分の右手を眺めた。


「ケモノって……もしかして、このバ『ケモノ』のこと?」


 だとしたら、もしかして、これであいつら操れるんじゃね?

 妙な確信を覚え、右手をかざして見せた。


「おい、化け物!」

「ガウ?」

小鳥遊夜たかなしないとが命じる。貴様は、我が奴隷となれ!」


 ルルなんとか様ばりに命令すると、化け物は腕を振り上げた。

 はーい。ってことかな? 礼儀正しいな、昨今の化け物は。

 感心していたが、それはすぐに違うと知れた。

 振り上げられた腕がそのまま僕めがけて振り下ろされたからだ。


「ガアアアッ!」

「あぶねええええ!」


 僕は叫び、間一髪で飛び退いた。

 竦んで動かなかった体が、反射的に動いていた。

 よくやった、僕の防衛本能!

 っていうか、勘違いだったね。何が妙な確信を覚えた──だよ。大概にしろよ?


「ウガアアアアッ!」


 ホッとしたのもつかの間、狂ったように声を張り上げ、化け物が追撃してくる。


「わあああああっ!」


 僕はとにかく必死で走って走って、走りまくった――



 *  

  


「な、なんとか撒いたか……」


 息絶え絶えになりながら、僕は森の木陰で座り込んだ。


「くそ、役立たずじゃねえか! これ!」


 息を整えながら、右手に向かって毒を吐く。

 すると、背後で木の枝を踏みつける音がした。


「しまった、気づかれた――か?」


 振り返って、僕は固まった。

 そこにいたのは、あの化け物ではなく──ひとりの少女であった。

 華奢な体躯をしていて、身長は僕より少し低いくらいだ。顔は──息を呑むくらいの美人。頭から垂れた細い黒髪ツインテールが、若干の幼さを醸し出す。見た目的に同い年か年下の印象を受けた。

 そんな謎の美少女が、僕の顔を見るなり満面の笑みを浮かべた。


小鳥遊たかなし君、やっと見つけた!」

「な、なんで僕の名前を?」

「ふふっ。名前だけじゃないよ?」

「…………?」

小鳥遊夜たかなしないと君。平成二年六月十七日生まれ。身長172cm。体重53kg。血液型はB型。趣味はインターネット。特技はテーブルゲーム。好きな同人サークルは――」

「ちょっ!? やめろやめろやめろっ!」

「小鳥遊君のことなら、私はなんだって知ってるよ」


 やだ、何この子恐い。

 僕はようやく気がついた。


「……お前、僕を殺したストーカーだな?」


 尋ねると、少女はすかさず首を振って否定した。


「違うよ、何言ってるの小鳥遊君」

「あれ……、ごめん違ったのか……」

「私はあなたの未来の婚約者フィアンセ。婚約者が旦那さんのこと知っているのは、当然でしょ?」

「やっぱストーカーじゃねえか!」


 叫んでみたが、彼女は小首を傾げて「何言ってるの?」みたいな顔をした。


「私は昌籠まさかご 梨子りこだよ」

 

 しかも、文脈を無視して自己紹介しだした。

 っていうか、名前凄いな……。

 まさかゴリ子……だと?


「よろしくね、小鳥遊君!」

「あ、どうも」


 差し出された手を、反射的にとる。


「――って、違ーう! そもそも、なんでお前がここにいるんだ! お前は僕を殺した張本人だろ!?」

「……? あなたを殺して、私も死んだの。夫婦なんだから、一緒にいるのは当然でしょ?」


 天使のような笑顔で、彼女は言った。

 だめだ。この人、本格的に病んでる人だ……。

 

「お前の目的は……何だ?」

「えへへっ。小鳥遊君、私とキスして?」

「断る」


 いくら美少女でも、人殺しのストーカー女とキスなんてできるか。


「そう。じゃあ、結婚して?」

「馬鹿なの!?」

「いいもん。どうせ小鳥遊君はすぐに私にキスをするから」

「は?」

「そして、私を好きになるんだから」


 なんなんだ、こいつは……。

 頭がおかしいと、本気で思った。

 宣言してもいい。天地がひっくり返ったって、僕がこいつにキスをすることはないし、好きになることもない。

 それくらい、普通に考えればわかることだ。なんてったって、ストーカーで殺人鬼だ。

 ――にもかかわらず、こいつは自信満々に僕が好きになるという。


 フィイイイッ――


 え?

