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http:寿命買わせていただきます 21《あの子の選択①》

モルテは自室でワルキューレPCで自分の成績を見ている。


与えられた通常の命の回収以外のポイントはほとんど無い。


「私は何のために、このサイトを開き、寿命を買おうとしている?、

って、まったくポイントは増えてないし」


何件かの依頼を受けてきたが、ほとんど、死ぬ事を諦めさせたり、寿命を移行したりでポイントの増えるような仕事はしてはいない。


「死神向いてねぇ・・・・」


「だな」


背後からの声にモルテは振り返る。


「ハーデス!」

「おぅ、告げ口モルテ君、久しぶりだな」

「なんか用か?」

「つれないねぇ。やっと、謹慎が空けたから会いに来てやったのに。

一番にな」

「報復でもしに来たのか?」


ハーデスはドスンと部屋のソファに音を立てて座った。


「とんでもない、保護観察ついていなければそうしたいところだが、見ての通りGPS付けられてますから、お前のお・か・げで」


ワルキューレPCを見たまま会話していたモルテは、椅子を回転させハーデスに向かい合う。

「報復できないから嫌味を言いに来たのか?相変わらずお前はお前だな」

「誉め言葉と受け取っておこう」

「二度と無謀な命の回収するなよ!」

「わかってるって。今度やってばれたら追放されるってよ。

しばらくはおとなしくしておくよ、しばらくはな」

「っで、それだけならもう消えろよ」

「情報を持ってきてやった」

「情報?」

「教えて欲しいか?}

「いや、聞かないで良い。お前に借りを作りたくない」

「ほぉ、お前の所にしばらくいた女の話」

「ん?あんなのことか?」

「そうそう、そんな名前だったかな」

「あんながどうした?」

「借り作っても良いのか?」

「すぐ返す」

「そのあんなって女、天国に行かなかったって話だ」

「馬鹿な・・それでどこへ行ったんだ?、まさか地縛霊になったのか?」

「さぁ、そこまでは知らないがな。謹慎中に聞こえてきた話だ」

「あのバカ・・・・地縛霊になったら自分を無くすって教えたのに」


「話はそれだけだ、必ず借りは返せよ。

命の回収の仕事は再開したからもう行くわ。

今はリスト上がったら1日の余裕も与えず処理してポイント稼がなきゃならないからな」


それだけ言って後ろ手を振ってハーデスは消えた。


「あんなのやつ、なにを考えてるんだ?」


モルテは険しい顔でマントを翻すと、あんなの母親の入院している病室に向かった。


「霊としてここでさまよっているかと思ったが・・・いないか」


あんなのかかわりがあった場所を見て回るモルテだったが、あんなを見つけることは出来なかった。


落胆して部屋に戻り隠れ家の和室ににじり入り、そのままうつぶせる。


「別に心配してるわけじゃないさ・・・」

モルテの頭の中に、あんなと過ごした数日が思い浮かんでいた。


「馬鹿が・・・」

何度目かのあんなにあてた馬鹿の言葉


「馬鹿じゃないし」


その声に、膝で這うように入口まで進み部屋を隠すためにかけられているカーテンを開けた。


その姿は世間の思い浮かべる死神の印象からはかけ離れた人間臭い動きだ。


「よっ!」

「あんなぁ!おまえぇ!」


「元気?」


「お前!元気?じゃねぇ!」

「なに?、どうした?なんか、お言葉が乱暴なんですけど」

「説明しろ!」

「なにを?」

「お前が、天国に行かなかった理由と、地縛霊でもなく、

その黒装束でここに存在している理由をだ!」


つづく











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