9/10
繰り返す夢
小さなアラームが
耳元で、ひとしずくの朝を落とした
君の携帯から
設定されていないはずの音
僕はコーヒーを淹れる
君の寝息、
いやクラシック音楽と共に、
ゆっくり、ゆっくりと口に運ぶ
揺すっても、叩いても
曖昧な生返事
毛布に潜る君
僕は隣に寝転び
眠くもないのに
君の髪を撫でて
眠気を受け取った
白いカーテンを通して
夕日が君の頬を染める
オレンジがかった紅の光
それは、
言葉では届かない美しさだった
文学の儚さを
初めて悔しく思った
夢の中、
彷徨いながら歯軋りをし、
君はゆっくり
瞼を開いた
約束した全てを叶えよう。
膨大な時が流れても忘れないように
ずっとそばで笑い合おう