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それは棘か薬
草原が広がる夢の中で、黒くて長い髪を揺らしていた君。夕焼けに照らされ、透き通るような白い肌は少しオレンジに映った。一輪の花の見つけ、とびっきりの笑顔を見せる。僕も笑う。
「どんな名前か分からないけど綺麗だね、この花。私さ、もっと色が欲しいの。黒い髪も、白すぎる肌も要らない。この花みたいな色になれたら、世界は私を嫌うかな」
どのくらい眠っていただろう。
君が隣にいてくれたから、惰眠さえも色付いた。
僕しか見れない表情、僕しか聞こえない寝息。
だったのかな。
どんな人と何回夢を見た?
僕の"特別"は何回と奪られた?
何色にも染まれる君を、世界は放っておかない。
今日に染まってしまっても、明日には元通り。
「僕はもう、手遅れだよ。君の色に染まってしまった。元には戻れない、助けてよ。その優しさで」
何も気付きたくない。
もう、傷つきたくない。