 突如鳴り響く、甲高い音。

 見ると、昌籠梨子が指先を口に銜えていた。


「リコさん、なにやってんの?」

「何って……口笛?」

「何のために?」

「あいつらにこの場所を知らせるために?」


 …………はい?


「ほら、来たよ。小鳥遊君」


 嬉しそうに遠くを指さす。

 その先に、先ほど相対していた巨大な化け物がいた。

 ものすごい勢いでこちらに向かってくる。


「来たよ、じゃねえ! お前はいったい何を考えてんだ!?」

「怯えすぎだよ。根性のなしのタマナシ君」

「お前本当に僕のこと好きなのか!?」


 発音が『小鳥遊』と同じままなのが一層腹立った。


「おい、どうすんだよ。あいつがここに来たら、僕ら死ぬぞ」

「そうだね。このままだと、二人とも死んじゃうね」


 ……だめだ。こいつ、マジで意味がわからん。

 僕は頭を抱えた。行動も発言も、理解の範疇を超えていた。

 しかし。

 次の瞬間。

 リコの行動の意味を知った。


「ねえ。これ、なーんだ?」


 リコは無邪気な笑みを浮かべ、右手の甲を僕へと向けた。

 僕は目を見開き、自分のそれとを交互に見た。

 彼女の手の甲に刻まれた──謎の文字群。


The Beastビーストって読むんだよ、英語が苦手なバカナシ君」

「バカナ──えっ?」


 今こいつ、何て言った?

 バカナシ?

 ……いや、その前だ!


 The Beastビースト――


 馬鹿な僕でも察しがついた。

 つまり。

 こいつが。



 神さまの言っていた、『ケモノ』──だ。



「あなたのチカラは、私の中に眠る『ケモノ』を目覚めさせるための――鍵」

「鍵?」

「そう。私はあなたが好き。大好き。だから、例え世界が敵にまわっても、私が必ず、あなたを守る」


 言って、薄い笑みを浮かべる。

 背筋がゾッとした。


「その代わり……私を愛してね?」


 その笑みは、狂気に満ちていた。


「さあ、選んで小鳥遊君。私を愛して私と生きるか。私を嫌って――ここで死ぬか」


 迫りくる、天敵という名の『死神』。

 突きつけられる、選択肢という名の『一択』。

 そして、目の前に立つ、昌籠梨子という名の『猟奇的なストーカースプラッタガール』。


 僕は心の底から思った。

 こんなチーレム望んじゃいない――と。


「…………リコ」

「なあに?」


 どうしようもない。

 だって、僕に選べる道は――ないんだから。


「……お前を愛してやる。だから――僕を守れ」

「うん!」


 リコは笑った。

 頬を赤く染め。

 心から嬉しそうに、笑った。

 思わず、胸が高鳴ってしまうほどに。

 その姿は、とても可愛らしかった。


 ガンッ――


 突如。

 鈍い。鈍い音がした。

  

 ビシャッ――


 次いで、液体の飛び散る音。

 生暖かい何かが全身にかかり、同時に僕の視界が真っ赤に染まった。


 へ……?


 見ると、あの化け物の拳が、リコの背に押し付けられていた。

 彼女の体中から、血が噴き出ている。


「り……こ?」

「たか……なし……くん」


 擦れた声とともに、天地がひっくり返った。

 彼女の血塗れの唇が、僕の唇に触れたのだ。


「んっ……」

「…………っ!?」


 ファーストキスは、鉄分たっぷりの――血の味だった。

 ゆっくりと、彼女は僕の唇からそれを離した。


「やったね。小鳥遊君と……ファーストキスしちゃった」


 無邪気に笑うリコ。


「お、お前……そんなこといってる場合じゃ――」

「大丈夫だよ。キスしてもらったから――愛してもらったから――私、もう誰にも負けないよ?」


 言うと、彼女はくるりと振り返った。

 眼前には、雄たけびをあげ、腕を振るい上げる化け物。


「ガアアアアッ!」

「危ないっ!」



「……ケヒッ」



 奇怪な笑い声を発し、リコは化け物に向かって無造作に腕を叩きつけた。

 グシャッ、という肉や骨の潰れる音があがる。

 信じられないことに、化け物の体はそのまま数メートル先まで吹き飛んだ。


「うそ……だろ!?」


 それは、俄かには信じがたい光景だった。

 巨大な人外の化け物を、小さな少女が殴り飛ばしたのだから。


「熱っ!?」


 ふと右手に違和感を覚え、視線を落とした。

 手の甲に刻まれた『Beast Lover』の文字が、赤く光輝いていた。

 そうか、これが――!

