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痰カスと言う名のエッセイ

【痰カス】俺が一番好きなアニメの話

 ここ5年に絞るなら、間違いなくサイバーパンクエッジランナーズだな。呪術廻戦の2期も最高レベルだったけど、これには勝てないって感じ。



 ……え? 見てない? つーか、ネトフリに登録してないの?



 仕方ないなぁ。じゃあ、俺が教えてあげるよ。



 なんて茶番はさておき、どうせ君たちはオススメしたところで見ないだろうから割とネタバレしながら説明するけど。サイバーパンクエッジランナーズ(以下er)とは、ゲーム『サイバーパンク2077(以下2077)』のスピンオフ作品だ。制作会社はキルラキルやグレンラガンでお馴染みのTRIGGER。



 続いてあらすじ。



 カルフォルニア州に位置するナイトシティは、幾つかの巨大企業に支配されているディストピアである。汚職や暴力、そしてサイバネティックインプラントが蔓延するその場所で、ある日主人公のデイビッドは強力な軍用のサイバネティック脊椎インプラントであるサンデビスタンを手に入れた。



 その脊椎を自らに移植したデイビッドは、通常とは異なるスピードの中で生きることが出来るようになった。母の死によって貧困を恨みアンダーグラウンドへ身を落としていくデイビッドだったが、そんな中でルーシーという白髪のネットランナーに出会う。



 ルーシーは、いつか月へ行ってみたいという。果たして、デイビッドは巨大企業であるアラサカや軍との争いに勝ち残り、成り上がってルーシーと月へ行くことが出来るのだろうか。



 といった感じ。説明しておいて何だけど、ぶっちゃけストーリーはあまり気にしなくてもいいと思う。



 基本的に、この世界において性別やビジュアルというモノはすべて偽物だ。なぜなら、脊椎すらインプラントで賄えるこの世界で肉体の改造が行われていないワケもなく、金を投じてすべて自分が思うがままの自分を作って生活しているからである。



 生身の体を持っているのは、主人公のデイビッドのような貧困層だけ。セックスもVRで済ませられるようなとんでもない世界で、果たして人の幸せとは何なのか、という疑問を追求していくのがサイバーパンクモノのメインテーマなんだと俺は思っている。



 もちろん、そんなことは攻殻機動隊でまっさきに語られているネタではあるのだけれど。



 この作品の何よりの魅力は、あくまでも本編であるゲーム2077のスピンオフであるという点だ。



 ここで起こっている殺しや裏切りの折り重なる超絶的な事件の数々も、実を言えばゲームの主人公からすれば些末な出来事に過ぎない。



 特別扱いされている脊椎インプラントだけど、ゲームの主人公(俺)はサンデビスタンどころか様々なパーク(能力)を取り入れて自分だけの最強ビルドを設計して戦うことが出来る。



 あらゆる電子機器をハッキングして完全に無力化したり、背後まで全く気取られることなく接近するアサシンだったり、はたまた近接でとんでもない火力を発揮するゴリラになったり。



 その全てを兼ね備えるような、全能の神様みたいなキャラだって作り出せる。



 こんなヤベー人物が存在する世界の中で、ちょっと人より早く動ける程度の人間が主人公になっている。箱庭の中でワチャワチャしている、といえば虚しい表現になるが、俺はこういった大いなる力の傍らで弱い人々が足掻く物語が大好きなのだ。



 実際、erに出てくる最強の傭兵アダム・スマッシャーはゲーム本編でもラスボスを務めるが、ハッキリ言って主人公の敵に相応しくないレベルの雑魚だ。



 あらゆる能力を強化した主人公(V)の前ではチリのような存在で、ゲームをプレイした人間なら「え? これがラスボス?」と呆気にとられた記憶もあるだろう。



 そんなキャラクターに、erのメンツは完全に完璧に徹底的にぶっ潰される。一矢報いるなんてこともなく、完膚なきまでに叩かれて機械の骨格に残った人格すらすべて消滅させられるような勢いで全滅させられてしまう。



 そう。erはバッドエンドだ。ヒロインのルーシーと月へ行くこともない。デイビッドは一時の多幸感と全能感に支配された哀れなジャンキーとして、報われない最後を迎えてしまうのだ。



 ならば、どう報われないのかという疑問も当然あるだろうけど。それに関しては流石に自分で確認してくれ。そして、このエッセイのコメント欄にでも熱い感想を書いてくれ。



 もちろん、そんな奴はいねーことくらい分かってるけど。



 とにかく、俺はこの無能が散々頑張って死ぬほど努力して必死にはいあがろうとして、最後には大いなる才能に叩き潰されて何も残らずに終わる、みたいな結末が大好きなのさ。



 ブレードランナーだってそうだし、攻殻機動隊だってそうだし、アキラだってそうだし。



 みんなから見てみればバットエンドだけど、実際に体験した主人公たちは満足して終わっていく。そういう自己満足だけが救いみたいな物悲しくて寂しい終わり方をするのが大好き。



 もちろん、そこに至るまでの壮大な世界観やヒューマンドラマがあってこそだけど。報われない、寂しい、という部分に深い感動を覚えてしまう。エロゲでいえば『ボクと彼女とカノジョの恋』とかもそんな感じだよな。



 ……ホワイトアルバム2? その話はやめろ。



 とにかく、だから俺はerが大好きなんだよ。あのエンディングに不満を持っている奴が腐るほどいるのは分かってる。最後には頑張った奴が報われて、みんなでハッピーな結末を辿るのが最大公約数的に正しいのだって十二分に分かってる。



 でも、好きなんだもん。



 だから、俺の直近5年の最高傑作はサイバーパンクエッジランナーズなんだよ。心からオススメ出来るから、もしも未視聴の読者がいたら作品を、暇つぶしに使ってやってみてくれ。



 因みに、ゴールデンカムイ並にキャラが立ってるのも特徴だ。特に、ユーザーから絶大な人気を誇るサブヒロインのレベッカ(CV:黒沢ともよ)のストーリは一見の価値があるから、是非とも刮目してくれたまへ。



 デレマスのミリアの声の人だぞ。テメーもロリコンなら、その辺はチェックしておけよな!



 ということで、今回の文章を書くリハビリもおしまい。よかったら、偏屈で酔狂な君たちが大好きな割と新し目のアニメをこの愚鈍な太古のキモオタである俺に教えてくれると嬉しい。



 そして、くたばれハーレムの最終章はまだ1万文字くらいしか書いていない。もう少しかかるから、気長に待っててくれよな。



 恐惶謹言。

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― 新着の感想 ―
[一言] サイバーパンクはホント面白かった。 全力で人生を駆け抜けて行く感じが爽快だった。最後もまぁそうなるよなぁ……な終わりだったし、ちょっぴりセンチな気分になったけど後味が悪いとかそういうのじゃな…
[一言] 〉大いなる力の傍らで弱い人々が足掻く物語が大好きなのだ。 〉俺はこの無能が散々頑張って死ぬほど努力して必死にはいあがろうとして、最後には大いなる才能に叩き潰されて何も残らずに終わる、みたい…
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