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第41話 そして、寝た

「よし! また僕の勝ちだ!」


「まあああた負けたああああ!」


 エリカの悲痛な叫びが部屋にこだまする。


「これで将棋は師匠の10戦10勝ですね」


 そのカウントはエリカの心を確実に抉ってるぞ、ツモイ。


「わたしもロクトくんに一回も勝てなかった……」


 リカンツちゃんもた落胆している。


 正直チェスはかなり得意な方なんだ、ごめんな。


 そんな僕は結局いろんなゲームをみんなとしたが、大体の試合は僕の勝利に終わった。


 ちなみにこうして嘆いているエリカも実は将棋以外では結構いい成績を残している。


 なんだかんだで結構接戦が多く、その中でもいい成績を残せた僕は大戦果と言えるだろう。


「ははは。さ、そろそろ寝ようか」


 そういえばベッドは一台しか無かったな。


 人数分用意してやらないとクレームが入りそうだし、万が一のことがあった際に不純異性交遊ともとられかねない。


 そう思って『物質変更』でベッドを作っていこうとしたその時だった。


「……っ!」


 突如強烈な頭痛に襲われ、目眩で視界がちらつきだした。


 どうやら連続して何度もホイホイとは使えないようだ。


 一応確認のためにペディに問い合わせる。


「(ペディ、これはそういうことか?)」



(はい、ロクト様のお考えになられたとおりです)


 やはりそうか。


 僕のスキルは魔力を必要としない。


 代わりに精神力のようなものがすり減っているようだが、それの確認方法がなく不便だ。


「(じゃあペディ、僕のステータスからスキルに必要な精神力みたいなステータスを可視化してくれないか? できなかったらそれでもいいんだけど」


(可能ですよ。お任せください)


 やはりペディ、助かるな。



「っと。師匠、無理をなさらずに」


 ツモイが僕の身体を支える。


「ありがとう。でもさすがに一台のベッドじゃ流石にみんなも困るだろ」


「いえ、私は構いませんが」


 えっ。


「私は逆にロクトくんがいないと抱き枕がなくなっちゃうし、困るな〜」


 そういえばリカンツちゃん、いつも僕を抱いて寝てましたね。


「私もロクトくんなら大丈夫っていうか、むしろちょっと嬉しいかも……」


 ああ、やめてくれ。


 エリカがそんなに顔を赤くしていたら、海辺の出来事を思い出してしまう。



「ともかく顔に疲れが出てる方は休んでくださーい」


 僕はリカンツちゃんにベッドに押し倒されてしまう。


「ちょ、リカンツちゃん……!」


 しかし時すでに遅し、僕の大事な元許嫁はものすごい早さで眠りに就いていたのだった。


「では師匠、お邪魔します」


「わ〜! わたしも〜!」


 すでに僕が身動き取れないのをいいことに、二人はベッドへと侵入する。


 あ、すごいいい匂いがする。


 そして柔らかい。


 果たして僕は寝れるのだろうか。


「師匠、今夜はお楽しみですね」


「ねえロクトくん、キスよりもすごいこと、わたし知ってるんだ〜。教えてあげよっか」


「むにゃむにゃ……」


 いや、寝れないでしょう。


 多分。


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