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第79話 そして、真の仲間最後の復讐が始まった

 それからというもの、僕たちは圧勝だった。


 結局、次の日の本戦も余力を残したまま勝ち上がってしまった僕たちは、決勝戦でシュトリとの対決が決定したのだった。



 ──そして迎えた決勝当日。



「いやあ、感動的だねぇ。愛する妹のために、本当に決勝戦まで来ちゃうんだからさあ!」


 闘技場に現れると、にやにやと薄気味悪い表情を浮かべるシュトリ。


 横には僕の実の妹、グウェンとエルの姉、アルがいる。


 ああ、これからこいつはどんな表情を見せてくれるのか。


「だろう。僕は妹想いでね。シスコン上等さ」


 ついに決勝戦の火蓋が切って落とされるのか。



「ルールは単純! 決勝戦ではどちらかのリーダーが戦闘不能とみなされるか、死亡するまで続きます! そして決勝戦では、時間経過と共にシールドが自動で破壊されていく魔導首輪をリーダーに装着していただきます! さあ、準備はいいですかぁ!?」


 会場の盛り上がりは最高潮に達する。


 魔道具を用意するのは学園側、つまり生徒会が大きく関与している。


 なので生徒会長の弟であるシュトリの道具はもちろん、僕のものにも細工されているに違いない。


 僕の首輪だけが確実にシールドを破壊するだろう。


 だが、今回の敗北条件はシールドの破損ではなく、死ぬこと。


 それなら何ら問題はない。


「ではぁぁ! 指輪に誓って!」


「「この戦いに偽りなし(デュエル)!」」


 戦いが始まる。


 違和感はすぐに気がつく。


 僕を守るシールド魔法は既に破壊されていた。


 やはりというか、僕の首輪には細工がしてあるようだ。


 食らえば即死、そういうことか。



「今日のためにたくさんグリモアを集めてやったんだよ、死ねよ!」


 シュトリは魔導書(グリモア)を大量に展開する。


 その本一つ一つは独立し、魔術を行使する自立機構。


 まずいな、どう対処するか。


 それに合わせて、エルはついにネックレスを外す。


 目には見えないが、これで勝負師の効果が相殺されているはずだ。


 さあ、僕からも攻撃開始だ。


 名前をつける、上手く動作してくれよ。





      *






”真の仲間”シュトリ


種族:人間

ジョブ:魔導師(ウィザード)


型:やや早熟

LV.14

HP:180

MP:330

魔力:104

力:65

知力:54

防御力:55

魅力:98

素早さ:54

運:66


成長率

HP:E

MP:B

魔力:A

力:C

知力:D

防御力:D

魅力:B

素早さ:D

運:C



スキル


*魔術A Lv.2

一個師団相当の大魔術を行使できる。

使用可能元素は地水火風。


*魔道具行使C Lv6

魔道具を同時に複数使用することができる。

また、魔道具に秘められた性能をほぼ100%引き出すことができる。





     *






 僕は編集リストにシュトリが登録されたのを確認する。


 昨日は僕のスキルが無力化されっぱなしだったから少し不安な気持ちになっていたが、かかってくれたようだ。


 まあ、かかってしまえばもう僕の勝ちのようなものだな。


 僕がアジェンダ変更でシュトリ本人に自殺させようとしたその時だった。


「まったく、大口叩くものですから期待してしまったのですが……。心底がっかりですよ、シュトリさん」


 そう告げたのは、シュトリの横の僕の妹、グウェンだった。


「な、なんだその口の聞き方は……。お前!」


 その一言にシュトリの怒りは頂点に達する。


 ああ、僕も彼女の奴隷紋を見た時、怒りでいっぱいだった。


 だからまあ、妹が始めから正気だったことに気がつけなかったことが兄としてとても悔しかったのだ。


「あらごめんあそばせ。お詫びに貴方様の奴隷であるこのグウェンの身を滅ぼそうと試みてもよろしくてございますわ」


「いい度胸じゃないかお前。だったら死ねよ!」


 空中に展開していた魔導書は一斉に僕の妹の方へと向き、魔法を放つ。


 さらに、奴隷紋が光り輝き、僕の妹の動きを縛っている。


 だけれど、そんなことは僕の妹の前では些事だ。


「あら残念、届きませんでしたねぇ」


 その魔法も、魔導書も、命令も、奴隷紋も全て消滅していた。


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