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有償愛
君が僕を見てないことは知ってるよ。
愛とかそんな曖昧な感情、僕には抱かない。
不安定な想いは、もっと大事な人に預けるべきだよ。
君の好きだったアイツは、僕よりも魅力的な人間で、君を幸せにしてたんだ。
悔しいな。
君のために持った荷物は、
君のために探した人気のお菓子は、
君ために差した傘は、
優しさなんかじゃなくて、
振り向いてもらうための欺瞞だった。
確かな未来があるなら、早く叶ってよ。
演じるのも、偽るもの君のためだよ。
君が望む僕になれるなら、それでもいい。
一緒に苦手な桜の木を見て
君の方が魅力的だと
そう、言いたい。