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http:寿命買わせていただきます 28 《私を嫌いな人②》

御手洗みたらいはな

いじめられての自殺ではなくて、死にたい人間。


「私を嫌いな人がたくさんいます。

嫌いだから、私をいじめます。

両親も友達も、あっ、友達じゃないのか。

いじめてるんだから」


「私から金が入ったら誰に?」

「親と私をいじめる私を嫌いな人間にあげます」

「お前を嫌っている奴らが、お前が死んで入った金で幸せな思いをするのは許せるのか?」

「許す?、怒ってはいないです。

悲しくもないし、悔しくもない、どうでも良いんです」


「投げやりだな。なら、自殺することをすすめる」

モルテははなが自殺しないことを知っている。

寿命は77歳まである事がわかっているから。


「自殺はしたくない」


「はぁ、お前とは話が噛み合わないな。

理解しかねる・・・・」


「弟がね、・・・いるの。弟のためにお金を残したいの」

「そうか、それならば、私のサイトの趣旨とは合うな。

でも、そのお金がどう使われるのか?は私の範疇はんちゅうではないぞ。

お前が死んだ後に金がどう使われるのか?お前は知ることは出来ないし、私にはそれをお前の望むように使わせる力は無い」


「待って、モルテ、この話受けるの?」


あんなの声はスルーし、無表情でモルテはワルキューレPCを操作している。


パチパチとキーボードを叩く音が止まった。


「この話は断る。

そして、特別に忠告する。

世界は広い。

外に目を向け続けろ。

その事をずっと胸に置いて生きろ」


はなの返事を待たずしてシャットダウンした。


「受けるのかと思った。

それに死神が生きろって、マジか?」

「華は死なない人間だ」

「でも、どうして?、急に?」


モルテはワルキューレの画面をあんなに向けた。


御手洗みたらいはな

享年 77歳

刺殺・・・・犯人 みなみ尋紀ひろき


南尋紀みなみひろき?」

「今、はなをイジメているリーダーだ」

「なぜ、イジメていた人間が60年後にはなを殺すの?

思春期のいじめがそんなに長く続くわけないじゃない・・・」



*******


御手洗みたらいはなは、モルテと会った後に高校を中退し都会に出て仕事を始める。

給料は最低限の生活費と残りは弟の為に貯金していた。


はなが家を出て1年も経たずして、そのイジメのターゲットははなの弟に変わり弟は自殺した。

SNSにはイジメの主犯、みなみ尋紀ひろきの名前と顔写真もいくつものサイトで公開され拡散された。

未成年だから世間に名前が出されないは今の時代では無理な事なのかもしれない。


元々、弱い者いじめをしたいだけの賎民意識の強い裕福な家の子供。

親の金で虚勢をはるだけの気の小さい男だった尋紀ひろきは、世間の批判から逃げるように家に引きこもるようになった。


はなは高校卒業程度認定試験に合格し、奨学金で大学に進学、その後に弁護士になった。


弁護士になったはなはイジメ問題に精力的に携わり、生い立ち、裁判の実績や貢献度を認められてマスコミへの露出も増えて行った。


77歳の時に、男性に刺されて死亡。

犯人は、自分をイジメ、弟を自殺においやったみなみ尋紀ひろきだった。


ほぼ60年、引き籠っていた男がテレビで活躍している弁護士がはなだと気が付いた。

「なんで、あいつはあんなに幸せそうな顔してる?、


みんなに囲まれて仕事をしているのに、俺は・・・」


そして、はなをつけ回し犯行に及び、はなは死亡、尋紀ひろきは世間に名前を公に公表される加害者になった。


*******


「だから俺は忠告した、世界は広いと。

もちろん、それではなの運命が変わるわけではない。

ただ、世界はこんなにも広いのに、自分から半径数キロの小さい世界でいじめとか人殺しとかって虚しいからな」


モルテがはなの寿命を買っていたら、もしかしたら弟は自殺せずに、南も犯罪者にならないで幸せな生活を送ったのかもしれない。


死なない人間の命を奪うことで、かかわる人間の人生を変えることになってしまう。


この結末をはなが知ったのなら、あの時に私が死んでいればと思うのだろう。


「モルテ、やっぱり、私にはわからない。

はなの命を奪わない事が良い事なのか?悪い事なのか?」


「そんなこと、俺にもわからない。

どう生きるのかには、間違いも正解も無いんだ。

ただ・・・・後悔は最低限であってくれたら迎えに行く際に駄々こねられなくて私が楽だろうな」


はなの運命は変わらない事を知っていて、モルテは言った。

はなが私の忠告を受け入れ世界に目を向け、何かの手違いで運命が変わる事があるのかもしれないしな」


つづく
















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