せっかく勇者を辞めて予備校に通っていたのに無理矢理異世界に召喚されたようなので帰りたいです。(前編)(二百文字小説)
小曽根弘樹は勇者を辞めてまた予備校に通っていた。
ある夜、自転車で暗い路地を走っていると前方にいきなり光の玉が現れて飲み込まれてしまい、気がつくとそこは異世界で玉座の前だった。
「其方にこの世界に巣食う大魔王を倒して欲しい」
国王が言ったが、弘樹は、
「お断わりします」
すると国王は、
「この女と結婚させてやると言ってもか?」
国王の隣に元の世界で密かに憧れていた遠藤梨菜がいた。
「喜んで」
二つ返事で引き受けた。