カメ肉サーロインステーキ250g32000円太郎
お前もサーロインステーキにしてやろうか!?
(*´д`*)
むかしむかし、海辺の村に住みながら魚よりも肉が好きな男、浦島太郎がおりました。
ある日浦島が海辺へ釣りに行くと、カメ肉サーロインステーキがいじめられておりました。
「ステーキ屋で頼み方が分かんなくて気軽に行けねぇんだよ!!」
「知ったかぶりして『ミディアムレアをこんがりめで』とか言ったら笑われたじゃねーか!!」
子ども達が寄って集ってカメ肉サーロインステーキをいじめているのを見かねた浦島は、子ども達に声を掛けました。
「ほらほら、弱い物いじめは良くないぞ?」
「ウッセー! 小遣いよこしな!」
子ども達が浦島に向かって手を向けるので、浦島は懐から財布を取り出して、海へ向かって放り投げました。
「早い者勝ちだ!」
子ども達が一斉に海へと入ってゆきます。しかし、そこは流れの急な場所であり、子ども達はあっという間に沖へと流されてしまいました。因みに財布の中身は空っぽです。
「助けて下さりありがとうございます。お礼に竜宮城へとお連れ致しましょう」
浦島はカメ肉サーロインステーキの端っこを摘み、海の中へと連れて行かれました。
海の底には竜宮城があり、中へ入るとこの世の美を結集したかのような輝きが浦島を出迎えました。
「この度はカメ肉サーロインステーキを助けていただきまして、誠にありがとうございます」
「いえいえ、礼には及びませんが、どうしてもと仰るなら100年物のワインなんかが僕は好きですね」
「うふふ、面白いお方♪」
浦島は時間と我を忘れて、竜宮城で宴に明け暮れました。
「そろそろ帰らないと……」
浦島は俗世に残してきた年老いた母のことを思い出しました。出来ることならこのまま竜宮城で一生遊んで暮らしたいのですが、如何せん放置の末にくたばられたのでは夢見が悪いと、浦島は惜しに惜しんでカメ肉サーロインステーキの端っこを摘んで地上へと帰ります。
去り際に乙姫様が「絶対に開けてはいけない」と言い、玉手箱をくれました。
しかし浦島は最後にトイレへ立ち寄った際に、玉手箱を忘れてしまいました。
地上へと戻った浦島は、指に絡まった細い糸に気が付きました。それは玉手箱を結ぶ紐が解けて細く伸びた物であり、浦島は何の気兼ねもなく紐を引っ張りました。
「……何だこれ?」
そして浦島は家へと帰りました。
一方、竜宮城では戻ったカメ肉サーロインステーキがトイレへ行った瞬間に玉手箱が開き、なんと玉手箱から出た煙でカメ肉サーロインジャーキーへと進化してしまいましたとさ。