Episode 6 : 教室
2B教室は賑やかでありながら、静寂に包まれていた。
椅子がぶつかる音、ページをめくる音、友人同士がひそひそと話す音。
どれも日常の音だった。
「セルヴァラ・アンティエルサです。セルヴァは元気です。転校のため、3年前から別の街に住んでいます。よろしくお願いします。」
自己紹介は短く、自然なものだった。
小さな反応のざわめきが教室中に広がった。
好奇心。それだけだ。
担任教師は窓際の席を指差した。
セルヴァは静かにそこへ向かった。
座ろうとしたその時、
突然、誰かの視線を感じた。
彼の名前はケイルだった。
彼は黒髪で、無表情な目をしていた。
じっと見つめているのではなく、ただ「見ている」だけだった。
判断するのではなく、観察しているのだ。
セルヴァはケールと少しだけ目を合わせたが、
視線を逸らすことなく、すぐにノートに戻った。
特に意味はなかった。
それでも、忘れられないものだった。
授業が始まった。
教科書がめくられ、黒板に新たな文字が浮かび上がる。
隣の席から、ヴィオナがささやく。
「休み時間に一緒に行きましょう。美味しいパンはまだ売り切れていないはずですよ!」
「わかった。」
それだけで十分だった。
物語は静かに、一歩一歩と進んでいく。




