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【第5話】




「ちょっと、あんた達!こんな所で何やってんだい!」



ワシとシオは驚いた。


シオはとっさにワシを突き飛ばし、声の方へ顔を向けていたせいでワシは対応出来ずに尻もちをついてしまった。


座り込んだまま、声の方へ目を向けると荷馬車に乗った女性が怪しいものを見る目でコチラを見ている。



「あ、あの!私達、向こうで死ん」

「大丈夫じゃ!向こうの方で信じられないくらい大きい動物が居てのぅ……逃げてきた所なんじゃよ。無事に生き延びる事が出来たようじゃから二人で喜んでたのじゃ」


シオが喋っていたが、続く言葉を想像して慌てて大げさに遮った。



「向こう……?あぁね。あんた達、ハコエ峠を降りてきたのかい?……そんな軽装で?」


「まぁ……実はのぅ…………駆け落ちをして来たのじゃが、身支度を整える時間が無くての……貴方は?」


「駆け落ち……!そういう話、嫌いじゃないよ!あたしゃそこのユカワ村で宿を営んでいてね。これから夕飯を仕込みに帰る所だから、ついてきて話しを聞かせな」


パシッ 言い終えた女将は馬へ出発を促すと先へ動き出した。



シオがワシを不思議そうな目で見ている。


「駆け落ち、したっけ?」


「まぁ……のぅ。そういう事で話を合わせといとくれ……ワシらはこの世界では異端なんじゃよ。現世でも、自分達が他の世界から生まれ変わってきたなんて言っておる奴は、変な奴だと思われるじゃろ」


「そっか、ここの人達は向こうの世界のこと知らないんだね……ところでさ、ユウの、その口調……」




少しの間、なんて答えるか迷った


「シオは、18歳なんじゃな」


「うん、ユウは何歳なの?」


シオが不思議そうに、コテンと頭を傾ける


「お爺さんに、なるまで、生きた」


「やっぱり!それじゃ、結婚とか……してたんだよね」


「いや、しなかったよ。ほら……女将さんがもう、あんな所に居る。見失わないように、歩きながら話そう」


「結婚しなかったんだ……。おじいちゃんまで生きたのに」


「いいじゃないか。その話は」


「えー、だってー。気になるよー!」



遠くで女将の荷馬車が止まった。

遅いワシ達を見ているのだろう。


「分かったよ、話す。話すから、行こう」



後で女将にも質問攻めされるのじゃろうな……。


少しだけ、心の片隅が重くなるが、昨日までのことを考えると活力がみなぎってくるのじゃ。



動き出したワシ達に安心したのか、荷馬車が進み始めた。











7月ランキング

【空想科学】78位 

【異世界転生/転移】195位 

有難うございます!!


まだ5000文字程度の新米小説なのに……嬉しいです!

ブックマークや評価を早い内からしてくださった方々のおかげだと思っています。感謝です!


また続きを読みに来て欲しいので、ブックマークだけでもしてから次の小説をお探し下さいー

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