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P.3 テレビ

テレビのスイッチを押しても、なにも変わらなかった。

黒い画面には、自分の顔がうすく映っていた。

けれど、それを見ているうちに、

なにか別のものがうしろに立っているような気がした。

たぶん影だ。でも、うしろに立っていた“何か”は、

ぼくのことをずっと前から知っていた気がした。

画面の中の「ぼく」が、まばたきもしないでこちらを見ていた。

見たいものがあったはずなのに、それが何だったか思い出せない。

それが、ちょっとだけ怖かった。

→ P.6へ


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