 ハッとして、リコの右手を見やる。予想通り、彼女のそれも赤い光を放っていた。

 

 僕らの――チカラか。


「小鳥遊君。そこ……動いちゃダメだよ?」


 リコは言うなり、ダラリと脱力し、異常な前傾姿勢を取った。

 体躯を揺らし、勢いよく地面を蹴る。

 瞬間、彼女の踏み込んだ足場に亀裂が走った。


 ――え?

 僕は目を疑った。

 リコが地上十数メートルの高さまで、跳躍したのだ。そのまま無造作に回転しながら、彼女は化け物めがけて自由落下した。凄まじい轟音と土煙が舞い上がる。

 吹きすさぶ土煙を腕で遮る。僕は目を細めながら、その落下地点を見据えた。

 次第に土煙が晴れていき、中から大小二つの影が現れる。


「ウガアアッ!?」


 轟く絶叫。

 見ると、化け物の左腕が無かった。

 少し離れた地面にそれが転がっているのを見るに、先の一撃が肩あたりに直撃したのだろう。


「……あいつ、本当に……人間か?」


 リコはおおよそ人とは思えない姿勢で、獣のように唸り声を発していた。

 互いに睨み合い、威嚇しているその様はまさに縄張り争いをしている動物のようだ。

 両者とも攻撃に転じず、間合いを計っているように見えた。

 瞬きするのも躊躇うほどの緊張感が漂う。

 そして――


「グガアアアアッ!」


 堰を切ったように、その硬直は魔獣によって解かれた。

 巨大な腕を振るい上げ、リコへと襲いかかる。振り下ろされたその腕が、彼女の顔面に直撃した。


「リコっ!?」

 

 鳥肌が立った。

 頭から血を噴き出しながら、彼女は――笑ったのだ。


「……カハッ!」


 喰らいながら、乱暴に腕を振るう。

 俗に言う、高等なカウンターなんてものではなく、もっと野蛮な――ただの暴力。

 だが、鳴り響いた打撃音と殴られた化け物の表情が、痛々しいほどにその威力を物語る。

 圧倒的体格差など欠片も意に介さず、リコの拳が化け物を蹂躙していく。

 最早どちらが化け物か、わからなかった。


「つ、強い……」


 やがて、化け物は吐瀉物を吐き出し、膝をついた。

 膝が折れ、立てなくなったところを後ろに回り込み、リコは抱きかかえるようにして大木並に太い化け物の首を締め上げた。

 ブチブチという嫌な音と血しぶきをあげ、胴体から首が引き千切られていく。


「ギャガアアアッ!?」


 響き渡る断末魔。

 

「ヒッ……ケヒッ……!」


 リコは不気味な笑い声をあげ、抱え込んだ頭部を勢いよくむしり取った。

 放り捨てられたそれが、高い放物線を描き、僕の近くに落ちて、転がる。


「うっ……」


 苦痛に歪んだその顔は、どうしてか哀れに見えた。

 顔を上げると、戦い終えたリコと目が合った。

 まるで普通の女の子のように、血塗れの髪を整えてにっこりと笑う。

 その異常な光景に、魂まで戦慄し、震えた。


「終わったよ、小鳥遊君」

「あ、ああ……」


 腕を左右に広げ、少し得意げにいうリコ。

 意図を察して、僕は彼女をぎゅっと抱き寄せた。


「ありが……とう」

「えへへっ。ご褒美のキス……してくれる?」


 この子がストーカーでなければ。

 殺人鬼でなければ。

 全身血塗れで恥じらうスプラッタガールじゃなければ。

 どれほど幸せな状況だっただろうか――


「んっ……」


 彼女と交わしたキスの味は、やっぱり鉄臭い、血の味だった――

こんにちは。言葉つむぎです。

読んでいただきありがとうございました。

感想とか評価とか頂けたら泣いて喜びます。


良ければ他の作品も読んでみてくださいな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 小鳥遊。世の中には、面白い苗字が結構あるもんですね。笑 [一言] つむぎっちのテンポの良さは、宝やで! この作品にはライトノベルに必要な物が、全部詰まってる! 即評価やで、ほんま!(何人だ…
[一言] むむー? 短編でチーレムと言いつつヒロインが一人しかいない? 短編集なんですかね? ストーカー怖いよーw
[良い点]  や!? 何これ面白いんですけどwww 勢いとか会話のテンポとかめちゃいいですわー! これ、連載しないんですか?
感想一覧
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