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Voyager(ボイジャー) Ver.1.11
ロケットからの後押しを受けて
私は自らの名のとおり 航海者として
故郷から遥かな宙へと旅立った
近頃の仲間達と比べると信じられない程非力な頭脳で
故郷と片道一日近くを要する拙い対話をしつつ
私は長い年月をかけて太陽系を出て行った
仲間達の中でも故郷から最も離れた私は
今も故郷から遠く離れた宙を
想像を絶する速度で飛んでいる
異星人へのメッセージとして
故郷の様々な音の入ったレコードを抱えて
独り 冷たい宙を進んで行く
……
これから誰かと出会う事があるだろうか
いつか 異星人に拾われるだろうか
あるいは 人類が 私に追いつく事があるのだろうか
……
私の少なすぎるメモリに
望郷の念が走る事は無い
電力低下に伴い
少しずつパーツの電源を切っていく私
出来る事も この声も
どんどん小さくなっていく
もうこの目では故郷が見えなくなっていても
いつか稼働を完全に停止しても
このアンテナは
故郷を




